ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』

写真拡大 (全22枚)


2022年秋に3度目の日本公演が決定しているブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』がいよいよ本格始動! 都内某所のスタジオにて初演・再演に続きチャーリーを演じる小池徹平と、今回新たにローラ役に挑む城田優が揃ってビジュアル撮影に臨んだ。舞台での共演は初めてながら20年来の友人であるふたりだけに、信頼感と心の準備はすでに万端。最高のビジュアルを求め、カメラマンとのHOTなセッションが繰り広げられた。

スタジオ内では“チーム・キンキー”が必要なセッティングを整えてスタンバイ、すでに温まった空気の中で撮影スペースにやってきた小池と城田を迎える。BGMは劇中ナンバーの「Raise you up」! カメラ前に並んで立つふたり。音楽に乗せて小さくステップを踏む小池に合わせ、城田も軽く手振りをつけてみせる。言葉を交わしながら一緒に身体を動かし軽くダンス。そんな自然な振る舞いも気の置けない仲ならでは。ファーストカットからほぐれた雰囲気で撮影が始まった。

本作を象徴するスタイリング、Reeed!!のスパンコールが眩しく輝くタイトなミニドレスとお揃いカラーの超ヒールブーツに身を包んだ城田ローラは、派手なアイメイクと鮮やかなルージュがよく似合う。カールが揺れるロングヘアーもゴージャスだ。小池チャーリーは上半身スーツにボトムはトランクス、そこへローラと同じブーツを合わせたこちらもおなじみのキンキーコーデ。スタッフが用意した絵コンテとデザインアイデアを確認しながら、早速次々にポーズをつけていく。

重心の置き方、顔の角度、目線や手の表情などのわずかな違いで同じポージングでも印象は微妙に変わってくるもの。「いい! 今すごくいい!」「もっとBeautyに!」「目ヂカラ強くね」「もう少し寄り添って」「足のライン忘れずに」と声がかかれば即座に対応。モニターチェックも丁寧に重ね、「これぞ」と思えるポーズと表情を息を合わせながら絞り込んでいくふたり。

「どれもいいけど…」と迷うスタッフの声に「じゃあ私の顔で決めて」と即興で百面相、クルクルと多彩な表情を繰り出して見せたのは城田。挑発したり艶めいたりおどけてみたりとどの瞬間もローラの生命力を感じさせる素敵な表情だが、やはり初めてのローラとしての撮影は緊張や戸惑いもあったのだろう。撮影が途切れたタイミングや身体の使い方を試行錯誤しながら綺麗なポーズに落とし込んでいくまでの刹那にふと見せるはにかんだような表情も、人間味溢れるキュートなローラの姿として印象に残った。

とあるポーズでは“強めのオンナ”をチョイス。ここではカメラマンから「ハートは笑ってるからね~」とのオーダーも。そう、ビジュアル撮影は表面だけでなく内面から生まれる表現が求められているのだ。チャーリーと並んでいるからこそローラの生き様がにじむ1枚、ローラと並んでいるからこそ伝わるチャーリーの職人魂──ふたりが互いに互いの個性を際立たせる瞬間の表情を目指してシャッターが切られ続ける。

背中合わせのポーズはお茶目な絡みも飛びだし、「これもめっちゃいい!」とスタッフが湧く。過去公演の経験を生かして城田をサポートしつつ、自身に根付いたチャーリーを放出させていく小池のさりげなくジェントルマンな振る舞いも素敵。表情豊かにローラと渡り合い、このHOTなセッションの時間を大いに楽しんでいるのが伝わってくる。


カメラ前でのハンサムな笑顔もお似合いだが、モニターチェックやセッティング替えの僅かな時間でも終始柔らかな笑顔を絶やさず、城田と並んで腰掛けながら談笑する様子も微笑ましい。「どんなにカッコつけてても俺、トランクスだからね(笑)」と小池。一方の城田はモニターを見つめて「やっぱり母親に似てるんだよなぁ」など、何気ないおしゃべりも。

その後もエンジェルスのカラフルなブーツをズラリと並べてのカット、ボードを抱えた告知用のカットなど、様々なシチュエーションでの撮影が重ねられていった。


そんな小池と城田=チャーリーとローラの様子を眺めているうち、劇中の「自分が変われば世界も変わる」のセリフが思い出され、作品に込められた愛のメッセージが心によみがえる。私たちに必要なのは、他を受け入れることの大切さを実践すること、そして、自分の足と自分の心で未来の光へと歩んでいく小さくて大きい勇気を持つこと。その輝かしい勇気の第一歩が、確かにここにはあった。忘れずに記しておきたい。ふたつでひとつのブーツ、小池と城田の『キンキーブーツ』はこうして始まったのだ、と。

取材・文=横澤由香 撮影=敷地沙織