毎年行われる「世界幸福度調査」の2018年度版で1位を獲得したフィジーは、直近4年間で3度も1位を獲得している幸福先進国だといわれています。フィジーのGDPは世界151位と決して高くないのですが、人々の主観に基づくギャラップ・インターナショナルの行う世界幸福度調査ではダントツのトップだということで、その秘密は何なのか、実際に現地の人の中で1日を過ごしてみました。

1000円で泊まれる南国ビーチリゾート「Bamboo Backpackers」を後にし、観光地のナンディから、フィジー第2の都市であるラウトカにバスで移動します。バスステーションはこんな感じ。



ラウトカ行きのバスには窓がないタイプもありましたが……



今回乗ったバスはこんな感じで、窓付きのタイプ。



フィジーのバスを使うにはICカードが必要。チャージ式のICカードは街のVodafoneで購入できるほか、2フィジードル、5フィジードルの使い切りのICカードも販売されています。



ICカードを読み取り機に当てるタイミングは基本的に乗車時だそうですが、乗車時に運転手さんが不在の場合は乗客に「下車するときに読み取ればいいよ!」と言われました。



座席はこんな感じ。シートベルトはありません。



バスの扉は走行中であっても基本的に開けっ放し。運転手さんの好みでノリノリの音楽が四六時中かかっているところは日本のバスとの大きな違いです。



以下のムービーからもバスの中の様子を見ることができます。

フィジーの長距離バスではのりのりの音楽がかかる - YouTube

バスの天井の両端には、前方から後方にかけて長いロープが伸びています。ロープの先端には自転車のベルみたいなものが付けられていて、ロープを引くとベルが鳴るというアナログながらよくできた作り。ただし窓側の人しかベルが鳴らせないので、窓側に座ると自動的にベル鳴らし係に任命されます。



バスの中の様子は以下の360度画像をぐりぐり動かすことで見ることができます。

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バスは通学路を経由したので子どもたちが乗車し、どんどん人口密度が高くなっていきました。



1時間ほどでラウトカに到着。



バスステーションの周囲はこんな感じで、屋台が建ち並び、学校帰りの子どもたちがおやつを食べたりジュースを飲んだりしていました。

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オレンジジュースっぽい液体を売るお店が並んでいます。



フィジーの人々はめちゃくちゃフレンドリーなので、カメラを構えると、老若男女を問わず、だいたいがポーズを決めてくれたり笑顔を向けてくれたりします。





このあと、奥の女性に「うちの子の写真も見て〜!」と手前の少女がお料理教室に通っている時の写真を見せてもらうことになります。



ラウトカのバスステーションからさらに車で10分ほど移動したところ、小高い丘の上に……



宿泊させてもらうおうちがありました。今回はAirbnb経由でキャサリンさんという女性のおうちに泊めてもらいます。宿泊料金は清掃料・Airbnbサービス料込みで1泊約3600円でした。



水色の屋根、黄色の壁、というカラフルなおうち。開けっ放しの玄関扉の上には「BULA(こんにちは)」という文字が掲げられています。



建物の手前には広めのポーチ。フィジーでは、お酒ではないのに酔っ払う&うつ病を改善するというドリンク「カヴァ」がよく飲まれますが、夜にはこのポーチで近所の人たちとカヴァを飲み合う会が開かれるそうです。



おうちに入ってリビングがこんな感じ。キャサリンさんの他に娘さん、息子さん、留学生、「直前まで宿泊していて一度はおうちを離れたけど移動時間を持てあましたから帰ってきた女性」もいました。



フィジーは人口の64.7%がキリスト教徒で、キャサリンさんのおうちもキリスト教。壁には「GOD BLESS OUR HOME」と書かれたポスターが貼られていました。



カヴァを作るための容器「タノア」



一家の名前入り。多くの家庭はこのようなオリジナルのタノアを持っているそうです。



そして、通路の奥にあるのが……



泊めてもらう部屋がありました。



部屋の全貌は以下の360度画像からも見ることができます。

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部屋の奥にはバスタオル・水・扇風機など。



床には蚊取り線香。



部屋の外にあるトイレはこんな感じで、水洗式。



シャワー室。バスタブはありません。



「外を散歩してみたら?夕暮れは裏庭から見える夕日がすごくきれいだよ」とキャサリンさんに聞いたので、外に出てみます。キャサリンさんのおうちの周りはこんな感じ。基本的に住宅は平屋です。



