芸人として日々ステージやテレビ出演をこなしつつ、日本最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』や『しるし書店』などのWebサービスを運営。ブログは毎日更新し、新しい絵本やビジネス書を次々と世に送り出す(そして夜は飲み歩く)。

堀江(貴文)さんに負けず劣らず、おそろしいほどの“多動力”を発揮して活躍している西野亮廣さん。そんな西野さんが日々どんな時間の使い方をしているのか、気になりませんか?

本人にその疑問をぶつけてみると、“多動”を支える習慣が見えてきました。

〈聞き手=渡辺将基(新R25編集長)/文=宅美浩太郎〉

一番ダメなのは惰性で続けること。違うと感じたら即辞める

渡辺:
西野さんは普段、本当にたくさんの仕事を同時並行で進めている印象がありますが、仕事のメリハリはどう意識してるんですか?

西野さん:
僕の場合、強弱をつけるとかではなく全部に全力投球ですね。

ありがたいことに、今はホントに好きなことだけしかやってないんですよ。

渡辺:
なるほど。

西野さん:
ちょっと自分のなかで冷めてきたなと思ったことは、スタッフさんに相談してなるべくやめさせてもらうことにしてます。

たとえば、少し前までAbemaTVの『エゴサーチTV』っていう、毎回1人のゲストに対して僕が1時間半くらい質問する番組をやってたんですけど、そんなに他のタレントさんに聞きたいことがないということに気づいてしまって(笑)。



渡辺:
え、でも話を引き出すのすごい上手じゃないですか(笑)。

西野さん:
基本的には楽しかったんですよ。でも僕がやるべき仕事ではないなって思ったので、スタッフさんに相談させてもらいました。

今やってる『株式会社ニシノコンサル』はめっちゃしっくり来てますね。

渡辺:
いいですね。何が違うんですか?

西野さん:
ニシノコンサルは、いろんな人のビジネス相談に僕が答えていればいいので。

僕がイチから相手のことを掘り下げなくても済みますし、話してるうちに新しいアイディアが生まれたりするのがおもしろいですね。

渡辺:
その方が西野さんに合ってそうですね。

西野さん:
そうですね。

とにかく、僕はこんな感じでテレビ番組だろうが何だろうが、違うなと思ったらすぐ辞めますね

一番ダメなのは、惰性で続けること。それだけは絶対しないように気をつけてます。

「ムダに入りの時間が早い」「事前アンケートを書く」仕事は断る

渡辺:
他にもやらないと決めてる仕事はありますか?

西野さん:
たとえば、入り時間が本番の1時間以上前になってる仕事は受けないですね。

テレビだと平気で2時間前入りとかあるんですよ。

渡辺:
テレビはそういう仕事が多いイメージありますね。

西野さん:
でも、僕は今そういう仕事は受けてないですね。時間がもったいないんで。

あとは、アンケートがある仕事も。



渡辺:
アンケート?

西野さん:
トーク番組なんかは事前に出演者にアンケートを取るんです。「このテーマで話せますか? 話せるとしたらどんなエピソードですか?」というのを確認するために。

それをこと細かく書かないといけないんですよ。

渡辺:
それは地味に大変だ…

西野さん:
なんとか書き切って提出するんですけど、全体の流れとか他の芸人さんとの兼ね合いで使われないこともよくあって。「この時間はなんだったんだ」ってなるじゃないですか。

だからアンケートみたいに、相手に仕事のペースを持っていかれそうな仕事は極力受けないようにしてますね。

渡辺:
たしかに、そういう小さいストレスを一つひとつ潰していくのは身軽になるためには大切ですよね。

体重をキープすると決めたことで得られた思わぬ副産物

渡辺:
西野さんはいつもアクティブでタフに動き回っている印象ですが、健康には気を遣ってるんですか?

西野さん:
毎朝10km走るってのは、昔からずっと続けてますね。

とにかく体重を増やさないように気をつけてます。

渡辺:
やっぱり体重管理をするメリットは大きいですかね?

西野さん:
むしろいいことしかないような気がしますね。

おもしろいのが、「体重を絶対にキープする」って決めてると、年齢に合わせて生活スタイルが変わっていくんですよ。

それによって得られるものが多くて。



渡辺:
どういうことですか?

