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 集中治療室(ICU)に入院する患者が48時間以内に急変するかどうかを予測する人工知能(AI)を、大阪市の医療ベンチャーが開発した。

 開発に協力した関西医科大総合医療センター(大阪府守口市)が今月から初導入しており、容体が安定した患者を一般病棟に移す際の判断に活用。ICUの適正運営に役立てて、救命率の向上を目指す。

 重篤患者を24時間体制で受け入れるICUでは、限られた病床を効率的に運用するために、容体が安定したと医師が判断した患者は一般病棟に移される。

 しかし、その後急変して再びICUに入り、回復せずに死亡するケースがあることから、関西医大と医療ベンチャー「MeDiCU(メディキュー)」は2024年、急変リスクを予測できるシステム作りに着手。ICUを持つ全国の病院から集めた約20万人分の患者データを基に、48時間以内にICUに再入室したり、死亡したりする確率を算出できるAIを開発した。

 予測に必要なデータは患者の脈拍や血圧、血液検査のデータなどで、昨年8月から同大総合医療センターで実証運用したところ、診療ガイドラインに基づく重症度の判定よりも高い精度で、リスク予測ができることを確認した。

 今月1日から、同センターのICUや救命救急センターなど計77床で本格運用を始め、医師の判断を支援。他の病院にも順次、導入を進める。

 同大の中森靖教授(救急医学)は「経験だけでの判断は難しく、救命率を1%でも上げることに寄与してくれれば」と期待。医師でもある同社の木下喬弘(たかひろ)社長は「これからの救急医療の基礎システムにしていきたい」と話した。