山本太郎代表

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 れいわ新選組で浮上している「秘書給与詐取疑惑」の捜査はどうなっているのか。党内では「山本太郎代表よりもヤバい前国会議員がいる」と囁かれている。(前後編の後編)
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【写真】「山本太郎よりもヤバい」と党内で言われている前国会議員が「美人議員」と呼ばれていた頃

「上納」は罪に問われるのか

 いまれいわで問題視されている「秘書給与詐取疑惑」は2つある。一つは組織的に行われていた公設秘書枠の党への“上納”。これは前編で伝えた通り、多ケ谷亮前衆院議員が3月12日発売の週刊新潮に告発したことで発覚した。

 多ケ谷氏は、れいわの所属国会議員は当選すると、党から党職員を名義だけ秘書として登録させるよう求められる慣行があったと証言。秘書の“吐き出し”に協力した議員には政党交付金の分配を増額する「キックバック制度」があったことも明かした。

山本太郎代表

「山本代表から頼まれて第一秘書に雇った党の会計責任者A氏が、私の事務所に出勤したのは、任期中の3年間、ならせば年に数日くらいでした。たまに給与明細を取りに寄る程度で、秘書としての勤務実態はゼロです。A氏は党事務所に勤務し、党の仕事に専念していました」
(多ケ谷氏)

 国は議員活動をサポートするために公設秘書に給与を支払っているのであり、党務のためではない。公設秘書としての勤務実態がなかったならば、れいわは組織的に秘書給与を国から騙し取っていたことになり、詐欺罪に問われる可能性がある。

多ケ谷亮前衆院議員

“幽霊秘書”は中国人相手の生活支援会社の経営者

 党はこの疑惑を完全否定している。党のスポークスマンを務める高井崇志副幹事長は、慣行があったこと自体は認めているが、議員活動と党務は不可分であり、公設秘書が議員会館に出勤していなかったとしても違う場所で議員活動に必要な仕事をしていたので詐取には当たらないとーー、という弁明を繰り返してきた。

 もう一つの疑惑は櫛渕万里前衆院議員個人に関するものだ。これは4月21日、デイリー新潮の報道で明らかになった。

 櫛渕氏はX氏という元中国籍の男性を22 年8月から 25 年9月まで公設第二秘書として雇っていたが、複数の櫛渕事務所関係者や地元関係者が「国会でも地元でも滅多に見かけない、“幽霊秘書”だった」と証言したのである。

 しかも、X氏はこの間、“本業”として企業を経営していた。来日する中国人向けに、就労や留学のサポートや住まいの紹介、日本人との縁組などを支援する会社である。X氏は櫛渕氏の夫である中国人男性のビジネスパートナーだった。

 櫛渕氏はデイリー新潮の取材に〈秘書としての勤務実態はあり、指摘されるような事実は一切ありません。秘書給与が事務所に還流されていることもありません〉と回答。だが、これまで会見などの場で具体的な反論は一切していない。

 この2つのルートについて、東京地検特捜部と警視庁捜査2課が水面下で捜査に入っていると言われているのだ。進捗はどうなっているのか。

警視庁が櫛渕氏に「強い関心」

「いずれもまだ下調べの段階であり、立件するかどうかは全く見えていません。ただ、警視庁は櫛渕氏の事案に強い関心を持っている。というのも、櫛渕氏のケースはこれまでに立件されてきた辻元清美氏や広瀬めぐみ氏のケース同様、構図が単純明快だからです。一方、組織で行っていたとされる上納ルートの場合、秘書たちは議員活動のサポートをしていなかったとしても、党務という政治関連業務に従事していた実態がある。党務と秘書業務の線引きは難しく、立件のハードルは櫛渕氏に比べるとはるかに高い」(社会部記者)

 党内でも「櫛渕氏は厳しいのでは」と言われているという。党関係者は次のように打ち明ける。

「櫛渕事務所にいた政策秘書は現在、山本譲司衆院議員の公設秘書として勤務しています。党はその元政策秘書を通して、X氏に勤務実態が怪しい状態だったことをすでに把握。櫛渕氏は守れないと判断しているのです。だからこそ、高井副幹事長は記者会見で櫛渕氏の問題を問われ、『政治家個人が釈明すべきこと』と突き放すようなことを述べた」(党関係者)

 とはいえ、「上納ルート」はセーフ、とたかを括っているわけでもないという。

「もしこっちでやられるとしたら、ターゲットは山本代表になる。その場合は“政治弾圧”として徹底抗戦する構えです。一方、反執行部で固まっている地方議員たちは上納ルートの進展に期待をかけている。もし山本代表が捜査を受けるような展開になれば、体制を転覆させるチャンスが到来するからです」(同)

 多ケ谷氏は「最大の問題は誰も説明責任を果たそうとしないところです」と指摘する。

「いまだ山本代表も大石晃子共同代表も、記者会見に出てきて、自ら説明しようとしていません。自分たちがそうだから当然、櫛渕さんに対しても求められない。彼らは左翼特有の“謝ったら死ぬ病”にかかっている」(多ケ谷氏)

 前編【なぜ「れいわ」は市議選を6連敗するほど凋落したのか 山本太郎代表を追い込んだ“大石晃子氏の暴走”と“切り捨てられた男からの倍返し”】では、地方選挙で6連敗するほどれいわ支持が落ち込んだ理由について報じている。

デイリー新潮編集部