写真:宇宙飛行士の洗濯風景 (ガガーリン宇宙飛行士訓練センター)

写真拡大

 
宇宙飛行士といえば、まず想像するのが宇宙服を着用した姿。EVA(船外活動)に必須の宇宙服ですが、ではその宇宙服が汚れたらどうするのでしょうか?その答えは、「水洗いして干す」でした。 
写真はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでのひとコマ。2016年に ISS(国際宇宙ステーション)へ向かう予定のチームが訓練で使用した宇宙服の洗濯風景です。チームメンバーはロシア人飛行士 Anatoly Ivanishin、NASA のフライトエンジニア Kathleen Rubins、日本の JAXA から派遣されているフライトエンジニアの大西卓哉 氏の3名。

写真にある宇宙服は、与圧服と呼ばれる船内用宇宙服。EVA 用のものではありません。水中訓練などでは EVA 用の宇宙服とほぼ同じものを使うとのことですが、こちらは写真のような洗い方をしているかどうかは不明です。NASA によれば、「細菌やバクテリアの繁殖を防止するため、必ず洗浄、乾燥する」としています。ロープにかけて天日干しにするどうかはともかく、クリーニングが行われることには違いありません。また ISS の宇宙飛行士は滞在期間の終わりが近づくと自分が使った宇宙服を清掃します。よって帰還時にはある程度きれいな状態にはなっているようです。

現在、宇宙服の開発は、米国、ロシア、中国の3カ国のみが行なっています。日本では JAXA が国産宇宙服の検討をすすめていますが、開発までは至っていません。むしろ、温度調節のための冷却ベストなど、宇宙服に関係するユーティリティー部分の開発が進んでいるようです。

ちなみに ISS の宇宙飛行士たちは長期滞在となるため、ポロシャツなどの普段着は1か月、運動用のTシャツで1週間、下着でも3日間は同じものを着用し続けるとのこと。下着を途中で裏返すのかどうかはわかりません。