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秋から春にかけて凛とした花をつけ、古くから人々を魅了してきたツバキ。約半世紀にわたり、その新たな品種を生み出してきた男性が、石川県野々市市にいます。ツバキに魅了されたその思いとは…

陽光のもとに映える鮮やかな色彩。

幾重にも連なり、複雑かつ繊細な花びら。

和を象徴する花の一つ、ツバキです。

石川県野々市市では、50年以上前からツバキを”市の花”に制定していて、市を縦断する通りの名前にも”つばき”の文字がありました。

塩田卓さん、御年85歳。ツバキを愛し、育て、研究すること半世紀以上。

自宅の庭には、数えきれないほどのツバキの木が植えられています。

ツバキ愛好家・塩田 卓 さん:
「(Q. 何本ぐらいありますか?) 数えたことがありません」

途方もない時間を生育にかけてきた塩田さん。

その原点は、遠い昔に出会った”幻のツバキ”の存在でした。

ツバキ愛好家・塩田 卓 さん:
「隣の庭、そこに五色に咲き分ける本当にきれいなツバキがあったんですよ。白のところが透けるようなきれいなツバキでしたよ。あれを探しているんだけど…ないんだな」

塩田さんが品種改良を続けてきた結果、日本ツバキ協会からこれまで5品種が、新たな品種として認定されました。

薄紅色に白い斑(ふ)と呼ばれるまだら模様が特徴の八重咲のツバキ「赤母衣var(あかほろ・バリエゲーテッド)」。

2024年に登録されたこのツバキは、金沢の初夏の風物詩「金沢百万石まつり」の赤母衣衆の色をイメージして名づけられました。

ツバキ愛好家・塩田 卓 さん:
「白く入るのはツバキのウイルスの斑ですけれども、あれを入れのに私は簡単に入ったけれど、ツバキの学者さんに言わすと「お前、ようそんなことできたな」と。普通、なかなかうつってくれないんだって。ツバキの相性ちゅうもんがあるんかね?」

長く向きあってきた塩田さんですら「説明できない」こともあり、それもまたツバキの魅力だと言います。

ツバキ愛好家・塩田 卓 さん:
「同じ品種を掛け(合わせ)たんです。だけども、これだけいろいろと花が変わっていくわけですね。(Q. 色が違う?形が違う?) 形もみんな違う。雑種の雑種の雑種…と複雑怪奇です。要は、親は何の遺伝子を持っているのか分かりませんからね。だから、そこがまた面白い」

塩田さんが愛情を注いているのは、ツバキだけではありません。

2019年に新種認定を受けた「冨美」と名付けたツバキ。

実はこの名前は、塩田さんにとって大切な人への愛が込められていました。

塩田 卓・冨美子 夫妻:
妻:「知らんかったね。後でわかった」
夫:「事前了解は…」
妻:「ないね。私の名前を付けた理由…」
夫:「だって、その…いいな~って思って。嫁に来てくれて本当にこの家のよくなったところです」
Q. ここまで言ってますが…
妻:「恥ずかしい。恥ずかしい」

ツバキ愛好家・塩田 卓 さん:
「(Q. これからも続けていく?) できればそうしたいですね。なかなかね、思うように育ってくれないものですよ。簡単に出来たら面白くないわな」

大切なツバキ、そして大切な家族。

塩田さんは、これからも変わらない”愛”を注ぎ続けます。