人気ゲームエンジンのUnityを開発するUnity Technologiesが、200人超の従業員を一斉に解雇したとゲームメディアのKotakuが報じています。

Sources: Unity Laying Off Hundreds Of Staffers [Update]

https://kotaku.com/sources-unity-laying-off-hundreds-of-staffers-1849125482

Unity is laying off hundreds of employees - Protocol

https://www.protocol.com/bulletins/unity-layoffs-game-engine

Unity Technologiesは2000年代半ばに設立されたゲームエンジン開発企業。Unityは数千人ものゲーム開発者に使用されているゲームエンジンで、ゲームの起動画面でUnityのロゴを見たことがあるという人も多いはず。Unity Technologiesは2014年に元エレクトロニック・アーツ(EA)の責任者であるジョンリッチ・ティエッロ氏をCEOに迎えています。このティエッロCEOの報酬は2020年に160%増加しており、2200万ドル(約30億円)になったと報じられました。Unity Technologiesが証券取引所に提出した新規上場株(IPO)情報によると、2020年6月時点での同社の従業員数は3300人で、LinkedInやGlassdoorといったサイトでは記事作成時点で従業員数が5000人程度と記されており、一気に従業員数が増加していることがわかります。

そんなUnity Technologiesが、人工知能(AI)およびエンジニアリング部門で大規模なレイオフを実施したとKotakuが報じています。Kotakuは匿名のUnity Technologies従業員から情報を入手しており、解雇された従業員数について「300〜400人程度」と当初は報じていました。情報筋によると、Unity Technologiesによるレイオフは現在も進行中であり、今後さらに多くの従業員が解雇されることになるとのことです。

2022年6月第5週に解雇された従業員は、上司から突然ビデオ通話に参加するよう依頼され、この中で解雇を通達されたそうです。このビデオ会議にはUnity Technologiesの人事部の従業員も参加していたとのこと。解雇を通達された従業員は社内公募制度を使って別部署への移動を申請することもできるそうですが、Unity Technologiesはすべての部門の採用を凍結しているため、移動が叶うか否かは不明です。



情報筋によると、Unity Technologiesは2022年6月中旬に約3000人の正規従業員を集めた全体会議を行い、この中でティエッロCEOは「弊社は経済的な問題を抱えておらず、レイオフを実施する予定はない」と発言したばかりだったそうです。

Kotakuの報道を受け、Unity Technologiesは海外メディアのProtocolに対して「従業員の約4%にあたる200人をわずかに超える程度の従業員が解雇される」という声明を発表しています。





なお、Unity Technologiesは2021年8月にゲームストリーミングテクノロジーを開発するParsecを3億2000万ドル(約430億円)で買収し、2021年11月には映画監督のピーター・ジャクソンが設立したデジタルエフェクトスタジオのWetaを16億2000万ドル(約2200億円)で買収していますが、これらが経済的な圧迫につながったか否かは不明です。