初めて見た景色も成長の糧に。柏DF山之内佑成は複数ポジションで奮闘「日々の練習から常に思考を止めずに」
この一戦に右WBでスタメン出場した山之内佑成は、対峙した相手の左SB橋本健人の背後を突いて度々フリーになるも、思うように好機に絡めず。しかし後半途中からは左WBや左CBでもプレーするなど、ユーティリティ性を見せた。
チームは3連勝からの4連敗を喫したものの、この大卒ルーキーがここ数試合で大きな存在感を放っている。
それでも持ち前の攻撃センスと強度を武器にチームに勢いをもたらした。1−1に追いつく原動力となり、チームもPK戦の末に勝利。その後の3試合では右CBで先発出場した。
高校時代は左CB、大学時代は左SBを務め、柏の特別指定選手だった昨季からは右WBにも挑戦している山之内。今季もキャンプではWBを務めていたために3バックの右での経験はなかったが、ポジショニングやどこを意識しているか、原田からも話を聞きながら自分なりに表現した。
そんな山之内の推進力には原田も「前に刺せる動きは佑成の特徴ですし、自分も見習わなければいけないなと思います」と一目置く。
また、アウェーでの第11節・水戸ホーリーホック(0−2)戦ではCBで途中出場するも、久保藤次郎が退場となったことで右WBに回り、数的不利なチーム状況でも冷静に適応してみせた。
続く第12節の鹿島アントラーズ戦(0−1)では、右WBで出場すると、相手ゴール前へ積極的に顔出しながら、ポケットを取る動きも増加した。得点を奪えずに試合後は悔しさを滲ませたが、決定機を作り出すなど突出したパフォーマンスを披露した。
昨季からWBで経験を積むなかで、一度CBを務めたことによって「センターバックをやって見える景色が変わって、ここでどうしたらいいかなども気づけました」と視界を広げて得られた知見もあった。
中央へと入っていくタイミング、原田との連係も日に日に良さを増している。これは普段のトレーニングで先輩たちのプレーを参考にしながら、自分に落とし込めている証拠だ。
「日々の練習から常に思考を止めないで、いろいろな選手のプレーを見ながら勉強して吸収できるように取り組んでいます。それが少しずつできているのかなと思います」
リカルド・ロドリゲス監督も山之内の複数ポジションでの貢献を「さまざまなポジションでプレーし、試合を重ねるごとに成長してくれています」と高く評価。ゴールまであと少しというところまで来ている。指揮官はあくまでも「壁にぶつかっているわけではありません。もっと成長できる伸び代です」と捉えている。
直近のFC東京戦でもいい動きは見せていたが、あと一歩が足りない。それでも高強度と豊富な運動量に加えて、複数のポジションをこなして経験を積んでいる。次戦は2試合出場停止だった右WBの久保藤次郎が復帰する。簡単にスタメンの座を明け渡すわけにはいかない。柏で確固たる地位を築くためにアピールを続けていく。
文●藤井圭(サッカーライター)
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