【地上波ドラマの限界】″高額制作費×大規模ロケ″で奮闘するも「Netflixには敵わない」理由

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多額の制作費をかけることのデメリット

今秋放送の連続ドラマ『俺たちの箱根駅伝』(日本テレビ系)が、2月から全国で大規模ロケを行っている。

「2月16〜20日に岡山市、21〜27日は広島市、3月4〜5日は静岡県三島市の市街地で交通規制を行い、数百人単位のエキストラを動員して撮影しました。実際の箱根駅伝のコースでも大規模ロケを行っています」(芸能プロ関係者)

今年夏クールに放送予定と報じられている『VIVANT』(TBS系)の続編も岐阜県内で大規模ロケを敢行するなど、スポンサー離れでテレビ局の制作費が削減されるなか、多額の制作費をかけた大型ドラマが増加しつつある。

「ゴールデン帯のドラマはテレビ局にとって、ショーケースのような存在。ドラマがヒットすれば、局全体のスポンサーも増えるので、最近はどこの局も1〜2クールにつき1作品はおカネをかけるドラマを制作する傾向にありますね」(キー局プロデューサー)

人気ドラマの撮影地をファンが巡る″聖地巡礼″が定着。観光客増に繋がるとあって、官民連携でロケを誘致する自治体も増えてきた。

「東京都内で大規模ロケを行うのは難しいですが、ロケに協力的な地方都市だと道路封鎖などの申請やエキストラの手配も自治体が運営するフィルムコミッションがしてくれます。宿泊費や食費の一部まで負担してくれる自治体もありますし、作品のプロモーションにも積極的。局側は迫力ある映像が撮れるし、自治体は下手な広告を打つより安く観光客誘致に繋げられる。まさにWIN−WINですよ」(制作会社ディレクター)

NHK朝ドラ『ばけばけ』の舞台になった島根県松江市は「1年間で80億円の経済効果が見込める」と地元の山陰合同銀行が試算を発表している。

もちろん、メリットばかりではない。民放ドラマはボランティアのエキストラに頼っている状況で、「地方なら芸能人珍しさで何とかなるが、東京近郊だとエキストラの確保がかなり大変」と前出のプロデューサーは嘆く。

「人気アイドルや人気俳優の出演作ならファンがたくさん応募してきますが、実力派だけどそこまで人気はない俳優の主演作だとボランティアのエキストラは集まらないので、劇団などに頼らざるを得ない。セリフがない役でも一人あたり数千円払わないといけないので、多数のエキストラが必要な作品は難しくなります」

テレビマンからは「地上波のドラマで大規模ロケを無理にやる必要はない」との声が上がっている。

「例えばスポーツものの作品で観客役として大人数のエキストラを集めた場合、地上波の作品だと″声を出して応援してください!″といった簡単な指示しか出せないんですよ。参加者からは度々″どんなシーンかもわからないまま撮影が終わった″と不満が噴出しています。

これがNetflix作品になると資金も時間もかけて撮るから、エキストラにも細かくシーンの説明がある。一体感が醸成されます。無償のボランティアでエキストラを賄っているから″そんなに多くは求められない″という考えになるんでしょうけど、それでは本当に迫力のある作品は撮れない」(芸能事務所幹部)

かけたカネと時間が質を生むのである。

『FRIDAY』2026年3月27・4月3日合併号より