フィジーの人は本当にフレンドリーなので、歩いていると頻繁に話しかけられます。高校生3人組のうち左の少女は「元カレが日本人だった!」とのことで、日本語で話しかけてくれました。



夕暮れ時になり、夕日がよく見える丘の上へ。



ここには教会があり……



中はこんな感じ。



写真を撮っていると少年たちに「中に入っちゃだめなんだよ!」と教えられます。フィジーの公用語はフィジー語ですが、学校などでは英語以外の言葉を使うことが禁止されているそうで、就学している子どもであればだいたい英語が通じます。



広場ではいろんな年代の子どもたちが遊んでいますが、同じ年齢の子どもで固まらず、年上の子どもが年下の子どもと遊んでいる姿が印象的でした。



国技であるラグビーはやはり人気で、原っぱでは少年たちがボールを追いかけて駆け回っていました。





夕日が沈むまで子どもたちは遊んでいたのですが、フィジー語の放送がかかると一気に退散。「また明日ね!」と元気に走っておうちに帰っていきました。



おうちに帰ると、キャサリンさんが「ご飯できてるよ」と声をかけてくれたので……



夕食タイム。この日のメインは野菜と牛肉のスープ。外食はファストフードや炭水化物&肉という組み合わせが多く、野菜があまり食べられないので、あっさりした野菜スープが身に染みます。



ご飯はバスマティ。



そして夜9時になると、ポーチでカヴァを飲む会が開かれていました。これは教会修繕のチャリティも兼ねているとのことです。



カヴァとはどういう飲み物なのか?ということは、以下の記事から読むことができます。

お酒ではないのに酔っ払う&うつ病を改善するという謎のドリンク「カヴァ」レビュー - GIGAZINE



家の中に置かれていたタノアが使われています。



カレー入りのロティも用意されていて……



1つどうぞ、ということでもらいました。ひき肉やジャガイモのカレーが入ったロティは日本でも食べたいくらいに美味ですが、カヴァを飲むと舌がしびれてくるので最終的には何味かよくわからなくなります。



突然カヴァ会に参加してもおじさんたちは気さくに話しかけてくれ、日本の名前が呼びにくいからかフィジーネームまでもらいました。

お酒ではないのに酔っ払う&うつ病を改善するという「カヴァ」を飲む時の様子 - YouTube

21時の段階では4〜5人の集まりでしたが、23時になると人がすごいことに。翌日の予定もあるので23時に退散しましたが、この日は朝方4時までカヴァ会が続いたそうです。



朝になり、朝食をいただきます。



朝食は日本の小さめスコーン4つ分に相当しそうな巨大スコーン。紅茶とともにいただきます。



「パンもあるよ!」と言われましたがさすがに入らず。パンを食べる頻度というか量はかなり多そうでした。



ちなみに、朝になると、見知らぬ少年が家にいました。玄関の扉は基本的に開けっ放しで、カヴァ会の時でもどんどん人が入っていたので、日本では考えられないほど人の出入りが多く、オープンです。



キッチンはこんな感じ。



使い込まれている!というのがよくわかります。



この日は高校生の息子さんのホッケーの試合があるとのことで、30人以上いるチームメイトの分のお弁当をキャサリンさんが作るとのことでした。



メニューはフィジー風のカレー。ジャガイモやラム肉、野菜が入っています。



どどんと盛りつけていきます。



見るからにおいしそう。



この大量のお弁当を試合会場までタクシーで届けるとのことでした。



ということで1日を観光地ではない、ラウトカのおうちで過ごしてみたところ、感じたのは「他人との境界線がとてもゆるやか」ということ。開けっ放しの扉から近所の人が自由に出入りし、歩いていると気軽に話しかけられまるで旧知の友人のようにハグをしあい、「人と仲良くなる」ことのハードルが低いように感じました。もちろん、主婦のキャサリンさんは「若い時に旅行をするのはとてもいいこと。結婚すると家にボスができて自由がなくなってしまうから」と語っており、その国にはその国の、その人にはその人の不自由もあります。一方で、フィジーの人々の振るまいからは神様を信仰し、ケンカをすることがあっても基本的にみんな協力しあい暮らしているという和やかな雰囲気も感じられました。