――心配なのは、欧州など世界各地でコロナの感染者数が増加していますが?

 米大統領選の結果にも影響を及ぼしそうな状況が続いています。アメリカでは、記録的なペースで新型コロナウイルスの感染者が増え続けており、ウイルスの脅威を過小評価する発言を繰り返すトランプ大統領の支持率低下につながっていると言われています。

 加えて、スペインでは非常事態宣言が発令され、フランスでは1カ月の外出制限が発令されました。近くイギリスでも、何らかの規制が発表されると予想されています。ロックダウン(都市封鎖)を伴う感染爆発第2波がすでに始まっているとみて良いでしょう。

 10月28−29日に実施された日銀の金融政策決定会合でも、引き続き新型コロナウイルスに対応した企業への資金繰り支援策や上場投資信託(ETF)の買上措置が継続されることになりましたが、黒田総裁も10月28日−29日の金融政策策決定会合後のインタビューで「新型コロナウイルスへの警戒感が残る。不確実性が高く、下振れリスクが大きい」と語っています。

 米大統領選挙と言う不安定要素の高いイベントに加えて、世界中で新型コロナによるパンデミック第2波が始まり、金融マーケットは大きく揺れ動く可能性が高くなっています。変動幅の大きな1カ月になる可能性があります。

 ――11月の各通貨の予想レンジは?

 せっかくの景気上昇局面でありながら、欧州で始まっている感染拡大再燃は、大きな痛手になる可能性があります。ドルが不安定であることは言うまでもありませんが、ユーロにも目を向けておく必要があるかもしれません。

 また米国では大統領選直後の11月4日−5日に中央銀行に当たるFRB(米連邦準備制度)のFOMC(米連邦公開市場委員会)があります。大きな動きはないと思われますが、大統領選挙の動向によって新しい動きがあるかどうか確認しておきましょう。大統領選挙の結果も踏まえて、11月の予想レンジは次の通りです。

●ドル円……1ドル=102円−109円
●ユーロ円……1ユーロ=120円−128円
●ユーロドル……1ユーロ=1.150ドル−1.20ドル
●英ポンド円……1ポンド=130円−140円
●豪ドル円……1豪ドル=72円−78円

 ――11月相場の注意点を教えてください。

 やはり大統領選挙が行われる11月3日前後の相場の展開には注意を払いたいものです。4年に一度という大きなイベントでもあり、これまでも指摘したようにポジションを押さえて、様々な結果が出揃ってから動くようにしましょう。

 選挙では、速報が随時出されますが、とりわけ今回はトランプ陣営がどんな手を使ってくるのか分かりません。安易に相場の流れを決めて、先走って投資するようなことは避けたほうが良さそうです。

 とは言え11月相場は、ボラティリティ(変動幅)が大きくリスクは大きいものの、チャンスもまた大きいと言っていいでしょう。こうした大きなイベントで賢く生き残ることもFX投資の醍醐味であり、魅力でもあります。(文責:モーニングスター編集部)。