西野さん:
20代前半のときは毎朝8kmくらい走れば体重をキープできたんですけど、(20代)後半になると走る距離を10kmに増やさないとそれが難しくなってきたんです。

でも距離を伸ばしたら、その分時間が奪われるじゃないですか。

そうなったら、ただボーっと走っているのがもったいなく感じて、今度は「走ってる間に文章を書く」っていう技術が身についたんですよ。

西野さん:
で、30代に入って35歳手前くらいになったら、10km走っても体重がキープできなくなってきて。

そこで僕がどうしたかっていうと、車を手放して電車通勤に変えたんです。



渡辺:
え、西野さん電車通勤なんですか。

西野さん:
はい。で、そうすると歩く距離が増える上に、入ってくる情報も変わってくるんです。

満員電車に乗ったらこんな感じなんだとか、中吊り広告を見て「今はこんな本が流行ってるんだ」とかがわかってくる。

渡辺:
車に乗ってるだけじゃ入って来なかった情報ですね。

西野さん:
そうなんです。つまり、体重をキープするっていうルールのおかげで、効率よく文章を書ける技術が身についたり、入ってくる情報が増えたりしたんです。

渡辺:
そんな副次効果が。

西野さん:
これからも年齢とともに生活スタイルが変わっていくはずなので、今から楽しみですね。

ご飯はあまり食べない。脂肪を燃やす時間がムダ



渡辺:
食事にも気を遣ってるんですか?

西野さん:
そもそも僕、あんまり食べないですね。

いっぱい食べちゃうと、その分消化するのに時間がかかるじゃないですか。それがイヤなんですよ。

渡辺:
じゃあ一日三食も食べないですか?

西野さん:
食べないですね。放っておいたら一食すら食べない日もあります

夜は飲むので、そこでつまむ程度はしますけど。

渡辺:
家入(一真)さんも似たようなことを言ってました。三食食べるのが疲れるって。

西野さん:
食べるのが好きな人もいると思うんですけど、僕にとっては“削れるもの”なんですよね。

ご飯に時間とお金をかけるくらいなら、その分エンタメにつぎ込みたいです。

渡辺:
めちゃくちゃストイックですね…

ちなみに、睡眠はどうですか? あんまり寝てないイメージがありますけど。

西野さん:
普段は2時間くらいしか寝てないですね。

渡辺:
やばいですね…。それで平気なんですか?

西野さん:
デビュー当時から忙くて、ずっとそんな感じなんですよ。今はもうそれに慣れてしまって。

ただ、友だちと飲んでるとすぐに酔いつぶれちゃうんですけど(笑)。

渡辺:
それ、ゼッタイ疲れ溜まってますよ…


堀江さんとは違い、かなり強引に多動力を発揮している西野さん

西野さん:
やっぱり忠告は受けますけどね。今はいいけど、50、60代になったらガタが来るぞって。

でもやりたいことが多いんで、寝る時間がもったいなくて。

今はもうとにかく、やりたいこと全部に時間をつぎ込みたいと思ってます。

優秀なスタッフに囲まれているから多動になれる



渡辺:
そうも忙しいと、スケジュール調整などをはじめ、マネージャーさんに任せてることもたくさんありますよね?

西野さん:
そうですね。

僕、たくさんマネージャーがいるんですよ。吉本のマネージャー、オンラインサロンのマネージャー、Webサービスの開発を仕切ってるマネージャー、絵本を作ってるチームのマネージャー。

