【オリ番リポート】吉田輝星の復活を支えた助っ人たちとのもう一つの“トミー・ジョン界隈”
オリックス・吉田輝星投手(25)の復活を支えた、もう一つの“トミー・ジョン界隈(かいわい)”を知るきっかけがあった。5月2日の日本ハム戦(エスコン)で、術後最速の148キロを計測して1回1安打無失点。投球もさることながら、降板後のベンチで先発・エスピノーザと通訳を介さずに談笑する光景が印象に残った。
「エスピも分かる言葉は日本語で話してくれて、僕も分かる単語は英語でしゃべって。(英語も)日常会話ぐらいだったら聞くことはできる。お互い母国語じゃない方でしゃべれるように頑張ってます」
中学時代は5教科の試験で計400点を切ったことがないといい、「僕、意外と頭いいんですよ。英語は得意なんです」といたずらっぽく笑みを浮かべる。そんな優等生と助っ人右腕には、舞洲でのリハビリ中に築かれた絆があった。
吉田が受けた手術は従来のトミー・ジョン手術と違い、自身の体から移植したじん帯を人工のじん帯でさらに補強するハイブリッド型のもの。アメリカで主流となっている術式で、過去に2度受けたエスピノーザだけでなく、マチャド、ペルドモも過去に同じ手術を受けた経緯があった。
「日本だとトミー・ジョン手術を受けた人にはいたわって、一定の距離感を保つみたいな(雰囲気がある)。海外の人にとっては“よくやった”みたいな、ポジティブなものとして捉えているらしいので。ペル(ドモ)さんもマチャ(ド)もエスピ(ノーザ)も、みんなアドバイスくれて。そういう話をしている内に仲良くなって、結構しゃべりました。実際にやった人しか分からないことがあるので」
ここまで4登板で3ホールド、防御率0・00。宇田川、小木田、東山、前、河内といった“日本人界隈”だけでなく、“助っ人界隈”にも支えられ、進化への道筋を歩む。「緊張は元からしないんですけど、それよりも一歩引いて試合に入れている。気持ちは熱いですけど、グラウンドの外から試合を見ているぐらいの視野で、野球ができている。リハビリでメンタルが強くなったのかもしれないです。普通に試合勘を忘れているだけかも分からないですけど(笑い)」。その口ぶりからも、充実の様子が見て取れた。 (阪井 日向)
