1079psと111.9kg-mを生むV8PHEV搭載 アストン マーティン・ヴァルハラ(1) 同社初の量産ミド四駆 999台限定もまだ空きあり
アストン初の量産ミド四輪スーパーカー
アストン マーティン・ヴァルハラが、遂に完成した。生産は999台に制限され、既に200台ほどが納車済みだという。まだ空きはあるようだから、85万ポンド(約1億7850万円)を準備できるご希望者は、ディーラーを訪ねてみてはいかがだろう。
【画像】未だかつてなく紛れもない ヴァルハラ 競合の849テスタロッサとレヴエルト ヴァルキリーも 全148枚
ヴァルハラは、同社初の量産ミドシップ・スーパーカー。ヴァルキリーの息子として2019年に構想は生まれたが、複雑な四輪駆動技術で一筋縄では行かなかった。

アストン マーティン・ヴァルハラ(英国仕様)
タブシャシーはカーボンファイバー製で、その前後にアルミニウム製サブフレームが組まれる構造の2シーター。プラグイン・ハイブリッドで、メルセデスAMG由来の4.0L V8エンジンは、GTのブラックシリーズ用がベースとなる。
このユニットは、現在はアストン マーティンだけが量産車に登用している。2基のツインスクロールターボには、より大径なコンプレッサーが組まれ、内部構造や吸排気系も独自設計。単に買い付けて、流用しているわけではない。
システムトータルで1079psと111.9kg-m
203psの電気モーターは、専用開発された8速ATの横へマウント。偶数のギアを駆動するシャフトへ、接続されているという。エンジンとATの間ではユニットの長さが伸び、敏捷性に影響が出ると判断され、ギアを備える必要もあり、横側が選ばれたとか。
この電気モーターは、低域でトルクを補完し、トータルでの最高出力を引き上げ、燃費改善にも貢献している。変速時のレブマッチ機能も担う。説明を聞いたが、これだけの機能を偶数側のギアシャフトだけで実行できる理由を、筆者は理解できなかった。

アストン マーティン・ヴァルハラ(英国仕様)
とにかく、V8エンジンだけでも840psという驚異的なパワーは、後輪へ伝えられる。電子制御リミテッドスリップ・デフを介して。リバースギアはなく、バックはフロントに積まれた163psの駆動用モーター2基が担う。EVモード時は、前輪駆動となる。
システムトータルでの最高出力は1079psで、最大トルクは111.9kg-m。サスペンションには、ビルシュタイン社のDTXアダプティブダンパーが組まれ、タイヤは前が285/30 ZR20、後ろが335/35 ZR21と充分に太い。
想像より乗降性が良いカーボン・モノコック
ライバルは、価格は大きく違うが、フェラーリ 849テスタロッサやF80、ランボルギーニ・レヴエルトなど。ミドシップの強豪へ直接的に伍することへ、アストン マーティンは満足しているのではないだろうか。
今のところ、ヴァルハラの購入希望者の半数以上は、新規顧客だとか。ビジネス的に、新たなユーザーの獲得は重要といえる。販売価格の上昇も。

アストン マーティン・ヴァルハラ(英国仕様)
ドアは斜め上方へ大きく開く。ルーフ後方にはエアスクープがあり、V8エンジン上部のインタークーラーへ冷気を送る。キャビンには、背もたれが固定されたバケットシート。開口部が大きく、想像より乗降性は良い。
ボディはカーボン製で、伸びやかに後方へ曲線を描き、後端には巨大なアクティブウィング。前側にもアクティブエアロが備わるが、アンダーボディで普段は見えない。
レーシーな雰囲気のキャビンに低い着座位置
着座位置は非常に低いが、それを叶えているのは、サスペンション・スプリングとダンパーが水平にマウントされ、プッシュロッドで伸縮するため。縦方向に組むより高さを抑えられ、ダッシュボードの位置も下げられる。
レターボックス状のフロントガラスは面積が広く、ホイールアーチの上端が両サイドの視界にかかり、ボディの感覚は掴みやすい。両足は高めの位置へ伸ばし、カーボン製パネルが各部に露出し、レーシーな雰囲気にある。

アストン マーティン・ヴァルハラ(英国仕様)
メーターはモニター式。ステアリングホイールは、もう少し真円に近い方が筆者は良いと思う。物理スイッチの数も限られる。それでも、人間工学的なデザインは悪くなく、居心地は良い。
849 テスタロッサやレヴエルトは、フロントのボンネット下にそれなりの収納があるが、ヴァルハラにはない。流石に、スーパーカーでも多少の荷物置き場は必要だろう。
気になる走りの印象とスペックは、アストン マーティン・ヴァルハラ(2)にて。
