三浦璃来と木原龍一

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 フィギュアスケートのペア「りくりゅう」こと三浦璃来(24)と木原龍一(33)が引退した。今後は指導者となり、後進の育成を目指す。だが、ついこの前まで“ペア不毛の地”と言われていた日本では、高い壁が立ちはだかっているそうだ。

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りくりゅうコーチ

 二人がSNSを通じて連名で引退を発表したのは、4月17日の朝だった。同日、赤坂御苑で午後から開かれた園遊会にそろって出席すると、天皇皇后両陛下との対面を果たした。

 木原は直後の囲み取材で、記者から「園遊会の前に引退発表をしようという気持ちがあったのか」と質問され、こう答えた。

三浦璃来木原龍一

「はい。その思いはございました。陛下に自分たちが考えていることをお伝えしたかったので」

 引退後の目標については、

「ゆくゆくは二人で指導者になれるように、さまざまなことを勉強したい」

 と、いわば「りくりゅうコーチ」を目指す意志がある旨を明かした。

 スポーツ紙のフィギュア担当記者によれば、

「二人は2019年8月にペアを結成してから、ミラノ・コルティナ五輪で金メダルを獲得するまでの間、カナダで練習を続けてきました。もっとも、今後は日本に活動拠点を移す考えだといいます」

 差し当たっては、所属先の木下グループが主催するアイスショーへの出演を重ねながら、コーチングを学ぶとみられるが、

「男女が体を密着させて滑るペアは、シャイな日本人にはなじみにくく、競技人口が少ないという壁が立ちはだかります。日本が強化に乗り出したのは、14年のソチ五輪でフィギュアの団体戦が始まってからのことで、以前は五輪の出場自体が難しい時期が長かった。りくりゅうの活躍でやっと脚光を浴びるようになりましたが、いまだマイナーな競技です」(同)

スケートリンク不足

 なにより選手の育成に不可欠なスケートリンク自体が足りていない。日本スケート連盟のHPには全国138カ所のリンクが掲載されているが、通年使用が可能な施設は31カ所。その多くは一般客に開放しており、アスリートが練習できる時間は限られている。

「浅田真央さん(35)ですら若い頃、深夜3時から練習をしなくてはならないことがあり、10代の一時期をアメリカで過ごしたほどです。フィギュアは複数の選手が一度に氷上に出ることができず、待ち時間も長い。りくりゅうコーチをもってしても、まだまだ少数派のペア競技が、どれだけリンクを使わせてもらえるかは未知数ですね」(前出の記者)

 とはいえ、19年には京都府宇治市に「木下アカデミー京都アイスアリーナ」が、24年には東京都立川市に浅田氏がプロデュースした「マオリンク」が開業。徐々に選手育成を目的とするリンクもできてきた。木下グループの木下直哉代表(60)が、りくりゅうのために新規で三つ目のアカデミーを設立する計画があることも公言している。

「粘り強い二人だから」

 木原が三浦とペアを組む前、アルバイトをしていた名古屋市のリンク「邦和みなとスポーツ&カルチャー」で同僚だった飯岡裕輔氏(34)はこう言う。

「男女が並んでペアの指導者を務める例は世界的に見ても少なく、特に日本においては聞いたことがありません。でも、粘り強い二人だから、きっと成功を収めてくれるはず。木原さんは引退発表後、すぐにLINEの返信をくれるような律儀な方。優し過ぎるのがちょっとだけ不安ですけど、そこはしっかり者の三浦さんが上手にフォローしてくれるでしょう」

 りくりゅうは今月末までに会見を開き、今後について発表するという。さて、どんなサプライズが飛び出すことやら。

「週刊新潮」2026年4月30日号 掲載