路肩に寄っての停車も進路変更に当たる

 ちょうど1年ほど前、「方向指示器(ウインカー)を出さずに車線変更や右左折するクルマが多い都道府県」というのが話題になり、WEB CARTOPでも取り上げた(JAFのアンケート:全国1位は岡山県)。だが今なお、相変わらずウインカーの使い方がわかっていない人、省略する人、出さない人というのは後を絶たない。

 そうしたなか、右左折や進路変更時にウインカーを出さないのは論外として、とくに曖昧になっているのが、停車するときの合図と、車線変更の合図。

 路上で停車するときも、合図なしで止まるのは大迷惑。ハザードを点けて、左端に寄って止まる人も多いが、法律的にいうと正しくはない。道路交通法では左端による=進路変更になるので、その3秒前には左ウインカーをつける必要がある。

 そして「(進路変更の)行為を終わったときは、当該合図をやめなければならない」と定められているので、停車中はウインカーを消すのが正解。

進路変更前の短すぎるウインカーも違法!

 停車中の合図については、道路交通法施行令(道路にある場合の燈火)第十八条に以下の記載がある。

「夜間、道路(歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道)の幅員が五・五メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる非常点滅表示灯又は尾灯をつけなければならない」とあるので、夜間の停車・駐車時は、基本的にハザードランプ(またはテールランプ)を点ける義務がある。

 昼間や幅5.5m未満の道路に停車する場合は、とくに灯火の規程はないが、後続車に停車中であることを知らせるためにも、積極的にハザードランプを点けることを推奨したい。なお、駐停車中に左ウインカーを出しっぱなしにしているのは、前述のとおり違法となるので要注意。

 一方、進路変更の前に「チカッ」と一回だけウインカーをつけて、車線を移り出すドライバーもいるが、これも厳密にいえば違法。道路交通法施行令第21条に、進路変更をしようとする時の3秒前にウインカーを出すと記されているので、ウインカー1回点灯だけで車線変更というのは完全にNG。

 保安基準で、ウインカーの点滅スピードは「毎分 60 回以上 120 回以下」と決まっているので、3秒前からウインカーを出すということは、3回〜6回は点滅させてから進路変更を開始しないといけないということになる。

 ウインカーなどの合図は、周囲に自分のクルマの動きを予想させて安全で円滑な交通を実現するために不可欠なもの。

 合図不履行は、違反点数1点、反則金6000円(普通車)の立派な交通違反なので、横着せずに、周囲に自分の意志を伝えることを目的に、正しい合図を出せるようにしよう。