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加熱式たばこを販売する3社が国内での販売を強化して、競争が激化している。

国内トップシェアのフィリップ・モリス(PM)は6月から、「アイコス」本体の価格を3000円引き下げて、7980円とした。JTの「プルーム・テック」も6月4日から、全国展開を開始して、3000円で本体を販売する。7月2日からは、全国のコンビニでも販売を開始する。また、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」も5月、本体を実質2980円とした。

ニューズウィーク日本版は、6月4日のオンライン記事「日本の加熱式たばこは『ガラパゴス市場』か『テスト市場』か」で、「実はこの加熱式たばこが普及しているのは、世界でも日本だけと言っていい」としたうえで、「日本市場はガラパゴスというよりむしろ、世界進出を見据えたテストマーケティングの市場だ」としている。

また、ダイヤモンド・オンラインが、6月11日、「日本人が加熱式たばこの実験台にさせられている」と題して、東京都の受動喫煙規制が、加熱式たばこに罰則の適用がないことを指摘しており、競争が過熱する中で、今後の規制のあり方に注目が集まりそうだ。では、税金はどうなるのだろうか。

●今年10月から、5回にわたり段階的に増税

加熱式たばこについては、紙巻きたばことともに、今年10月から段階的に増税される。

現在、「アイコス」は、一箱460円で販売されているが、このうち192.23円が税金として納められている。これに対して、「プルーム・テック」は同じ販売価格にもかかわらず、税額は34.28円にとどまる。

紙巻きたばこにかかるたばこ税(国たばこ税・地方たばこ税・たばこ特別税)の税額は1箱(20本入り)440円のうち244.88円であり、紙巻きたばこと比較すると、加熱式たばこは全体的に税額が低くなっている。

紙巻きたばこの税額が本数あたりで計算されているのに対して、加熱式たばこの税額は、たばこの葉を詰めるスティックなどの重量に基づいて計算されているからだ。

2018年度の税制改正大綱で見直しが明記された。たばこ税法、地方税法上の喫煙用の製造たばこの区分として、「加熱式たばこ」の区分が設けられる。重量とともに、紙巻きたばこと比較した小売価格も考慮して計算されることになった。

今年10月から、2022年10月まで、5回に分けて段階的に増税されるが、最終的には紙巻きたばこの税額の7割から9割程度まで引き上げられ、製品ごとのばらつきも縮小する見込みだ。

朝日新聞の報道によると、フィリップ・モリス・ジャパンの副社長が5月25日、10月からのたばこ増税に伴い、専用たばこ「ヒートスティック」を値上げする方針を明らかにしたという。

増税もにらみながら、日本市場での販売競争がどうなるか。紙巻きたばこの市場にどの程度の影響を及ぼすのか。これから様々な動きが出てきそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)