日本人初のマスターズ制覇を果たしたゴルフ松山英樹選手。偉業がもたらされた背景には、例年とは違う「マスコミ事情」があったのかもしれない。

松山選手は現地時間10日のラウンド後に行われた会見で、新型コロナウイルスの影響により日本のメディア数が減ったことについて「自分的には楽になっています」とコメント。これを現地メディアが「日本の報道陣の少なさは、松山にとっては幸いだった」と報じていた。

記者の囲み取材は「苦手」

今回のマスターズでは、新型コロナウイルスによる渡航制限の影響で、現地を訪れる日本の報道陣の数が限られていた。松山選手が単独首位に立った10日、ラウンドを終えて行われた会見では、報道陣の少なさがプレッシャーの緩和につながっているか、質問が飛んだ。

松山選手は日本語で「そうですね。これはどうなん...言っていいのかわからないですけれど」とややためらいつつも、次のように話していた。

「このマスターズだけは、日本のメディアの方もすごく来てくれる。『囲み取材』というのは苦手ですし、大勢に囲まれるというのがすごく苦手なので。そこで去年からコロナになって、人数も少なくなっているというところでは、すごく自分的には楽になっています」

会見に同席した通訳は、この発言を以下のように英訳した。

「I'm glad the media are here covering it, but it's not my favorite thing to do, to stand and answer questions. And so with fewer media, it's been a lot less stressful for me, and I've enjoyed this week.(メディアが取材に来てくれるのは嬉しいけれど、立って質問に答えるのは好きなことではありません。だから、メディアの数が減ったことで、私にとってはストレスが減り、この1週間を楽しむことができました)」(日本語訳は編集部、以下同)

「タイガー・ウッズでさえうんざりするほど...」

英ロイター通信(電子版)は10日、松山選手の好調の要因について「日本の報道陣の少なさは、松山にとっては幸いだった」という見出しで報道した。

松山選手が「タイガー・ウッズでさえうんざりするほどの微細な注目に辛抱強く耐えることに慣れている」「毎ラウンド後にありふれた質問に答えるのが日課となっている」とした上で、先の通訳の発言を紹介。日本の報道陣が少ない状況は、松山選手にとって「新鮮」だったとした。

また、朝日新聞デジタルの英字版「The Asahi Shimbun」も、マスターズ制覇後の11日に配信した記事の中で「松山はあまり感情を表に出さないタイプで、ラウンド後に大勢の日本のメディアに追い詰められても、あまり言葉を発しない」と説明。「松山は最終ラウンドの前夜に『ストレスが少なくなった』と語っていた」と、会見での発言を紹介した。