大体、彼ら同士がうまいことスケジュールを共有しながら調整してくれてますね。

渡辺:
マネージャーさん同士が連携してるんですね。すごい。

西野さん:
僕のまわりのスタッフさん、みんなめちゃくちゃ優秀なんですよ。

自分はそんなに器用なタイプじゃないのにそれでも回ってるのは、まわりにいてくれる人たちが素早く対応してくれるおかげです。

渡辺:
西野さんひとりじゃ多動にはなれないってことですね。

西野さん:
もちろんです。そういう人たちがまわりにいるかいないかで、すごい差が出ると思うんですよね。

だって、僕みたいのが急に「美術館を作る!」とか言い出すんですよ? 深夜に酔った勢いでマネージャーに電話して「もう、土地も買ったから」って。

電話越しに「えー!? 」っていう声が聞こえるんですけど、こっちはそれだけ伝えたら、あとはまた飲みに戻っちゃいますから(笑)。



渡辺:
マネージャーさんたち、「おいおい、西野がまたとんでもないこと言い出したぞ…」って文句言ってるでしょうね(笑)。

西野さん:
だと思いますね。でも、そのあと必死になってなんとか帳尻を合わせてくれるので、ホント感謝しかないです。

彼らの存在があるからこそ、僕は多動になれると思ってます。

渡辺:
西野さんが「土地買ったから!」と言って、シーンとなっちゃうような状況じゃ困りますもんね。

西野さん:
ただ土地を買っただけで終わるっていう(笑)。

だから僕だけじゃなくて、きっと多動な人のまわりには漏れなく優秀なスタッフがいるんじゃないですかね。

渡辺:
堀江さんも、たとえば書籍の編集者は信頼できる人たちで固めてるって言ってましたね。

要は、仕事ができないヤツとは付き合わないと(笑)。

西野さん:
わかりやすいですね(笑)。

「いつなら空いてる?」って聞いてくる人とは付き合わない



渡辺:
西野さんは人とのつながりもどんどん増えていると思うんですけど、その分めんどくさいことも出てくるじゃないですか。

たとえば、断りづらい誘いが増えたり。そういうときってどう対応してますか?

西野さん:
僕の場合、断るときはだいたい「スケジュール的にNGです」って返しますね。

渡辺:
なるほど。

西野さん:
ただ、そのときに誘う側も配慮してほしいことがあって。

それは「誘われる側に逃げ道をつくる」っていうことなんですけど。

渡辺:
逃げ道というと?

西野さん:
たとえば、誰かを飲みに誘って断られたとするじゃないですか。

空気が読めない人っていうのは、そういうときに「じゃあいつなら空いてますか?」とか聞いてくるんですよ!


「いやいやいや、そこは気づいてくれよと」

西野さん:
その聞き方をされたら、誘われた側はいつか必ずその人のために時間を差し出さなきゃいけないことになるじゃないですか。

渡辺:
たしかに、その質問イヤですね。

「一生空いてません」っていうわけにもいかないですし(笑)。

西野さん:
こっちはもうあなたと行きたくないから「スケジュールNG」っていう名目で断ってるのに、それがわからないんですよね。

もし本当に行きたいけどスケジュール的に難しいのであれば、最初に断った時点で「この日なら空いてるんですけど、どうですか?」って自分から言いますから。

渡辺:
前のめりになってない場合は察しろと。

西野さん:
はい。最低限のマナーですね。そこは汲み取ってほしいです。

渡辺:
そういうふうにめんどくさいなと感じた人とは、そのあと距離を置くんですか?



西野さん:
置きますね。もう付き合わないです。

そこで他者目線を持てない人は致命的だなって思うので。

渡辺:
でも、向こうから連絡は来ますよね?

西野さん:
そうなったらもうガンガン無視しますね。特にLINEとかは。

渡辺:
まあそうですよね(笑)。

西野さん:
だから最近は、そういうときのコミュニケーションツールによく『レターポット』を使ってるんです。


※レターポットとは、西野さんが中心となり開発した「文字を通貨として贈りあう」Webサービス。1文字5円で購入したポイントを使って、気持ちを伝えたい相手に手紙(レター)を贈ることができる。

渡辺:
「レターポットで連絡してくれ」というんですか?

西野さん:
そうです。「LINEとFacebookも一応見てるけど、基本的にはどっちも返事しないよ」って言って、レターポットを案内してます。

レターポットだと、下手な誘いは来ないんですよね。誘う側がコストを払う仕組みになってるので。

渡辺:
なるほど! 誘う側に負担を負わせてコミュニケーションの質を高める、という発想ですね。

西野さん:
はい。ちなみに、そういう迷惑な人との付き合い方については、堀江さんとの新しい共著『バカとつき合うな』にも書いてあるので、ぜひ読んでもらえると嬉しいです(笑)。



多動力をフルに発揮するためのポイントは、「限りある時間をいかに有効活用するか」。そんななか西野さんは、

・モチベーションを維持するために「辞める基準」を設ける
・信頼できる仲間でチームを組成する
・人を見極めて、無駄なコミュニケーションを排除する

などを徹底することで、惜しみなくその才能を発揮していることがわかりました。

やりたいことがあるのに消化できずにモヤモヤしている人は、西野さんのルールをヒントに、自分の仕事や生活スタイルを見直してみてはいかがでしょうか。

〈取材・編集=渡辺将基(@mw19830720)/文=宅美浩太郎(@kotaro53)/撮影=長谷英史〉

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