高校の国語科目、異例の短期再編へ…2022年度新設の「論理国語」「文学国語」を廃止
2032年度以降に高校で実施予定の次期学習指導要領を巡り、文部科学省は11日、国語の再編案を、中央教育審議会(文科相の諮問機関)の専門部会に示した。
22年度から始まった現行の指導要領で新設した「論理国語」「文学国語」などを廃止し、評論や小説など多様な題材で学べる科目構成に刷新する内容だ。
再編案は専門部会での検討を経て今年夏頃に固まる見通し。新設科目が直後の指導要領改定で廃止されるのは異例だが、理系志望の生徒を中心に文学を題材とした学びが不足するなど、偏りが指摘されていた。
現行指導要領で、国語は論理的・実用的文章を扱う「現代の国語」と、小説や古典などを題材にする「言語文化」の二つが必修科目だ。選択科目は「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の四つとなっている。実社会で使う国語力を高める狙いで「論理」と「文学」を分けて指導する改革が行われたが、高校現場からは「多様な文章に触れる機会が減った」などの声が上がっていた。
また、文科省の推計では25年度、高校生の9割が古典探究、8割が論理国語を履修した一方、文学国語は5割、国語表現は2割だった。大学入試で出題されることが多い古文や評論文への対応が主な理由とみられ、「文学離れ」が懸念されていた。
再編案では、論理国語と国語表現の基礎的内容を統合し、実社会で使える言語能力の育成を目指す「現代の国語2」と、文学国語と古典探究を合わせて、深く共感したり、豊かに想像したりする力を育む「言語文化2」の二つを選択科目として設ける。
必修科目の「現代の国語I」とともに、現代の国語2では評論や論説文を中心としつつ、科目の趣旨に合えば、小説なども教科書で扱えるようにする。
このほか、さらに学習を深めたい生徒向けの選択科目として、四つの発展科目を置く。
文科省幹部は「AI(人工知能)時代に、人間ならではの感性や、論理的・説得的に表現し対話する力の育成がいっそう重要になる」としている。
◆学習指導要領=小中高校などで教える内容について国が定めた基準。約10年に1回改定され、授業や教科書の基になる。次期指導要領は中央教育審議会の答申後、小中は2026年度、高校は27年度に改定される見込み。移行期間を経て、小学校は30年度、中学校は31年度から実施される予定だ。
