鹿児島読売テレビ

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鹿児島の名物、そうめん流し。発祥と言われる唐船峡そうめん流しはどのように誕生したのでしょうか。歴史に迫ります。

■GWにぎわう唐船峡 名物そうめん流しに長蛇の列

ゴールデンウィーク真っただ中の今月4日。指宿市の唐船峡そうめん流しには、県外ナンバーの車が多く見られました。

(客)
「大分から。9時半に来た」

入口には、最後尾が見えないほどの長蛇の列ができていました。

午前11時――。

(スタッフ)
「大変、お待たせしました」

皆さんのお目当ては、もちろん――。くるくる回る冷たいそうめん。帰省客や観光客で賑わいました。

(客)
「冷たくて美味しい。(回るそうめん)初めて面白い」

(客)
「美味しいです。(回るそうめん)珍しいです」

(客)
「東京から来ました。初めてです。美味しいし、子どもが1番楽しんでるのでよかった」

階段を下りるにつれて、ひんやりとした空気に包まれ…渓谷を流れる水の音が心地よく響きます。この雰囲気を楽しみに来る人たちも少なくありません。

(客)
「涼しさとか、唐船峡からの降りてくるところの新緑とかいいなと思って」

セットメニューが人気。そうめんやおにぎり、ニジマスの塩焼き鯉のあらいなどが味わえます。

(鹿児島市から)
「雰囲気もいいけど味もいい。50何年前から(来てる)1年に1回は来ていた」

■通り過ぎる町から観光地へ 唐船峡誕生の背景

(記者)
「今や、人気の観光スポットとなっている唐船峡。どうやって誕生したのか?歴史を紐解きます」

指宿市営の唐船峡そうめん流し。1962年、合併前の開聞町の時代にオープンしました。

(唐船峡そうめん流し・田中久夫支配人)
「当時、開聞町で観光的に客がいっぱい来てもらうための施設を作らないといけないという中で、当時の助役が、そうめん流しをしようかということになって」

当時、指宿市は、温泉があることから、新婚旅行先として人気でした。一方、隣の旧開聞町は、開聞岳など美しい風景があるものの、「通り過ぎる町」とも言われていました。「町に観光の目玉を作りたい――」。立ち上がったのが、当時、町の助役だった井上廣則さんです。

(唐船峡そうめん流し・田中久夫支配人)
「湧き水があって、池田湖からの伏流水と言われている1日に10万トン湧き出している、”唐船ヶ迫”という地名だったが、ここで湧く京田湧水が、冷たくて美味しい水があるというのがあって、地元の人たちもそうめんを持ち寄って、冷たくして食べていた」

(地元の人(78))
「芋ほりとか、いろんな作業が終わって、家族でそうめんを湯がいて、川で冷やして食べていた。GWや盆など、人がたくさん来るから嬉しい」

環境省の「平成の名水百選」にも認定された湧き水。井上さんが考えたのは、湧き水を生かした地域おこしです。地域の人たちが、茹でたそうめんを湧き水にひたして食べていたことから「そうめん」に着目しました。

■洗濯たらいがヒント 回転式そうめん機の誕生 -思い出をつなぐ場所へ-

オープン当初は、竹どいでそうめんを流すスタイルでしたが。

(唐船峡そうめん流し・田中久夫支配人)
「流しそうめんから始まった。竹どいで流していたが、竹どいで流すと、流している人は食べられない」

この方法だと、そうめんを流す人が食べられない――。さらに、竹にカビが生えるという管理の難しさも浮き彫りになりました。井上さんは、職員たちと改善策を考えました。

相談を受けたのが、鹿児島市のプラスチック製品加工「鶴丸機工商会」です。

(鶴丸機工商会・久保建市社長)
「井上さんの部下が来て、竹どいでしているが、プラスチックでできないかと。家内が洗濯するときに、たらいで回す。ああいう風に回らないかということからスタートして」

みんなが食べられるにはどうしたら良いか?洗濯用のたらいをヒントに、そうめんを回すアイデアが生まれました。

試行錯誤すること1年、1号機が誕生――。中心から4つの樋が外側の器に向かって伸びる形でした。

(鶴丸機工商会・久保建市社長)
「父が作ったが、竹どいというイメージを残したかった。ここは、そうめんを置くところ。竹ざるで持ってきて、ここに置いて、水の流れるレーンにそうめんを入れるということだった」

さらに改良を重ね、今の形にたどり着きました。回るそうめん流しは次第に話題を呼び、多くの人が訪れるように。唐船峡で長年働いてきた鎌迫あけみさんは、こう語ります。

(長年唐船峡に勤務・鎌迫あけみさん(70))
「全部テント張りだった。奥の橋があるところにもう一か所食べるところがあった。段々テレビやラジオで知られるようになって、北海道からとか沖縄からとか来るようになった。物珍しくて、ものすごいお客さんがいらっしゃった」

今や年間、約20万人が訪れる人気スポットです。

(鹿児島市から)
「ここに来ないと、夏が始まらない」

(広島から)
「これを食べに。ネットで見つけて、回すところが面白くて」

(鹿児島出身・神奈川県在住)
「(回るのが)当たり前だと思っていた。小さい時に亡くなった母に連れてきてもらって、それを孫たちに引き継げるのが嬉しい」

多くの人から愛される唐船峡そうめん流し。賑わいの風景を井上さんの銅像が見守っています。

(KYT news.everyかごしま 26年5月7日放送)