学生の窓口編集部

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ネット通販でときどき話題になる「値段の間違え」。新製品がいきなり90%オフで販売され、購入申し込みをしたら「マチガエでした」メールが届いたなんて話を聞いたことがあるだろう。

通販に限らず値札の間違えで激安になっていたら、その値段で買えるのか? 基本的には売り手のミスだが、途中で気づけば錯誤(さくご)となり、「この値段では売れません」と撤回することができる。買うひとが「どう考えても間違え」と気づいていた場合は、あとで差額を請求されても文句は言えないルールが存在するのだ。

■値札の値段で「売れません」はアリ!

商品の売値は「売るひと」が決められる以上、買い手はその値札を信じるほかない。売り手のミスで激安になっていたとしても、買うひとにとっては「目玉商品?」と思うのも当然で、ラッキー!と購入しても責められることはない。

むしろ売る側のミスなので、間違えだとわかっても「この値段で売ります」となる場合が多い。

値札を貼り間違えたら、絶対にその値段で売らなければならないのか? 答えはNoで、途中で気づいたら「売れません!」と撤回することもできる。

これは錯誤(さくご)と呼ばれ、

・値札をつける = 売り手の「意思表示」

と解釈され、意思表示に「間違え」が見つかった場合、売り手は取り消すことができるのだ。これは民法・95条(錯誤)と呼ばれ、重大な過失がない限り、売り手の判断でおこなうことができる。

重大な過失とは、

・レジで気づき「値札の間違えでした、ゴメンナサイ」 … OK

・レジで気づかず、その金額を受け取った … NG

のようなパターンで、後者は値付けから支払いに至るまでまったく気づかなかったことを意味し、その商品の「価値」がよく分かっていないと解釈されてもしかたがない。こうなると「あなたの過失ですよ」と判断され、あとで気づいても取り消すことはできないのだ。

■あとで差額を請求されることも!

もし、買い手が「間違え」に気づいていたらどうなるのか? 発売されたばかりの人気商品に90%引きの値札がつけられていたら、値引きではなく「マチガエでしょ?」と思うのが当然で、この場合はあとで差額を支払う義務が発生するのだ。

これは心裡留保(しんりりゅうほ)と呼ばれ、同じく民法の93条で、

・買い手が、売り手のミス(=真意ではない)だと知っていた場合、意思表示は無効

とされ、意思表示=その値段で売ります、はナシになってしまう。どこまでが「真意」かは難しいところだが、この例のように新製品が90%引きで売られるはずがない=たんなるマチガエと判断されれば、正価との差額を請求される可能性もあるのだ。
もし心裡留保を持ち出されると、話はタイヘンやっかいになる。買い手がその製品に詳しいのか、つまりは売価の相場を知っていたのかが論点となり、「気づくはずだ」「知らなかった」と不毛な言い争いになってしまうからだ。

最終的に裁判で決着!なんてことにもなりかねないので、明らかに安すぎるときは「この値段で良いの?」と確認しておいたほうが良いだろう。あくまで売り手の責任だ!と言い張っても、法律的には「この値段では売れません」も「間違えと気づいていたはず」もアリなので、どちらに転んでも良い買い物にはならない。

激安!ラッキー!と思うのも当然だが、どう考えてもヘンな値付けだったら、正直に聞いてみるのが良いだろう。

■まとめ

・値札を間違えても、途中で気づいたら「売れません」と主張できる

・値付けから支払いの段階まで気づかなかったら、売り手の過失

・あきらかに「間違っている」と知りながら買うと、差額を請求される可能性あり

(関口 寿/ガリレオワークス)