王国ブラジルと世界王者スペイン、コンフェデ杯「夢の決勝」の行方は

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「The dream final」。FIFAは公式HP上で、30日に控えた王国と世界王者の一戦を、簡潔ながら的確に表現した。

 開催国のブラジルとワールドカップ王者のスペインは、コンフェデレーションズカップ決勝で1999年以来、14年ぶりに顔を合わせる。対戦成績は、ブラジルが4勝2分け2敗とリード。しかし、9度目の対戦の前には、過去の対戦は参考にならない。

 実際、予想も真っ二つに割れた。

 イギリスの大手ブックメーカーである「ウイリアムヒル」は、ブラジル勝利のオッズを2.70倍、スペイン勝利は2.90倍に設定した。90分間で決着がつかない場合のオッズも2.90倍であることから、僅かに開催国のブラジル有利と弾き出した格好だが、甲乙付け難いことが数値にもしっかりと表されている。

 何しろ、勝ち上がり方も似通ったものだった。互いにグループリーグを3連勝して首位突破。準決勝ではブラジルがウルグアイ、スペインはイタリアと、同大陸の強豪を接戦の末に退けて、決勝まで駒を進めた。

 しかし、他の部分に焦点を向ければ両チームの差異は鮮明になる。例えば外的要素では、ブラジルに大きく分がある。

ホームの大観衆による声援はもちろんのことながら、準決勝からの日数は中3日。PK戦の末にイタリアを下したスペインが中2日で試合に臨むことを考えれば、コンディション面では圧倒的なアドバンテージを手にして決戦を迎えられる。

 一方で、スペインも世界王者に相応しい強さを見せてきた。前人未到のユーロとワールドカップのメジャー大会3連覇を果たして我が世の春を謳歌しているだけに、充実の時を過ごしている。公式戦での無敗記録を歴代最多の29試合に伸ばし、イタリア戦に代表されるように苦戦の末に勝ち名乗りを上げる姿からは、かつての勝負弱さは微塵も感じない。

 決勝の前日練習でも、それぞれが自分達のペースを貫いた。当初は冒頭15分間だけの公開予定だったブラジルだが、結局はいつも通りフルオープン。会見に出席したルイス・フェリペ・スコラーリ監督も、普段と変わらずに手振りやユーモアを交えて、世界王者との対戦に向け、饒舌に意気込みを語った。

 対照的に、スペインは練習の冒頭15分のみを公開。監督に先立って会見に臨んだイケル・カシージャスとシャビ・エルナンデスは記者からの質問に対して淡々と答え、後から登場したビセンテ・デル・ボスケ監督は時折笑顔を見せる余裕の対応を見せた。夢の一戦の実現に沸き立つ周囲の喧騒をよそに、王国と世界王者は互いに過剰な気負いを感じさせない。

 そして、雌雄を決するに相応しい舞台も整った。決戦のスタジアムは、狂喜と絶望、様々な感情を生み出してきたブラジルサッカーの聖地、エスタジオ・ド・マラカナン。

 条件は申し分ない。

 まさしく、大陸王者が集う大会に値する「夢の決勝」で、コンフェデレーションズカップがついにファイナルを迎える。

文●小谷紘友