【深層レポート】日本バレーボール協会が不祥事連発、巨大スポンサーが撤退 女子有力選手が協会のミスで五輪出場叶わず、川合俊一会長は講演料収入を巡る疑惑…ガバナンス不全状態に
国内で250万人以上の競技人口を誇るバレーボール。世界を舞台に活躍する選手の台頭で、その裾野はかつてない広がりを見せるが、好事魔多し──中核組織に相次ぐ不祥事とその余波。日本バレーボール協会でいま、何が起きているのか──。
【写真を見る】講演料や番組出演料に関する疑惑が生じた川合会長
日本国籍を取得したのにパリ五輪に出場できなかった
「昨年からの相次ぐ問題で揺れる日本バレーボール協会(JVA)ですが、今年度から、長年バレー界を支え続けてくれたビッグスポンサーが離れてしまいました。代表選手の強化だけでなく、アマチュアの大会にも影響が出かねない、由々しき事態なのです」(JVA関係者)
高橋藍(24才)や石川祐希(30才)など、世界を舞台に活躍する男子選手の牽引でかつてない人気を博す日本バレー界。代表チームの実力以外にも、ファンを魅了する要因があるという。
「石川選手も高橋選手も世界的なプレーヤーですが、そのイケメンぶりはバレーだけでなく、アスリートの中でもトップクラス。両者ともにインスタグラムのフォロワー数は200万人を超えます。
高橋選手がイタリアのリーグでプレーしていた頃には、現地の遠征先にまで日本人の追っかけファンが大挙し、国内外で話題となりました。男子代表は2024年のパリ五輪の直前に世界ランク2位となり、メダルの期待が膨らみましたが、残念ながら7位という結果で涙をのみました」(スポーツライター)
活況を呈するバレー界を統括し、強化する組織がJVAだ。しかし、そんな日本バレーの総本山が、昨年来、相次ぐ"不祥事"に直面している。直近で話題となったのが3月に報じられた"偽造文書"問題だ。
「女子の有力選手の日本国籍取得を巡り、過去にJVAの元幹部が実態とは異なる内容の上申書を作成し、国に提出していたことが発覚したのです。この"偽造文書"の問題は昨年6月に表面化し、第三者委員会での検証の結果、『案として検討されたものの、実際には提出されなかった』と結論づけられていた。しかし約9か月後に、文書が存在し、国に提出までされていた"新事実"が発覚したのです」(前出・スポーツライター)
協会の不手際はこれだけではない。
「最終的にこの有力選手は2024年6月に日本国籍を取得。しかし、今度はJVAが国際連盟の規定変更を見落とし、必要な申請を行わなかったため、代表資格のない状態に陥り、結局パリ五輪への出場は叶いませんでした。
彼女は世界的な有望選手で、パリ五輪に出場していれば、日本代表のメダル獲得の可能性が大いに高まったといわれています。彼女は日本人男性と結婚しており、日本代表入りを望んでいたのに、それをJVAのケアレスミスでふいにしてしまったのです」(前出・JVA関係者)
こうした報道に対し、JVAの川合俊一会長は、会見で「ん?という感じ」と述べるなどどこか人ごとで、報道したこと自体が悪いとすら言いたげな様子を見せていた。そんな川合会長自身も昨年末、ある疑惑が報じられている。
「『週刊文春』が川合会長の講演料収入に関する疑惑を報じたのです。記事では、川合会長のタレント業とJVAの会長としての活動が実務上混在しており、JVAとして受諾すべき案件も個人のタレント業としてビジネスになっているような曖昧さが存在すると指摘されていました。
川合会長は現役引退後、タレントに転身。歌番組で巨体を揺らしてアニソンを熱唱するなど、明るいキャラクターでお茶の間の人気者となりました。会長の知名度とトップ選手の存在感を武器に、バレー界のさらなる発展を期待する声も多かったのですが……。組織のガバナンス不全を指摘される場面が目立っています」(別のJVA関係者)
川合会長の講演料や番組出演料に関する疑惑
こうした事態を重く見たとされるのが、スポンサー企業だ。一連の不祥事発覚後、スポンサー離れが起きているという。
「離れたのは通販大手の『ジャパネットホールディングス』。長年、バレー界の振興に貢献し、2011年から冬の風物詩でもある春高バレーのメインスポンサーを務めています。2019年からはJVAにも協賛し、ANAや大同生命、MUFGなどと並ぶオフィシャルパートナーとして、年間数千万円の資金を提供してくれる巨大スポンサーでした。
また、JVAと関係が深く、選手強化の資金を提供していた企業も、ここ1〜2年で撤退したとか。ビーチバレーのスポンサーの中にも、協賛を降りることを検討している社があると聞いています。こうしたスポンサー離れが連鎖すれば、高橋選手や石川選手ら現役アスリートへも影響を及ぼしかねません」(前出・JVA関係者)
ジャパネットホールディングスにスポンサー撤退の経緯や再開の可能性について尋ねると、次のように回答した。
「2026年3月末をもって、日本バレーボール協会とのスポンサー契約が満了したことは事実です。試合中のテレビショッピング放映との相乗効果を狙って協賛を続けてまいりましたが、当社の限られたリソースをより直接的に地域やお客様に還元するための経営判断です。協会との良好な協力関係は維持しており、一方的に支援を打ち切るものではございません。
現時点で再開の具体的な計画はなく、再開の条件に関しましても当社から提示するものはございません。ステークホルダーの皆様に対して、『スポンサーとしての価値』を最大化できるかどうかを、本協賛に限らず、今後も総合的に判断してまいります」
一方、JVAは相次ぐ不祥事やスポンサー離れについての見解をこう述べた。
「当協会では、再発防止策として、文書管理体制の見直しを目的に『文書管理規程』を制定、『印章取扱規程』を改訂したほか、『ガバナンス委員会』を設置し、ガバナンス体制強化を進めております。
スポンサー各社様には、ガバナンス体制の強化に向けた取り組みについて、既に当協会から説明を行っております。現時点で、そのような(スポンサードの見直しを検討する)声はいただいておりません。ジャパネットホールディングス様につきましては報道されている事案を受けてのご判断では無いと伺っております」
さらに川合会長に関する報道については、こう説明。
「当協会では、『JVA役職者としての活動ガイドライン』を策定し、業務がJVAの役職に関連するものか否かに応じて、対応を適切に切り分けるルールを整備・運用しています。なお、川合個人に依頼のあった講演に関しては、すべて個人事務所の取り扱いとなっております」
前出のJVA関係者が続ける。
「3月の理事会で川合会長の講演料や番組出演料は、会長の事務所とJVAが95%対5%の割合で折半することになったそうです。とはいえ、公益財団法人の会長だからこそ来る依頼もあるわけで……。果たして妥当な配分なのでしょうか」
人気絶頂の一方で、ガバナンス体制の構築については、過渡期を迎えているともいえるバレー界。看板選手たちの活躍に水を差す事態だけは避けたいところだ。
※女性セブン2026年5月7・14日号
