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ドラマチックなスタイリングとパフォーマンス

大型SUVのレヴァンテは、マセラティにとって非常に重要なモデルだ。同社初のラグジュアリーSUVとして、経営を支える収益源になるべく2016年に登場している。ポルシェにとってのカイエンや、ジャガーにとってのFペイスのように。

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実際、期待に応える人気を獲得している。2021年には、マセラティの販売台数の59%をレヴァンテが占めたという。ドラマチックなスタイリングとパフォーマンスを、実用的に味わいたいと考えるドライバーにとって、訴求力のある選択肢になっている。


マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

SUVではあるものの、前後の重量配分は50:50と好バランス。サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式を採用する。車高の高いスポーツカーではなく、グランドツアラーという設定で、四輪駆動が標準となる。

動的能力という点では、同クラスのライバルに届かない部分もないわけではない。加速時の操縦性のバランスや、コーナリング中の安定性は、カイエンなどには及ばない。それでも、イタリアンで艷やかなインテリアに包まれれば許せてしまうだろう。

レザーで覆われたダッシュボードの中央では、ブランドの伝統といえるアナログ時計が高貴に輝く。高級感に不足はない。

エンジンは2.0L 4気筒から3.8L V8まで

エンジンの選択肢は多彩といえた。当初英国へ提供されたのは、3.0L V6ディーゼルターボ。274psと61.1kg-mを発揮し、0-100km/h加速6.9秒と230km/hの最高速度を実現している。トランスミッションは、共通して8速オートマティックだ。

レヴァンテ Sでは、マセラティらしいV6ツインターボを搭載。フェラーリ由来の3.0Lユニットは350psと50.9kg-mを発揮し、0-100km/h加速を5.3秒でこなす。快音を響かせながら加速を続ければ、263km/hの最高速度に届く。


マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

トップユニットとなるのが、こちらもフェラーリ由来となる3.8L V型8気筒ツインターボ。GTSでは529ps、トップグレードのトロフェオでは580psを発生させ、どちらも最高速度は299km/hがうたわれている。

V8エンジンのレヴァンテは、スーパーカーに並ぶ動力性能を備えるだけでなく、最も美声を響かせるSUVに数えられる。マセラティへの期待通りだ。

2021年からは、マイルド・ハイブリッド版も提供されている。330psを発揮する2.0L 4気筒ガソリンターボに、スターター・ジェネレーター(ISG)が組み合わされている。

ISGは、減速時に運動エネルギーを電気エネルギーへ変換。荷室下へ搭載された駆動用バッテリーを充電し、加速時にエンジンをアシストする。V6ツインターボとの比較で、燃費は18%ほど改善されている。

トロフェオでは21インチ・ホイールが標準

装備は2016年の初期型から充実していた。デュアルゾーン・エアコンにクルーズ・コントロール、アダプティブ・エアサスペンション、パワーシート、パワーテールゲートなどが標準。インフォテインメント用に8.4インチのタッチモニターも備わる。

グランスポーツ・グレードを選ぶと、スポーツシートとアルミニウム製シフトパドルなどを獲得。トリム類もブラックに仕立てられ、一層スポーティな仕立てになる。


マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

グランルッソは、プレミアム・オーディオにソフトクロージング・ドアなど、ラグジュアリー志向。パーキングセンサーも付いてくる。

GTSはハイエンド・オーディオにレザー張りのスポーツシート、アルミ製シフトパドルなどを獲得。ルーフエンドにリアスポイラーが追加され、前後のバンパーはアグレッシブなデザインになり、タダモノではないSUVだと主張する。

トップグレードのトロフェオでは、アルミホイールは21インチが標準に。サラウンド・モニターにハイエンドなレザー内装、専用シフトノブ、カーボンファイバー製シフトパドルなども与えられる。前後のバンパーもカーボンで飾られ、差別化に抜かりはない。

知っておくべきこと

英国価格は、2016年の発売時で5万4335ポンドからだったが、トロフェオになると12万4900ポンドへ急上昇した。GTSでも10万4900ポンドからだった。

現在の中古車市場を見てみると、走行距離が5万km前後のターボディーゼルで3万5000ポンド(約563万円)ほど。V6ツインターボ・ガソリンでは4万ポンド(約644万円)以上は必要になる。V8ツインターボになると、その倍はするようだ。


マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

ヘッドライト

2017年末から2019年初頭にかけて製造されたレヴァンテの一部は、フロントのLEDヘッドライトが英国の基準に合致していないということで、リコールが出されている。ディーラーでの無償対応となった。

荷室容量

全長5mを超えるレヴァンテだが、荷室は思いのほか小さい。容量は580Lで、ランドローバー・レンジローバー・ヴェラールの632Lや、ポルシェ・カイエンとアウディQ7の770Lと比較して明確なビハインド。リアシートを折りたたんだ条件でも同様だ。


マセラティ・レヴァンテ S グランルッソ(英国仕様)

英国編集部の推しチョイス

ベスト:レヴァンテ V6 S

聴き応えのあるエンジンサウンドを伴いながら、鋭い加速を味わえる。V8エンジン版より安価でもある。ベースグレードでも、追加の必要がないほど装備は充実している。

ワイルドカード:ポルシェ・カイエン

クラス最高の乗り心地と、整ったインテリア、SUVらしからぬ動力性能を求めるなら、ライバルのポルシェ・カイエンが最有力。英国では、2017年式のV6ガソリンターボ・モデルがレヴァンテと同じ価格帯で探せる。


マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ(欧州仕様)