映像という「動かぬ証拠」を前に、女性の嘘は無残にも崩れ去りました。スマホを見ながら歩いていた浜坂さんにも注意不足はあったものの、横断歩道上での歩行者妨害、そして前方不注意は、言い逃れのできないドライバー側の過失です。

◆大号泣するも時既に遅し

 真実が明らかになった瞬間、女性ドライバーの態度は180度変化しました。しかし、それは反省の態度というよりは、あまりにも身勝手な「パニック」でした。

「突然、その場に泣き崩れたんです。『私、絶対前を見ていましたから!』『わざとじゃないんです!』って、子供みたいに大号泣し始めて。さっきまでの攻撃的な態度はどこへ行ったんだと、周囲の人たちも呆れ返っていましたよ」

 人通りの多い街角で、大人が声を上げて泣きじゃくる異様な光景。しばらくして浜坂さんの通報を受けた警察官が現場に到着しましたが、女性は警察官に対しても涙ながらに支離滅裂な弁解を繰り返していたそうです。

「結局、警察官の方も困惑していましたけど、動画の証拠があったので話は早かったです。彼女はそのまま交通違反の切符を切られ、厳重に注意を受けていました。僕のスマホも弁償してもらうことになりましたし、最後はスカッとしましたね」

 浜坂さんはそう言って、新しいスマホを手に再びデリバリーの仕事へと戻っていきました。一方、あの女性ドライバーは、警察官に促されながらも最後まで肩を震わせていたといいます。自分の嘘に溺れ、自業自得の結末を迎えた女性。その涙に同情する者は、現場には一人もいませんでした。

<TEXT/八木正規>

【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営