●来期減益予想で東宝の株価が下落中

 日本3大映画メジャーの一角である東宝の株価下落が続いている。大ヒット作が続き、2026年2月期の純利益が19.4%の大幅増益となった同社の株価が、なぜ下落しているのか。下落の理由と今期の業績見通しを展望する。

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●今期減益見通しの理由は?

 決算短信で発表された2027年2月期の業績予想は、営業収入3,450億円(前年同期比4.3%減)、営業利益620億円(同8.7%減)、経常利益670億円(同4.5%減)、純利益410億円(同20.8%減)と減収減益の見込みとなっている。

 これは前期に『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』や実写興行収入の最高記録を塗り変えた『国宝』の2大メガヒットがあったため、その反動減を見込んでいるものと思われる。

●『ゴジラマイナスゼロ』公開で起死回生狙う

今期の上映ラインアップで期待されているのが、『ゴジラマイナスゼロ』(『ゴジラ-0.0』)である。同作は、第96回アカデミー賞の視覚効果賞を受賞した前作『ゴジラマイナスワン』(『ゴジラ-1.0』)の続編で、前作の出来が素晴らしかっただけに、映画ファンの期待も高まっている。

 すでに公開日も2026年11月3日と決まっており、今回はIMAXで上映される予定という。『国宝』には及ばないまでも、かなりの興行収入が期待できそうだ。

●東宝の株価指標と株主優待

 東宝の株価指標も確認しておこう。27日の株価終値1,436円で換算したPERは29.40倍(会社予想)、PBRは2.34倍(実績)とやや割高で、配当利回りも1.53%(会社予想)とやや低い。株価指標的には魅力的な水準とはいえないだろう。

 それでも同社の株価が比較的底堅いのは、映画招待券贈呈の株主優待があるためだ。100株保有で年間2枚、500株保有で年間5枚、1,000株保有で年間7枚招待券を受け取れる。招待券が目的であれば自動的に長期保有になるので、株主優待が株価の安定にも寄与している。

●保守的予想で上振れの可能性も

 減益予想で株価が下落基調の東宝だが、元々保守的な業績予想を立てる傾向があり、最終利益は上振れる可能性がある。

 『ゴジラマイナスゼロ』のメガヒットに期待して、安値で買っておくのも手堅い投資になりそうだ。