KNB北日本放送

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県内ではおとといからきょうにかけて、海に近いエリアでクマの出没や被害が相次ぎました。クマの生態に詳しい専門家は「海と山が川や丘陵でつながる富山の地形の特性を念頭に平野部でもクマ対策が必要」と話しています。

県内ではおとといの夜、富山市北部の海に近いエリアで女性がクマに襲われてけがをしました。またけさは、滑川市の川の河口に近い河川敷付近でクマが目撃されました。いずれも富山湾に近い平野部です。

県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「(県東部は)山際から海岸までずいぶん近いんですよね距離が。10キロあるかないかというところ。そうするとあっという間に海岸に出て、クマが人里へ出たら一気に移動してしまう地域の特性があると思います。今回のところも上市川、白岩川、もう少し西へ行くと常願寺川が注いでいる地域ですよね。上流から何かのきっかけで下流へ向かってきた(クマ)が、あっという間に人家が集合している海岸近くまで出てしまうっていうリスクがある」

県自然博物園ねいの里の赤座久明さんは、けさ滑川市で目撃情報があったクマは上市川など「川沿いを伝って下りてきたのではないか」と指摘します。実際きのう午前には、きょうの目撃現場から5キロほど川の上流にあたる上市町放士ケ瀬でクマの足跡が見つかっています。

またおととい富山市森で女性にけがをさせたクマについて、赤座さんは「呉羽丘陵を伝って来た可能性」を指摘します。

県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「去年のブナ、ミズナラの不作でですね、上流から降りてきたクマが呉羽丘陵伝いに、ずっと八ケ山の方まで森続きですよね。そこを伝ってくるルートも一つ考えられるんじゃないかなと思います。現に婦中町の河原町で人身被害があったりして、いつになく婦中町の西側のクマの気配って多かったですよね。だから一つその大きな流れがどんどん下流域までルートができたと。昭和28年(1953)にやっぱり大量出没があった年がありましてね。当時の国鉄ですよね、そこのトンネル付近でクマが実際には目撃されています。ですからあの呉羽丘陵のグリーンベルトというのは、移動ルートとしては大きいんじゃないかなと思ってますね」

赤座さんは、平野部へのクマ出没を防ぐために「クマの隠れ場所になるやぶの刈り取りなどを進めるべきだ」と指摘します。

県自然博物園ねいの里 赤座久明さん
「人口の多い、家屋の多いところに入られると、被害が大きくなって長引くので、山間部から平野を通って海にそそぐ途中の大小の河川の河川敷をきれいにするというのが(クマの)移動ルートを断つという意味で大事だと思います」
「河川敷の管理だとか、それからその河川敷の付け根にあたる上流域の里山の整備が大事だと思うんですね。(クマが)出てしまってからではなかなか対応が難しいです」