韓国・ユン前大統領、逮捕妨害などの容疑で懲役7年も楽観的?宣告受けてコメント「失望しないでほしい」

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韓国尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に対する逮捕妨害および国務委員の審議権侵害の容疑に関して、控訴審で一審より重い懲役7年が言い渡された。

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ソウル高裁・刑事1部(ユン・ソンシク部長判事)は4月29日、尹前大統領の特殊公務執行妨害、職権濫用権利行使妨害などの容疑に関する控訴審において、懲役5年を言い渡した原審を破棄し、懲役7年を言い渡した。

この日、裁判部は一審の有罪判断の大部分を認めるとともに、海外メディアに対する虚偽の広報(職権濫用)の容疑と、国務委員であるパク・サンウ前国土交通部長官、アン・ドックン前産業通商資源部長官に対する審議権侵害についても、原審の判決を覆して有罪と判断した。

裁判部は、海外メディアに対する虚偽の広報に関連して「非常戒厳の宣布過程で犯した自らの過ちを隠蔽しようとしたもの」とし、「非常戒厳宣布の適法性に関する誤った情報を海外メディアに提供することで、国際社会における大韓民国の信認度はもちろん、国民の知る権利にも否定的な影響を及ぼしかねない行為だ」と指摘した。

続いて、2024年12月3日の非常戒厳当時、パク前国土交通部長官とアン前産業通商資源部長官ら国務委員2名が招集通知を受けたものの、国務会議の時間までに到着できなかったことについて、「国務会議の招集通知は、すべての国務委員が出席できるよう十分な時間的余裕を持って行われるべきであるにもかかわらず、国務委員2名に対しては現実的に到着が困難な時間に招集通知が行われた」とし、「彼らは実際に国務会議の終了時まで大統領室に到着できず、審議権が侵害された」と説明した。

そのうえで、「審議権侵害に関連する職権濫用権利行使の犯行、および非常戒厳宣布の手続き的瑕疵の隠蔽のための事後の副署に関連する犯行は、こうした手続きに違反したものであり、それ自体が憲法違反に該当する」とし、「違法の程度が大きく、責任は重い」と述べた。

また裁判部は、逮捕妨害の容疑について原審の有罪判決を認め、「公捜処検事らによる令状執行が違法な公務執行とは言えず、警護処所属の公務員らに有形力(物理的な力)を行使させてこれを阻止させたことは、特殊公務執行妨害罪に該当する」とし、「職権を濫用して彼らに義務のないことを行わせ、被告人に対する逮捕を困難にして犯人隠避を教唆したことにも該当する」と説明した。

裁判部はまた、戒厳解除後に虚偽の宣布文を作成し、これを破棄した容疑についても一審と同様に有罪と判断した。ただし、該当の文書を実際に隠匿・行使した容疑については、一審と同様に無罪を維持した。

さらに裁判部は、「犯行当時、現職の大統領として憲法を遵守し、国民の自由と権利を増進するために重い責任を負っていたにもかかわらず、本事件により社会的混乱を加速させるなど、大統領としての責務を見捨てた」と厳しく批判した。

尹錫悦前大統領(写真=共同取材団)

今回の判決は、今年2月にソウル高裁に内乱専門裁判部が設置されて以来出された最初の判断であり、尹前大統領が受けている8つの刑事裁判のうち、控訴審として最初の宣告でもある。

尹前大統領は、国務委員の戒厳審議・議決権侵害、戒厳宣布文の事後作成・破棄、非常戒厳後の虚偽の広報、秘話フォン (盗聴防止機能付き電話)の記録削除指示、逮捕状執行の阻止の5つの容疑で起訴され、一審で懲役5年を言い渡されていた。

一審当時、裁判部は海外メディアに対する虚偽の広報(職権濫用)の容疑と、国土交通部・産業通商資源部長官に対する審議権侵害の一部などは、犯罪の証明が不十分であるという理由で無罪と判決していた。

内乱特別検事チーム(チョ・ウンソク特別検事)は、今月6日の控訴審結審公判で、尹前大統領に対し一審の求刑量と同じ懲役10年を求刑していた。

一方、尹前大統領側は判決に対して上告する意向を示した。尹前大統領の弁護団はこの日の判決直後、「納得できないため上告する」とし、「法理的に争える部分は最高裁にて激しく争う」と述べた。

弁護団は「まったく同じ事実関係で、李在明大統領や民主党の人々に対しても同じ判決を下せるのか自問してみるべきだ」とし、宣告直後に尹前大統領が「あまり失望しないでほしい」と述べたことも伝えた。

(記事提供=時事ジャーナル)