亡くなった母親のミッシェルさん(画像は『The Mirror 2021年9月7日付「Mum-of-four, 38, shot and killed by her five-year-old son at home in tragic accident」(Image: Gunmemorial.org)』のスクリーンショット)

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銃で命を落とす人が絶えないアメリカで、再び悲惨な事件が起こった。自宅で拳銃を手にした5歳の男児が誤って発砲し、胸を撃たれた母親が死亡した。『The Mirror』『New York Post』などが伝えている。

米アリゾナ州カサグランデに住むミッシェル・コックスさん(Michele Cox、38)が9月3日、拳銃を手にした5歳の息子に誤って胸を撃たれて死亡した。

カサグランデ警察によると午前6時20分頃、ミッシェルさんは40歳のボーイフレンドや4歳、5歳、11歳、12歳の4人の子供と一緒に自宅にいたところ、胸に1発の銃弾を受けた。彼女のほかに負傷者はいなかったという。その後、ミッシェルさんはチャンドラー地区の病院に救急搬送されたがまもなく死亡した。

警察は当初、今回の件を偶発的なものと判断したが、ミッシェルさんの兄マイケルさん(Michael)は「銃を所持していた人をぜひとも起訴してほしい。5歳の子が母親に銃を向けて撃ったというのが事実であったとしても、誰かが銃を持っていたこと自体が過失なのです。起訴されるべき」と主張した。

捜査当局はこの銃の所有者を特定しておらず、今のところ誰も起訴されていない。しかし今後は犯罪の可能性があるかを判断するために、ピナル郡検事局と協力して調査を続けるという。

一方、4人の子供たちはミッシェルさんの父親のもとに預けられており、この状況にとても動揺しているそうだ。マイケルさんは「子供たちはみな取り乱していて、この先どうなるかが本当に分からないので、彼らをサポートするために最善を尽くしています」と明かしている。

ミッシェルさん一家はがんで闘病中の父親と一緒に過ごすため、約1か月前にシカゴからアリゾナに引っ越したばかりだった。

マイケルさんは「ミッシェルは、家族に献身的に尽くした思いやりのある人として記憶されるでしょう。妹はいつも面倒見がよくて、愛情に溢れていました。ミッシェルのことを知っている人はみんな、彼女がどれだけいい人か、どれだけ優しい人だったか…それしか言いません。私は妹が大好きでしたし、大切に思っていました。彼女も僕を大切にしてくれていました」とミッシェルさんへの思いを述べた。

警察はのちに「この事件は、拳銃を所有し安全に管理することは重大な責任を負うことを明確に示しています。特に子供がいる場合では、優先的に取り組むべきことです」と声明を発表している。

なお銃規制を訴えるアメリカの非営利団体「Everytown for Gun Safety」のデータによると、2021年の子供による意図しない発砲は推定239件に上るそうだ。

画像は『The Mirror 2021年9月7日付「Mum-of-four, 38, shot and killed by her five-year-old son at home in tragic accident」(Image: Gunmemorial.org)(Image: Arizonas Family)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)