トランプ米大統領=AP

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 【ワシントン=池田慶太、イスラマバード=溝田拓士】米国のトランプ大統領は21日、イランとの停戦を延長するとSNSで表明した。

 仲介国パキスタンから攻撃を控えるよう要請されたとしている。新たな期日は明示していない。日本時間23日午前の停戦期限を控えて米イランの再協議が見通せない中、戦闘再開による緊張のエスカレートはひとまず回避された。

 トランプ氏はこの日、バンス副大統領、ルビオ国務長官、ヘグセス国防長官らとホワイトハウスで対応を協議した。その後、SNSへの投稿で、イラン政府が内部対立で「深刻に分裂」していると主張。「イランから統一された提案が提出され、何らかの協議の結論が出るまで」停戦を延長するとした。

 また、米軍に対し、イランを出入りする船舶を対象とした海上封鎖を継続し、即応態勢を維持するよう指示した。別の投稿では、「いかなる船舶もイランに入港することは許されない」と主張した。

 米イランは今月7日に2週間の停戦で合意した。トランプ氏は発表に先立つ21日朝の米CNBCのインタビューで、停戦を延長せず、期限後の戦闘再開を明言したばかりで、対応が注目されていた。

 米代表団を率いてパキスタンでの米イランの協議に参加するはずだったバンス氏は、21日に予定されていた出発を見送り、首都ワシントンにとどまった。ホワイトハウスはその後、記者団に訪問中止を発表した。

 パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は22日にSNSで、トランプ氏の停戦延長表明に謝意を示し、米イランの双方に停戦の順守を求めた。ただし、イランは現時点では停戦延長に応じる構えを見せていない。

 米国との初協議でイラン代表団を率いたモハンマドバゲル・ガリバフ国会議長の戦略担当顧問は、「停戦延長は意味がない」とSNSで主張。「奇襲攻撃のための時間稼ぎの手段」とも表現して不信感を示した。イラン軍中央司令部報道官も「有能で強力な軍がかねて100%準備できている」と述べ、戦闘再開も辞さない考えを示した。

 これに先立ち、イランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」に近いタスニム通信は21日、イラン政府がパキスタンを通じ米側に対し、イスラマバードで想定されていた再協議に参加しないと通告したと報じた。米国の海上封鎖やレバノンでのイスラエル軍の停戦違反に加え、米側に「多くの過度な要求」を取り下げる姿勢がないためだという。

 米主要ニュースサイト・アクシオスは、事情を知るイスラエル筋の話として、イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師が22日にも米国との再協議への対応を決め、イラン代表団に指示を出す見込みと報じた。米側が停戦延長を発表したのは、イランの反応を待つ狙いもあったと伝えた。

 イランとの停戦延長に関するトランプ米大統領のSNSへの投稿は以下の通り。

 イラン政府の深刻な分裂という事実に基づき、また、パキスタンのアシム・ムニール陸軍元帥、シャバズ・シャリフ首相の要請を受け、イランの指導者や代表者たちが統一された提案をまとめることができるまでイランへの攻撃を停止するよう求められていた。そのため、私は我々の軍に対し、封鎖を継続し、その他の点では軍の準備と能力を維持するよう指示した。このため、彼らの提案が提出され、何らかの形で議論の結論が出るまで停戦を延長する。