Jリーグルヴァンカップが、3月8日に開幕した。
 新型コロナウイルス感染症の影響で凍結されてきた施策が、今シーズンから再導入される。U―21の選手の出場を奨励するルールだ。ルヴァンカップでは21歳以下の日本人選手を、1名以上先発させることが義務づけられる。

 ウズベキスタンで開催中のU―20アジアカップには、まさにこの年代の選手が出場している。ルヴァンカップに出場するJ1のクラブでは、川崎フロンターレとFC東京が選手ふたりを送り込んでいる。こうした国際大会と日程が重なる場合、当該チームは出場義務を負わないことになる。

 では、3月3、4日に行なわれたJ1リーグ第3節で、2002年1月1日以降生まれのU−21の選手は、どれぐらい出場していたのか。現実はなかなかシビアなものだった。

 U―21世代が先発で起用されたのは、湘南ベルマーレ、アルビレックス新潟、柏レイソル、サガン鳥栖の4チームにとどまった。控えメンバーを見ると、柏とFC東京が3人エントリーしている。そのほかでは、横浜F・マリノス、湘南、川崎フロンターレ、新潟、浦和レッズ、鳥栖、ガンバ大阪がひとりエントリーしている。

 U―21世代がひとりも関わっていないのは、9チームだった。サンフレッチェ広島、コンサドーレ札幌、京都サンガ、セレッソ大阪、アビスパ福岡、名古屋グランパス、ヴィッセル神戸、鹿島アントラーズ、横浜FCである。

 2000年や2001年生まれをすくいあげると、見えかたが変わってくるチームもある。京都だ。曹貴栽監督が指揮するチームは、21歳の川崎颯大と山田楓喜、22歳の福岡慎平と佐藤響、23歳の若原智哉が先発している。控えメンバーにも、21歳の谷内田哲平、22歳の木村勇大が名を連ねる。

 セレッソ大阪は、開幕節に先発したFW北野颯大(18歳)が、U―20アジアカップに招集されている。また、21歳の西川潤が鳥栖に期限付き移籍中だ。同じく21歳のMF松本凪生はJ2のヴァンフォーレ甲府へ期限付き移籍中で、22歳の山田寛人と23歳の中島元彦もJ2のベガルタ仙台で経験を積んでいる。

 18人の平均年齢に着目すると、最も若いのは柏レイソルだ。24.72歳である。2番目に若いのは京都の25.39歳で、ガンバ大阪の25.83歳が続く。

 ガンバは22歳のGK谷晃生がレンタルバックし、20歳のDF江川湧生をJ2のV・ファーレン長崎から、21歳のDF半田陸をモンテディオ山形から迎え入れた。同じく21歳の山本理仁も、東京ヴェルディから昨夏に獲得した選手である。パリ五輪世代を増やして、世代交代を進めている印象だ。

 逆に平均年齢が高いのは、名古屋グランパスだ。3節の平均年齢は、J1の全18チームで唯一29歳を超える。スタメン平均は29.73歳、18人では29.39歳だ。

 育成組織出身で22歳のDF藤井陽也が最年少で、20代の選手は先発と控えを合わせて半数に届かない。8人にとどまる。28歳の前田直輝、26歳の相馬勇紀、22歳の成瀬峻平を期限付き移籍させているが、チームを支えているのは経験豊富な選手たちだ。

 名古屋に次ぐのはセレッソだ。先発11人は28.82歳、18人では28.17歳となっている。期限付き移籍中の選手が少なくないのは前述したとおりで、3節は出場のなかった21歳のCB西尾隆矢がスタメンに入ってくれば、見えかたが変わってくるかもしれない。

JリーグがU−21世代の試合出場を推奨しているのは、10代後半から20代前半に過ごす時間が、将来的なキャリア形成に大きく影響してくるからだろう。大卒でプレミアリーガーになった三笘薫のような例はあるものの、20歳前後にレベルの高い試合を経験しておくことは、選手自身はもちろん日本サッカーがU−20W杯や五輪で成績を残すことにもつながる。

 そうは言っても、高卒1年目やトップ昇格1年目ですぐに試合に絡むのは、それなりにハードルが高い。ルヴァンカップのルールも、「義務づけなければ使われないかもしれない」との認識があるからだろう。

 そうした舞台を用意することと並行して、選手自身が力をつけていくことが欠かせない。高校卒業と同時にボルシアMGへ加入した福田師王のような選手も出てきているが、年代全体の底上げを促していきたい。コロナ以前の大会方式や取り組みへ戻るタイミングで、どうやって選手を「育成」していくのかを改めて考えるのだ。