高市総理に「焼き魚定食」を振舞われ麻生太郎は絶望した…政権瓦解を悟ったキングメーカーが振るう「次の一手」
「孤高の宰相」を貫いてきた高市総理。しかし、ここに来て異変が見られる。苦手とする「飲み食い」政治をし始めたのだ。いったい何が―。
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キングメーカーが傍観をやめた
最近では、高市総理は後ろ盾である麻生氏にも頼っている。自民党の閣僚経験者が語る。
「高市総理の最側近として知られ、今年、麻生派入りした山田宏参院議員が、高市総理を支える議員グループを作ろうと画策している。麻生氏も乗り気です。発起人には麻生氏のほか、茂木敏充外相や小泉進次郎防衛相ら、前回の総裁選で火花を散らした面々がズラリと名を連ねるそうです」
これまで高市総理の動きを静観してきた麻生氏。重い腰を上げる転機となったのは、4月10日に官邸で催された昼食会だった。
席を共にしたのは麻生氏、鈴木俊一幹事長、そして萩生田光一幹事長代行。だが、目の前に並んだのは、質素な焼き魚定食だった。麻生氏は箸を付けることなく、会合を終えたと報じられた。
「麻生さんは怒りを通り越し、絶望したのかもしれません。高市さんのあまりの人付き合いの拙さに、政権が足元から瓦解するのではないかと焦燥感に駆られたようです」(同前)
麻生氏が、キングメーカーとしての自らの地位を盤石なものにするためには、来年9月の総裁選で高市総理を無投票再選させ、政権の延命を図らなければならない。傍観している場合ではなくなったというわけだ。
「岸田文雄元総理にもグループ参加の打診があったようですが、彼は首を縦に振らなかった。これで党内は『主流派』と『非主流派』にクッキリと分かれた」(同)
麻生氏が思い描く別のシナリオ
一方で、麻生氏の腹の内には別のシナリオも透けて見えると、元二階派の中堅議員は声を潜める。
「進次郎や小林鷹之など若手のホープを引き入れ、高市さんがコケたときのための手駒にしようとしているのだろう」
強力な援軍に見えて、実態は「同床異夢」の烏合の衆に過ぎない。その足元は「反高市」の怨嗟でひび割れている。
「特に茂木氏は、高市総理に対して相当な不満を募らせているようです。というのも、高市さんが赤澤亮正経産相に頼り切っているからですよ。経産大臣兼重要物資安定確保担当大臣に任命し、石油に関しても経済政策に関しても直接指示を下している。本来なら石油調達などは経産省と外務省が緊密に連携すべき案件です。外相としての面子を潰された茂木氏が、面白いはずがない」(官邸関係者)
そんな茂木氏まで、なぜ「高市支持」の枠組みに身を置くのか。そこには露骨なまでの計算が働いているという。
「いま恭順の意を示しておくことで、麻生さんから総理の『後継指名』を勝ち取りたいという魂胆です」(同前)
「麻生支配」への宣戦布告
こうした「主流派」の動きを冷徹な視線で見つめ、反撃の機を窺う勢力も存在する。麻生氏と不仲で知られる林芳正総務相や武田氏ら「非主流派」の面々だ。
「林氏は最近、急速に武田氏と接近しようとしている。これは事実上の『麻生支配』に対する宣戦布告ですよ」(前出・自民党閣僚経験者)
加えて、林氏には「地盤」もある。「食料品消費税ゼロ」や「給付付き税額控除」の制度設計を担う「社会保障国民会議」を、実質的に林氏が掌中に収めているというのだ。
「国民会議の実務者会議で議長を務める小野寺五典氏をはじめ、後藤茂之氏、田村憲久氏といった自民党側の中心メンバーは、林さんと近しい議員で固めている。政策決定の急所を押さえているわけです」(全国紙政治部記者)
一方で、麻生氏が描くシナリオは、自民党内の数固めだけにとどまらない。その視線の先にある「次の一手」が、国民民主党との連立再交渉だ。
「水面下では、麻生氏、自民党の『金庫番』こと元宿仁事務総長、そして国民民主の榛葉賀津也幹事長の3人による極秘会談が行われています。
妹が皇室に嫁いだ麻生氏は、今国会中の皇室典範の改正に並々ならぬ思いがある。それには、参議院で不足する『5議席』がどうしても必要です。さらに、年度またぎとなった今回の予算審議でも参院の重要性を痛感したようです。
そこで自維に国民民主を加えた連立枠組みで政権基盤を盤石にしようと、玉木雄一郎代表との接近を試みています」(前出・政治部デスク)
しかし、高市総理は周囲に「玉木は信用できない」と吐き捨てるなど、国民民主とは距離を置いている。
「自分の頭越しに進む連立工作に、高市総理は疑心暗鬼に陥っているようです」(同前)
同じ釜の飯を食いながらも、腹の内はてんでバラバラ。「一致結束」と書かれた弁当箱の蓋を開ければ、そこにあるのは冷え切った残飯ばかり―となりそうだ。
「週刊現代」2026年5月25日号より
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