電子パッドで筆談し、一人海外旅行もいける! デジタルでアナログな電子メモの世界の驚き

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突然だが、筆者はビリヤードを趣味にしている。
チームで戦うアマチュアビリアードリーグにも参加しており、いろいろなチームと対戦することでビリヤード仲間もどんどん増えている。

そんな中で、聴覚が不自由な人と知り合った。
そしてビリヤードイベントで、たまたま彼と隣り合わせになった。

少しは聞こえるかな、と思って話しかけた。
すると彼は、話しかけられたと察知し、タブレットのようなボードを取り出して
「これに書いて」
といったジェスチャーをしてきたのだ。

ペンを渡されたので、話したいことを画面に書いてみた。
するとこれまでの知っているタブレットよりも非常にスムーズに書けることや、快適な書き味にビックリした。

恥ずかしながら筆者は、タブレットのようなボード使ったことがなく、初めての体験だった。

しばらく筆談したあと、そのボードが「電子メモパッド」というものであることがわかった。

興味がわいたので、彼に使い心地などを聞いてみることにした。
こうした取材も、もちろん電子メモパッドを使った筆談で行った。


電子パッド デジタルなのにアナログ的に使える電子メモの世界
彼が使用しているものは、キングジムの「電子メモパッド ブギーボード」シリーズの「JOT BB-4」というモデルだった。


キングジム 電子メモパッド ブギーボード JOT BB-4


現在は製造中止になっているが、まだAmazonでは3999円で購入できる。
また、電子パッド(電子メモ)は、Amazonなどでキングジム以外の他社からも、2000円前後で販売されている。サイズも4.5インチから20インチまで、様々なモデルがある。

彼が電子メモパッドを使い始めたのは6年程前。
彼が使用しているモデルは2年程前に購入したもので、現在3台目だそうだ。

彼にとって、このツールは日常生活においての必需品だ。
普段から必ず持ち歩いているという。

電子メモパッドの機能は、非常にシンプルだ。
書いて、消す。それだけ。
そのため、子どもからお年寄りまで、誰でも使える。

本体前面の丸いボタンを押せばすべてのメモがパッと消える。
・一部分だけを消すことはできない
・スクリーンショットを撮ることもできない
・書いた内容をデータとして保存もできない
このように単機能ではあるが、シンプルさ故のメリットが多い。
 ・スラスラ書けてパッと消せる
 ・とにかく軽い、薄い
 ・通信料金はかからない
 ・汎用的なボタン電池で駆動する
 ・本体価格が安い
など、必要な人にとっては非常にありがたい道具だ。

この機種は、画面が8.5インチ、重量が145g。
筆者のスマホ「Xperia Z4」が144gなので、ほぼ同じ重さだ。

それでいて画面は2倍以上大きく広いので、非常に軽く感じる。そして薄いので、カバンなどの収納も紙のノート感覚でできる。

実は、彼の取材のために、筆者は紙のノートを持って行っていたのだが、その紙のノートのほうが重かったほどだ。

電子パッドは単機能なので、使い道がかぎられるのではないか?
筆者も、先入観から、そう安易に考えていた。

しかし、実際は、その考えが間違いだと知った。
電子パッドには、実に様々な用途があるのだ。
 ・彼のような人のための筆談ツール
 ・音がうるさい工事現場などでの筆談やメモ
 ・子どものお絵かき
 ・家族間での伝言板としてのメモやコミュニケーション
 ・電話の伝言メモ
 ・スポーツでのフォーメーションの確認
 ・コールセンターやサービス窓口などでの個人情報の確認
 ・ペン字や漢字の練習
 ・英単語の暗記
など、実に幅広い用途が広がっていたのだ。

電子パッドは、さっと書いて、必要なくなれば、一瞬で消せる。
データとして残せないので、セキュリティも高い。
リアルタイムでのやりとりや、個人情報の確認などにも安心して使えるのだ。
これまでのように筆談を紙で行おうとすると、
たくさんの紙が必要で、書き終わった後は大量に紙ゴミが出る。
エコロジーという意味でも、実に理にかなっている。


また最近のモデルでは、「ロック機構」を搭載している製品も増えている。
「ロックボタン」をオンにすることで、書いた画面を消えないようにできる。
つまり、
・子どもが帰るまでメモを残す
・ほかの人に見せるまでメモを残す
・うっかり消すのを防ぐ
など、大事な伝言やメモを一定の間、保持できるのだ。
そして用事が済めば、「ロックボタン」をオフにすれば、通常通り一瞬で画面を消すことができる。


