「クランクインするまでに7年」、森谷雄監督が語る映画『サムライフ』に込めた想い
「クランクインするまでに7年ですね。僕は仕事柄、ドラマや映画の映像作品のネタを常に探していて……、この『サムライフ』は書店での出会いがきっかけで、気になる本があるなあと手に取って読み始めたら止まらなくなっちゃって、立ち読みで終わらないなってことで(笑)、買って帰ったみたいな話なんですけど、あれはもう8年も前のことですね。当時、教育や教師関係モノをやりたいと思っていた時期で」
――その後、原作者の長岡さんに連絡取って会われたそうで、どういう話題をしましたか?
「僕が作っていたドラマをたまたまご覧になっていたみたいで、『天体観測』とか。あれも青春ドラマで、皆が生きかたを模索しているみたいな内容です。そこが印象に残っているとおっしゃってくださって、僕が書いたものでよければ、全然やってくださいみたいな感じでしたね、とにかく熱い人でした」

――大元は実話ですよね。本当にあった話を、物語にする際の注意点はありますか?
「僕はプロデューサを長年やってきているので、そういう意味では物語を曲線とかグラフ化できると僕は思っていて。シナリオを作る上で分析をしてきたほうの人間だから、自分が監督をする際に、それがちゃんとできるかどうかでしたね。今まで脚本家や監督にさんざん言ったことを、今度は自分がやれるかどうかなので、相当なプレッシャーでした(笑)。実話なのでオミットできない要素もあって、ギリギリ悩み、やっぱり残そうと思ったシーンもたくさんあります。でも実話だからと言って、エンターテインできてないエピソードを残すことは、長年プロデューサー人生を送った身としては、許せないことでもあって。だからある意味、セルフプロデュースをしながら監督していた部分があります。ただ、監督をするのであれば、エンターテインメント性も持ちながら、ちゃんと社会的な問題やテーマを含めた作品にしなければという想いがあって、脚本を作る上では難しかったですね」
――またパッケージに収録する映像特典について、未公開シーンについて教えてください。
「本当に、涙を飲んで切ったシーンばかりで、加治(将樹)君がシェーカーをふって、どんどんうまくなっていくシーンが入っています(笑)。どんどんうまくなることと、ナガオカの本が書きあがっていく過程を本当はカットバックしたかったんですけど、それがあまりにも面白すぎちゃって、笑えてしまうかなと(笑)。すごく面白かったので、映像特典に入れさせてもらいました」
――今日はありがとうございました! 今後映画で追求したいテーマなどはありますか?
「映画を撮ったから出会えた諸先輩もたくさんいて、山田洋次監督、大林宣彦監督とか、プロデューサーだけをやっていただけでは出会えなかったと思います。映画を監督したからこそ、ですよね。これからのプロデューサーとしての仕事は、次世代を引き上げることしかないと思っているので。監督として仕事するのであればテーマですよね」
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© 2015 「サムライフ」製作委員会
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)
