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そうだ、CX-50に乗りに行こう

そうだ、北米専用車に乗りに行こう。

【画像】マツダCX-50&CX-5【兄弟モデル詳細比較】 全207枚

2年ほど事実上不可能に近い状態だった海外渡航も以前のように戻りつつあるいま、ひさびさにアメリカ・ロサンゼルスへ出かけることにした。


北米専用車のマツダCX-50。売れっ子「CX-5」に代わる存在となることが期待されているという。

目的はマツダ「CX-50」を試乗するためだ。

CX-50は北米向けに開発された現地仕様車で、日本での販売予定はなし。乗るには、北米に行かなければならない。

日本でなじみのない車種なので基本情報をお伝えしておくと、車体構造は「スモールアーキテクチャー」に属する。

つまり「マツダ3」や「CX-30」と血縁関係が深い。

日本からの輸出ではなく、トヨタとの合弁事業としてアラバマ州に新たに立ち上げた工場の「トヨタマツダマニファクチャリングUSA」にて生産がおこなわれるのもトピックだ。

ちなみにトヨタはそこで北米向けの「カローラ・クロス」を製造している。

CX-50の製造は今年1月から始まり、一般へのリリースが始まったのはこの4月から。

6月までの累計販売台数は4787台とまだ少ないが、これは工場が本格稼働にペースになっていないからだ。

つい先日、7月1日にトヨタの豊田彰男社長とマツダの丸本明社長も出席して「開所式」がおこなわれたのを皮切りに、これまで日勤のみだったのが、夜勤もおこなわれる体制となり生産ペースがグッと上がるはず。

いま、マツダが北米でもっとも販売しているモデルはCX-5(なんとマツダ車販売の2台に1台ほど)だが、CX-50はそれに代わる存在となることが期待されている、マツダにとっても重要なモデルなのだ。

「CX-3とCX-30の関係」に似てる?

これはカッコいい!

初対面となるCX-50を前に、素直にそう思った。


マツダCX-50の全幅は1920mm。ロー&ワイドなプロポーションは絶妙と筆者。

カッコいい理由はいかにもアメリカで好まれそうなワイルドなデザインがまずあるが、それだけじゃない。

前方から見たときのSUVとは思えないロー&ワイドなプロポーションそのものに、普通のSUVには見られない安定感が感じられるのだ。

縦横比を間違えているんじゃないかと思えるほどSUVらしからぬ平べったさがあるプロポーションの理由は全幅と全高。

全幅は1920mmとCX-5に対して75mmもワイドかつ約6cm低い全高が織りなすバランスがカッコよさを作り出している。

単に低いとか、単にワイドなだけだったらこうはいかないだろう。バランスである。

そのうえで、フェンダーの張り出しがグラマラス。

何を隠そう室内幅はCX-30とほぼ変わらず、極端すぎるほどのフェンダーの張り出しがワイドさをつくっているのだ。

余裕ある全幅だから可能とした、このフェンダーもまたCX-50の魅力あふれるスタイリングの要因そのものだ。

そんな車体サイズ(全長も4719mmと対CX-5比で144mm長い)からもわかるように、CX-50のポジショニングはCX-5より少し上。

イメージとしてはCX-3とCX-30の関係だ。

CX-30もCX-50も、数字2桁モデルはCX-3やCX-5など1桁モデルの兄貴分なのだ。

車体に関しては「せっかくだからもっと大きくすれば」と思う人もいるかもしないが、実はこのサイズも綿密に計算されたもの。

今後は北米市場でCX-70(日本でもつい先日詳細が明らかになったCX-60の幅広版)の投入が予定されていて、CX-50はそれとの上下関係をしっかりキープしたサイズなのだ。

乗り味で感じる「アメリカ」

「CX-3とCX-30の関係」と同様なのは、販売面にもいえる。

CX-50はCX-5の純粋な後継車ではないから登場後もCX-5は継続して併売している。


乗り味は日本のマツダ車に比べるとおっとりとしていると筆者。

価格を見ても、CX-5が2万6250〜3万9000ドル(約360〜530万円)、CX-50は2万6800〜4万1550ドル(約365〜570万円)と「CX-5のちょっとうえ」なのだ。

気になる室内の広さだが、それも実に巧み。

後席の膝回りスペースも荷室も、CX-5より「わずかに」広い。

大幅に広げなかったのは「CX-70」との関係を意識したからだろう。

試乗して感じたのが、乗り味でもアメリカを感じさせることだ。

たとえばハンドリング。

微小舵角で俊敏性を印象付ける日本のマツダ車に比べると、CX-50はおっとりとしている。

その理由は足元で、北米向けの一般的なことだが全車にオールシーズンタイヤを履いていることにある。

オールシーズンタイヤはサマータイヤに比べると構造が柔らかく、それにあわせたサスペンションやパワーステアリングのチューニングがおこなわれたことで、日本向けのマツダ車とは印象の異なる味付けになっている。

そしてそんな味付けは、日本ではCX-5に用意されたオールシーズンタイヤ装着グレード「フィールドジャーニー」と同様のテイスト。

CX-5の他グレードのほどハンドル微小舵に対するシャープさはないが、挙動は素直でコーナーも楽しめるし曲がり方やロールも安定している。

そして、乗り心地もよい。

「カリフォルニアロール」のよう

また、現地で用意されるターボエンジンもアメリカらしい。

搭載するエンジンの排気量はすべて2.5Lで、自然吸気のほかターボ付きも用意。


ややオーバースペックと思われるパワートレインは現地ではちょうどいい。

日本では「オーバースペック」と思われがち(日本では「マツダ6」や「CX-8」に搭載。CX-5にも積んでいたが昨年末のマイナーチェンジでドロップ)だが、現地に行くとこれがちょうどいい。

特性としては低回転トルク型。

回して楽しいわけではないが、低回転域はディーゼルかと思う高トルクでグイグイと車体を加速させる。

現地ではフリーウェイの合流時に強い加速を求められるが、そこにこのエンジン特性がジャストマッチ。

豊かなトルクの大排気量V6のような感覚でアメリカを感じさせる。

そんなCX-50は、まるでカリフォルニアロールのような存在だ。

カリフォルニアロールはアメリカで考案されたアボカドやカニカマ、時にはサーモンやチーズを裏巻きとした巻き寿司のこと。

お寿司自体は言うまでもなく日本発祥だけど、ローカライズされたことで本国とは一味違う仕立てになっている。

カリフォルニアロールは現地では一般的な食べ物だが、果たしてCX-50もメジャーな存在となれるだろうか。

個人的な印象でいえば、なれそうな気がして仕方ない。

マツダCX-50のスペック

価格:2万6800〜4万1550ドル(約365〜570万円)
全長:4719mm
全幅:1920mm
全高:1605mm
ホイールベース:2815mm
パワートレイン:直列4気筒2500cc(NAとターボを設定)
最高出力(NA):190ps/6000rpm
最大トルク(NA):25.7kg/4000rpm
最高出力(ターボ):260ps/5000rpm
最大トルク(ターボ):44.2kg/2500rpm
ギアボックス:6速オートマティック


マツダCX-50