オコエ瑠偉、躍進の裏に坂本勇人の言葉 5年ぶり3安打も…見抜かれた打席での“弱気”
坂本から助言…「打ちにいかなあかんで」からの復調モード
■巨人 7ー1 阪神(11日・東京ドーム)
巨人・オコエ瑠偉外野手が11日の阪神戦(東京ドーム)で5年ぶりとなる猛打賞をマークし、勝利に大きく貢献。チームの連敗を5で止めた。「1番・中堅」で先発し、1-0の7回2死満塁の好機。阪神・西勇から右前へ2点適時打を放つと気迫のガッツポーズを披露した。一塁ベンチに視線を向けるとナインは総立ち。「みんながガッツポーズしてくれていてうれしかったです」と感慨深いタイムリーとなった。
お立ち台に上がると「本当に自分の人生を変えたく頑張ってきました。本当にこの舞台に立ててすごく光栄です」と気持ちを込めて、言葉をつないだ。オコエは巨人ファンからの大きく、そして温かな拍手に包まれた。昨年の現役ドラフトで楽天から移籍。今はもう、ファンにもナインにも欠かせぬ存在となった。
5年ぶりの3安打に2打点の活躍。原辰徳監督は西勇のシュートを打った第1打席の左前安打を絶賛した。「最初の打席で見事にシュートを跳ね返した。数年うちにはいなかった選手」と目を細めた。ファーストストライクから積極的にスイングしていく姿勢が好結果につながっている。これで3試合連続でマルチ安打をマークした。
期待され「1番」で起用された中日との3月31日の開幕戦(東京ドーム)は苦い巨人デビューとなった。先頭打者は勢いを付けないといけない打順でもあり、四球をもぎとってでも出塁をしたい気持ちにもなる“場所”でもある。そのため、ファーストストライクを見逃したり、消極的になっている自分がいた。4打数無安打。最後は見逃し三振だった。
お立ち台でお礼…「勇人さんのアドバイスは大きかったです」
「誰にも言っていなかったのですが……」とオコエは打ち明けた。「(坂本)勇人さんから『お前、最後の打席、ちょっと(ボールを)見に行くくらい(の気持ち)で行っただろ?』という風に言われました。それが結構、自分の中で図星で……。四球がちょっと欲しかったかな、と」。すると坂本からは『やっぱり打ちにいかなあかんで』と言われたという。
リードオフマンとして、チームの日本一を導いてきた坂本からの助言には重みがあった。オコエは「打たないと始まらない。最近は強気で振るくらいで行けていて、状態がよくなっています」と手応えをつかんでいる。9日の広島戦(マツダ)での初球先頭打者本塁打もその言葉の効果があった。ヒーローインタビューでも「勇人さんのアドバイスは大きかったです」と感謝の気持ちを伝えた。
伝統の一戦の“デビュー”も鮮やかに飾ったオコエは「楽天から来た身としては全部の試合が注目されている。阪神戦だから(すごい雰囲気)というのはなかったです。巨人ってすごいなと思っています」と今は無我夢中で野球と向き合っている。この夜、弱気な自分と別れ、巨人の一員になれた気がした。本領発揮はこれからだ。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)
