使い方、間違ってない⁈ えごま油・亜麻仁油の調理でやってはいけないこととは

オメガ3系脂肪酸を含む油を健康目的で取り入れている方が、うっかりやってしまいがちなのが加熱調理への使用です。発煙点の低さや、加熱による有害物質の生成リスクなど、なぜ加熱調理に適さないのかを科学的な根拠をもとに説明します。非加熱での使用を習慣化するための考え方も合わせてお伝えします。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)

帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

保有免許・資格
管理栄養士資格

加熱調理に使用してはいけない理由

オメガ3系脂肪酸を含む油を健康のために取り入れる際、やってはいけないことの筆頭が加熱調理です。加熱によって酸化が急速に進み、有益な成分が失われるだけでなく、有害な物質が生成されるリスクがあります。

発煙点の低さと酸化の加速

えごま油や亜麻仁油の発煙点(油が煙を出し始める温度)は、約100℃から170℃程度とされており、一般的な調理油と比較してかなり低い水準です。炒め物や揚げ物では、フライパンや鍋の温度が180℃から200℃以上に達することが多く、オメガ3系脂肪酸を含む油はこの温度帯で急速に酸化が進みます。

加熱によって生成される過酸化物やアルデヒド類は、常温での自然酸化よりもはるかに多量かつ急速に生成されます。加熱時間が長くなるほど、また温度が高くなるほど、有害な酸化生成物の量は増加します。そのため、オメガ3系脂肪酸を含む油は、加熱を伴う調理には適さず、生のまま摂取することが原則です。

有害な酸化物質の生成リスク

長時間の不適切な高温加熱では、油の性質が変化して健康を害する物質が生成されるリスクがあります。

オメガ3系脂肪酸を加熱すると、本来期待される抗炎症作用や血中脂質改善効果が失われ、むしろ健康に悪影響を及ぼす物質に変質してしまう可能性があります。サラダのドレッシングやスムージーに混ぜるなど、非加熱での使用方法を選択することが、オメガ3系脂肪酸の恩恵を最大限に受けるための鉄則です。

まとめ

オメガ3系脂肪酸を豊富に含むえごま油や亜麻仁油は、適切に管理すれば健康維持に大きく貢献する食品です。しかし、その特性を理解せずに扱うと、酸化が進み品質が低下する可能性があります。加熱調理を避け、冷蔵・遮光保存を徹底し、開封後は早めに使い切ることが、オメガ3系脂肪酸の恩恵を最大限に受けるための基本です。日々の食生活に取り入れる際には、少量ずつ新鮮なものを購入し、保存と使用のルールを守ることで、安全かつ効果的に健康をサポートできます。不安な点があれば、管理栄養士や医師に相談し、個々の健康状態に合った摂取方法を確認することをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

農林水産省「食用植物油脂 」