日本に金を密輸する“素人中国人”の末路…タタキグループに襲われても「警察に駆け込めない」ワケ
◆事件で注目を集めた金の密輸ビジネス
一方、事件によって注目を集めたのが金の密輸ビジネスだ。在日台湾人である密輸組織の関係者はそのシノギについてこう語る。
「本来、日本へ金の輸入を行う場合は10%の消費税が発生する。しかし、密輸したゴールドを日本国内の業者に売れば、上乗せされているはずの消費税分がそのまま利益となるんです」
1月には1gあたり3万248円と過去最高を記録した金の取引価格。以降は下降傾向にあったものの、4月に発表されたイラン有事の停戦合意により再び2万6000円台まで上昇を続けている。
「金相場に関しては米ドル不安から今年末の時点で1gあたり3万円台まで復調すると指摘する予測も出ており、長期での保有資産として需要が増す可能性が高いでしょうね」(全国紙経済部記者)
◆香港マフィアたちの“闇の商売”
その人気に便乗するように、水面下で行われているのが密輸ビジネスだ。金は世界的な取引所となる香港から日本へと運ばれるケースが多く、古くから香港マフィアたちの“闇の商売”として活用されてきた。しかし、現在は反社会的組織だけの仕事ではなくなってきている。
「大規模密輸は今でも香港マフィアたちのシノギとなっているが、中国本土でもこの利ざやビジネスが広まり、手口をマネる連中が急増。現に密輸した金の買い取りを我々に持ちかけてくる連中も多い」(前出・密輸組織関係者)
なかには、日本国内で正業を持ちながらバイト感覚で密輸に精を出す中国人もいる。
「その正体は、日本の中華街に店舗を持つ飲食店や、物産店の一部のオーナーたち。彼らの間で金の密輸は副業として浸透しており、中国から取り寄せる食材や調味料、雑貨などの段ボール箱内に金を忍ばせ、無事に届けば店舗裏で保管します。一回で運べる量は少々ですが、回数をこなすことで量を増やしている。ゴールドが数キロ単位になれば業者に持ち込み、買い取り交渉を始めるんです」(同)
◆セコい密輸中国人vsタタキ組織
仕入れついでの密輸で小遣い稼ぎに躍起となる中国人オーナーたち。一方、インバウンドの陰に紛れ込み、個人で金を持ち込む中国人旅行者たちもいる。
「建前は観光目的ですが、実際には税関への申告なしで金を持ち込み、日本で売りさばこうと考える一般の中国人も増えています。密輸するのは金のネックレスや指輪、ピアスなどのありとあらゆる装飾品。小さいものは自分で身に着け、大物は厚底にした靴の中や二重構造に細工したトランクに忍ばせるんです。税関も大規模な密輸でなければ、わざわざ呼び止めるケースも少ない。なかには家族や親族にまで協力してもらい、運んでいる中国人もいます。また手口は同じですが、ダイヤモンドの密輸も横行していますよ」(同)
隙間を縫うようにしてゴールド、ダイヤで儲ける一部の中国人たち。だが、そんなビジネスが熱を帯びるのと比例するように増加しているのがタタキ(強盗)グループだ。
