日本政府がメキシコに原油輸出の拡大要請 「国全体で必要な量は確保できている」と強調
ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長引き、日本にとってはエネルギーの調達多角化が喫緊の課題となるなか、21日にメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領が記者会見で、日本政府から原油輸出の拡大要請を受けたと明らかにし、前向きに検討する考えを示した。
高市早苗首相は同日、石油が豊富なメキシコのシェインバウム大統領、液化天然ガス(LNG)を産出するカタールのタミム首長とそれぞれ電話協議した。シェインバウム氏は、過去にも余剰の原油を日本に輸出したことがあると述べていたが、メキシコは近年、原油生産量が低下。どれくらいの輸出量になるかは不透明だが、「Statistical Review of World Energy」によれば2025年現在、59億180万バレルの石油確認埋蔵量を保有しており、世界21位、世界の総石油埋蔵量1兆7651億5156万8000バレルの約0.33%を占めている。
メキシコは、年間消費量の8.7倍に相当する確認埋蔵量を有しており(2024年のデータに基づく)、純輸出がない場合、あと約9年分の石油が残っていることを意味するとしている(2024年の消費レベルで、未確認埋蔵量を除く)。
シェインバウム氏は、高市氏と電話会談で両国間の貿易拡大について協議したほか、環境問題での協力を深めることを提案したと説明した。
2月28日に発生した米国とイスラエルによるイランへの軍事作戦について当初、米・トランプ大統領は4~5週間を示唆し、数日で終戦を迎えると言われていた。だが、イランへの攻撃は1カ月半が過ぎても終わりは見えない状況。中東情勢の不安定化を受け、一部の業界で原油由来の原料・製品の不足による影響が出始めている。政府は石油備蓄の放出や代替調達を進め「国全体で必要な量は確保できている」と強調するばかりだが、情勢が長引ければ、メキシコの輸出に頼ってもいつかは底を突くだろう。
そんななかイランは22日、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡で船舶2隻を拿捕(だほ)し、同海峡に対する支配を強めた。トランプ米大統領は前日、イランとの停戦を無期限に延長すると表明したものの、和平協議が再開する兆しは見られていない。果たして紛争はいつまで続くのか。まだ先を読むのは難しい状況だ。
