1998年に日本でも発売されたクレイメーション・アドベンチャーゲームの「クレイマン・クレイマン ネバーフッドの謎」とその続編である「クレイマン・クレイマン2 〜スカルモンキーのぎゃくしゅう〜」は、登場するもの全てが粘土で作られたゲーム。その独特の雰囲気や、味のあるキャラクターの個性、そしてユニークなゲームBGMなど独特の魅力により一部のファンを中心に熱狂的な人気を集め、発売から20年近くになる現在でも根強いファンが世界中に存在しています。

そんなクレイマン・クレイマンを中心になって作ったスタッフがクラウドファンディングによる資金集めに成功して再び集結し、2015年に新作ゲーム「Armikrog」を発売すべく準備が進められています。

Armikrog

http://www.armikrog.com/

Armikrogの中心になるキャラクターがこの2人。左が探検家で宇宙飛行士の「トミーノート(Tommynaut)」、そして4本足の動物がトミーノートのペットであり、パートナーでもある「ビーク・ビーク(Beek-Beek)」。2人は不時着した不思議な惑星で、力を合わせて謎を解き明かしていきます。



そんなゲームの様子を垣間見ることができるのが以下のトレーラームービー。「クレイマン・クレイマン」シリーズの雰囲気を色濃く残した世界観がよく現れています。

Armikrog WIP 2014 10 28 - YouTube

見知らぬ惑星に不時着した宇宙船



「こりゃよくないな」というトミーノートに対し、ビーク・ビークは「保険でもカバーしてもらえないかもな」とジョーク。



なにやらミミズのような生き物がやってきました。「ビーク・ビーク、こいつはなんだと思う?」とトミーノートが言ったと思ったら……



足に「ぐるぐるぐる」と絡みつきました。



その向こうには、なんともグロテスクなのにどこかかわいげのあるモンスター。



「ブギャアアアアア」とおたけびをあげるモンスター。口の中にはリールがあり、トミーノートを捉えたミミズのような生き物を巻き取り始めました。そんなバカな……



「わぁぁぁぁぁぁぁ」とモンスターに食べられそうになるトミーノート。こんな感じで2人は冒険を繰り広げていきます。



神サマのようなキャラが登場したり……



なにやら巨大な装置



前作をほうふつとさせる、壁の溝を伝う乗り物も登場しています。



ファンの期待を裏切らなさそうな世界観になっているばかりか、さらにその映像クオリティは向上している様子です。



◆Armikrogの制作チーム「Pencil Test Studios」

そんなArmikrogの制作チームと、その舞台裏が以下のムービーで紹介されています。

Giving Life to Tommynaut - YouTube

ゲーム制作の中心をになうPencil Test Studiosの共同設立者であるMike Dietz氏。



そしてもうひとりの共同設立者が、Ed Schofield氏。両者はかつての「クレイマン・クレイマン」でもスタッフの中心的存在として活躍していた人物。



さらに、2人にインスピレーションを与え、今作でもアートワークを担当するDoug TenNapel氏。かつてのクレイマン・クレイマンシリーズを率いた人物で、現在は数々のテレビシリーズでプロデューサーを務めたり、ヒューストン・バプティスト大学ではシネマ・ニューメディアアートの教授を務めているとのこと。



そんな3名が、約20年前に終結していた頃の映像が残されています。画像はクレイマン・クレイマンに付属していた特典ムービーからのもの。



実際の作成風景が少し紹介されていました。Dietz氏が手にしているのは、トミーノートの体の中に組み込まれる金属製の骨格パーツ。



「クレイメーション」とは言いながらも、実は多くのパーツには粘土以外の素材が多く用いられています。



キャラクターの作成手順はこんな感じ。まずは実際に粘土と針金を使って、最初のフィギュアを作成します。



完成したフィギュアの原型。これにより、キャラクターに独特の質感が生みだされます。



そうして作ったフィギュアから型をとり、耐久性のある柔らかい素材で実際のキャラクターを作成。



あとは、細部の仕上げを行って撮影用のモデルが完成。



この手順を踏むことで、長時間に及ぶ撮影にも耐えられる丈夫なフィギュアが完成します。



とはいえ、この手順はクレイメーションの世界ではあまりめずらしいものとは言えないもの。じつは、20年前のチームはそのような知識を持たないまま撮影に突入したため、なんと4トンもの大量の粘土を使い、本当に粘土だけでクレイメーションアニメのゲームを作ってしまったというエピソードが残されているのでした。



今回は、もう少しシンプルなセットで制作が行われた様子。このようにして一コマずつ撮影された映像をつなぎ合わせることで、独特の質感と動きを持つクレイメーションゲームができあがる、というわけです。



◆独特のBGMを作り出すミュージシャン・Terry Scot Taylor

TenNapel氏のキャラクターと、Dietz氏・Schofield氏による制作に加えて、もう一つ欠かせないのが独特の味わいを持つBGM。クレイマンシリーズのBGMはアメリカのミュージシャンであるTerry Scot Taylor氏が全て担当しており、「Armikrog」でもそのゴールデンタッグが復活。

以下のムービーでもそんなBGMから「Boo Hoo ha」という曲が披露されており、「アメリカのブルース好きのおじいちゃんみたい」という感想が出ることもある独特の味を垣間見ることができます。

Armikrog Music by Terry S. Taylor! - YouTube

前作「クレイマン・クレイマン(原題:The Neverhood)」のサウンドトラックはYouTubeなどでも聴いてみることができます。

The Neverhood Soundtrack (Full) - YouTube

◆Armikrogはクラウドファンディングのプロジェクトで復活を遂げた

コアな人気を保ち続けてきた同チームによる世界観ですが、約20年を経て再び集結することになったのは、クラウドファンディングサイトのKickstarterのキャンペーンが成功裏に終わったことによるもの。世界中の1万8000名を超える人から約97万ドル(約1億1500万円)という資金を集めることに成功して復活を遂げることになりました。

Armikrog. by Pencil Test Studios, Inc. - Kickstarter



◆その他アートワークなど

謎の小部屋に入ったトミーノートとビーク・ビーク。下に見える謎の表示部分が気になります。



トミーノートが乗る独特の乗り物。前作と同様に、左に見える円形の部分をグリグリ回転させて、行きたい場所に行けるように操作するものだと予感されます。



メッセージボードのようなアイテムも公開されています。本文中には「ヴォグノート」や「ナムノート」という、トミーノートとの関連を感じさせる名前が書かれており、物語の内容を少し予感させる内容となっていました。さらにいえば、前作に登場する憎めない悪役キャラ「クロッグ(krog)」の名前もゲームの名前にこっそり忍ばされているというのも気になるポイント。



世界中のファンが待ち望んだ最新作「Armikrog」は2015年中にPC版、Mac版、Linux版と、PlayStation 4版、Wii U版がリリースされることが発表されています。具体的な予定日や価格、そして日本での対応は発表されていませんが、ソフトはダウンロード形式で配布されることになるとみられています。