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中東情勢が緊迫して国際関係やエネルギー事情が不安定化するなか、再び大国の首脳が訪中。アメリカのトランプ大統領に続いてロシアのプーチン大統領が、習近平国家主席との首脳会談に臨みました。この会談から読み取れることや、中露首脳の思惑を考えます。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「中露首脳会談…両国の思惑は?」をテーマに解説します。

■両首脳、密接な関係をアピール

山粼誠アナウンサー
「先週、アメリカのトランプ大統領が中国を訪れていましたが、今週はロシアのプーチン大統領が中国を訪問しています。中露の首脳会談のポイントや最新情報をお伝えしていきます」

「日本時間の20日正午ごろ、天安門広場で歓迎式典が行われました。歩きながら言葉を交わし、時折プーチン大統領が笑みを浮かべているようにも見えます。子どもたちの歓迎には手を振って応じる姿もありました。こうした歓迎の後、首脳会談が行われました」

習近平国家主席
「変化と混乱が交錯する国際情勢の中、両国は平等な立場で互いを尊重してきた。絆はより固くなっている」

プーチン大統領
「私たちの目標は、両国民の幸福と繁栄だ。この揺るぎない基盤があるからこそ、両国関係は幾度となく試練に耐え、強靭(きょうじん)さを保ち続けてきた」

山粼アナウンサー
「会談ではイラン情勢について意見が交わされました。プーチン大統領はエネルギー分野で中国と協力を拡大する意向を示すなど、密接な関係をアピールしました」

鈴江奈々アナウンサー
「中東情勢が依然不透明ななか、このタイミングで、エネルギーを供給できるロシアと中国との結びつきがより強くなっていくというのは、とても大きな意味を持ちそうですね」

■2週連続で受け入れ…異例の外交日程

桐谷美玲キャスター
「中国にとっても大事な国のトップが2週連続で訪問するということは、国際的にも中国がそれだけ重要な国ということですよね」

山粼アナウンサー
「アメリカとロシアの首脳を2週にわたって受け入れるというのは、異例の外交日程になります。そういった日程について中国メディアは『北京が外交の中心地として台頭した』と強調しました」

「柳沢高志・NNN中国総局長は、『習近平国家主席としては、アメリカとロシアの首脳を相次いで迎えることで、中国の外交的な影響力を国の内外にアピールする狙いもあるのでは』と分析しています」

森圭介アナウンサー
「世界が不安定化する中で、その軸になるのはアメリカとロシアと中国なんだ、ということをものすごく印象づけられます。今回のこの会談はアメリカに対しても、中国とロシアは非常に近いんだということをアピールするきっかけにもなっていますよね」

■存在感を高めるチャンス…露側の思惑

山粼アナウンサー
「それぞれの思惑が少しずつ見えてきます。一方でロシアはどうなのでしょうか。プーチン大統領が中国を訪れるのは去年の9月に続いて今回で25回目。ロシアにとっては、世界有数の資源国として存在感を高めるチャンスです」

「ホルムズ海峡の封鎖によって、世界最大の原油の輸入国である中国はこれまでのようなルートでの仕入れができないので、原油に関してはロシアに頼りたい状況です。実際に、ロシア産原油の輸入を増やしています」

「今回の会談では、今よりもさらに輸入を拡大することも話し合われたとみられています」

「平山晃一・NNNモスクワ支局長は『ロシア経済は深刻な減速も指摘されている。プーチン大統領としては、自国こそが信頼できるエネルギーの供給国だとアピールすることで、ロシア経済の“生命線”である中国との協力をさらに深める狙いがある』と話します」

■中国へ、陸路で天然ガスを供給

山粼アナウンサー
「さらに中国との結びつきを強める要素があります。ロシアから中国へ陸路で天然ガスを供給している約3200キロのパイプライン『シベリアの力』がありますが、モンゴルを経由するルートの新たな『シベリアの力2』を作る計画があります」

「ただ、これはまだ着工には至っておらず、天然ガスの価格をどうするかなどを話し合う段階です。今回の会談でこの計画について詳しく協議したものとみられています」

■記者会見でアメリカや日本を批判

柳沢高志・NNN中国総局長
「両首脳は首脳会談を終え、共同記者会見を行いました。会見で習近平国家主席は、『現在の世界では一国主義や覇権主義の害が深刻になっている』と、アメリカを念頭に批判しました」

「また『第二次世界大戦の結果を否定し、軍国主義の復活を狙う挑発的な行為に反対する』と述べ、名指しこそしなかったものの日本を批判。『ロシアとともに国際的な公平や正義を守る』と主張しました」

「ウクライナや台湾を巡る問題や、先週の米中首脳会談についても意見が交わされたとみられますが、内容はまだ明らかになっていません」

■トランプ大統領訪中時との違いは?

桐谷キャスター
「先週のトランプ大統領の訪中の時と比べて、違いは何か感じましたか?」

柳沢総局長
「この2つの歓迎式典、まるでデジャブかと思うほどの似たような演出で、同等の扱いをするという中国側の気遣いを見て取ることができました。そんな中でも違いが2点ありました」

「1つは中国メディアの扱いです。トランプ大統領の訪中の時は中国国営テレビが大々的に生中継をしていましたが、今回は国営テレビの中継はありませんでした」

「2つ目は、習主席自身の演出です。トランプ大統領が来た時は、式典の最後に2人が立ち止まって、習主席が身振り手振りで何かを説明するようなシーンがありましたが、今回は両首脳は立ち止まることなく淡々と建物に入りました」

鈴江アナウンサー
「トランプ大統領の方を手厚くもてなしていた、ということになるのでしょうか?」

柳沢総局長
「そういうわけではなく、トランプ大統領の訪中は中国にとって、『アメリカの大統領が9年ぶりに北京に来たぞ』という国内的なアピールという側面がすごく重要でした」

「それに比べてプーチン大統領は毎年のように訪中しているため、国内でも冷静に受け止められています。より成熟した二国間関係として、派手な演出よりも実務的な協議を重視しているとも言えそうです」

■中露首脳会談、日本はどう見ている?

忽滑谷こころアナウンサー
「日本としてはこの協議をどのように見ているのですか?」

山粼アナウンサー
「木原官房長官は、『中露の緊密な関係は以前から続いていると承知している。両国が国際社会において建設的な役割を果たすことを期待している』と述べました」

「外務省の幹部は『日本が米中会談の直後にアメリカ側に接触し、日米の結束を確認したのと同じように、ロシアも中国との結束を確認したいのでは』としています」

「また、別の外務省幹部は『(中国にとって)トランプ大統領の訪中は大きな目標だったが、基本は中露の協力関係が重要。アメリカとは競争関係ということになるのでは』と分析しています」

「ロシアメディアによると20日夜、晩餐(ばんさん)会の後に両首脳が率直に議論を交わす場として非公式な茶会が予定されているということです」

(2026年5月20日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)