○彼が、電子パッドを実際に使っていて便利だと思っていること
さて彼がこの電子パッドを気に入っている点がいくつかある。

1)電池の交換がラク
最初の機種は電池交換ができなかったので、電池の寿命がきたらお役御免の使い捨てだった。2台目以降のモデルでは電池交換が可能となった。ただ2台目はドライバーが必要だったので、外出先で交換するのは難しかったという。
しかし現在使用している3台目のモデルは、コインがあれば簡単に電交換ができる。
電池はコンビニや100円ショップなどでも購入できる汎用のボタン型リチウム電池なので入手に困ることもない。
1個の電池で5万回の消去が可能だという。
また、他社の電子パッドでは、電池蓋を開けるコインも不要なモデルも増えている。


左の丸い部分にボタン電池が入っている。10円玉などがあればこのフタを外して電池が交換できる


2)ペンが本体に収納できる
以前の機種では、ペンを本体に装着はできるものの、突起していたため壊れやすかったし、外れやすかったそうだ。
現在のモデルでは収納した状態でも突起していないため、持ち運びもスムーズになり、外れることもない。
こうした仕様は、他社のモデルでも同様の仕様となっている。
小型の電子パッドでは。ペンや本体にストラップが付けられるモデルもある。

3)ペンが平たい形状で転がらない
以前の機種ではペンが丸く、平たいところではコロコロと転がってテーブルから落ちてしまうといったこともあったそうだ。
現在のモデルは、ペンの形状が改良されてストレスが減ったという。
ちょっとしたことだが、使い勝手の観点からは、非常に大きなメリットだ。

4)ペンをストラップホールに挿すと画面を自立させることができる
このモデルの独自の特徴が、付属のペンだけで画面を立てられる仕組みだ。
多くの文具を開発してきたキングジムらしい、うまく考えられた仕掛けだ。
もちろん、ストラップホールにストラップを取り付けて首から下げたり壁に掛けたりもできる。


ストラップホールとペンを使って画面を立てることもできる


5)ロックボタンがあり、必要なメモを誤って消す心配がない
側面にスライド式の「ロックボタン」が装備されている。
このボタンをオンにしておくと、誤操作による消去を防ぐことができる。

彼は使っていないようだが、裏面にはマグネットが内蔵されているので、冷蔵庫などに貼り付けて家族の伝言メモなどに使うこともできる。

彼は、残したい内容がある場合は、
・紙を使う
・電子メモパッドの画面を撮影する
といった方法で解決しているという。
たしかに、最近のスマホカメラの画質ならば、電子パットを撮影しても十分なクオリティを得られるし、スマホやPCなどで再利用も可能だ。

○電子パッド筆談で、ドバイへ一人旅行もできた
彼は昨年、一人でドバイ旅行をした。
その際は、電子メモパッドに英語で行き先を書いてタクシーの運転手に伝えたそうだ。
英語のライティングができることが前提だが、電子パッドがあれば一人で海外旅行もできるということだ。

彼はこのツールに出会ったことで、
「人とのコミュニケーションが格段に取りやすくなった」
という。

私が参加しているビリヤードリーグの試合では、チーム戦のため、タイムを取って上級者からアドバイスをもらうことができる。
そんなときも、彼は、この電子パッドを使って作戦をアドバイスしてもらうこともあるという。

彼のように筆談を必要としない人でも、
言葉で説明してもらうより、こういったツールで図解してもらうほうがイメージがわきやすく、コミュニケーションが向上するだろう。


ビリヤードの試合でも活躍する電子メモパッド


実際に使わせてもらうと、8.5インチという画面の大きさは、筆談にはちょうどいいと感じた。

それ以上に電子パッドでのペンが書きやすいのだ。
感知の遅延などはほとんどなく、紙に書くのと同じ感覚でサラサラと書ける。
また、手のひらを画面につけて書いても、その部分は反応しないので、まさに紙と同じ感覚で使える。

ボールペンで紙に書くよりも、書きやすい気さえした。
筆圧によって線の細い・太いも感知するので、万年筆のような書き味で、味のある、きれいな字が書けるのも、心地良さの理由だろう。

もし、専用スタイラスペンを忘れたり紛失してしまったりしても、圧力をかけて画面の色を変えている(文字を書いている)だけなので、キャップをしたままのボールペンなどでも書くことができる。

今回初めて認識したツール「電子メモパッド」。
筆者にとっては、彼ほどの必要性はないはずだが、久しぶりに物欲をかき立てられるガジェットに出会った想いだ。

用途を考える前にポチってしまう自分の姿が容易に想像できてしまうのである。


内藤由美