『リブート』©TBS

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 新章に入り、怒涛の展開を見せる日曜劇場『リブート』(TBS系)。第7話では、マチ(上野鈴華)の死が描かれ、早瀬(鈴木亮平)が冬橋(永瀬廉)とともに一香(戸田恵梨香)の行方を追う。

参考:鈴木亮平、蒔田彩珠&中川大輔と3ショット 『リブート』第8話は「謎の8割が明らかに」

 脚本を担当する黒岩勉は、今作について3年越しの構想だったと明かす。「打ち合わせから含めると3年くらいかかっていると思います。全体構成はある程度決めていましたけど、役者さんが(鈴木)亮平さんと戸田恵梨香さんに決まってからは早かったですね」。東仲恵吾プロデューサーも「打ち合わせでは、監督陣やプロデューサー、APも含めて読ませていただき、フィードバックさせてもらっています」と言い、綿密なキャッチボールを経て台本ができ上がった。

●「正義と悪」の境界線で揺れ動くキャラクターたち

 『リブート』の登場人物について、黒岩は「いまの世の中は、どっちが正義でどっちが悪か曖昧な世界になっていますよね、と東仲さんと話していて。今作では、悪い人も含めて全員に信念があるんです。それは自分の中の正義なんですけど、観る人の視点によって正義と悪は変わってしまうことを描きたかったんです。その中で、それぞれが信念を持っていることがわかる人物像にしました」とキャラクターに込めた意図を解説した。

 その中で彼が特に気に入っているのは冬橋だ。「冬橋なんかは面白いですよね。彼はトー横の世界観をリサーチする中で生まれたキャラクターです。法律上はワルなんだけど、見方によっては正義でもあったりするという、グレーのところで生きている象徴的な存在」と分析。東仲も「冬橋の正義みたいなことで言うと、やっぱり彼自身はNPO法人『しぇるたー』のメンバーで、身寄りがなくて行き場を失った子どもたちを守っている。そのためにお金が必要なんです」と補足した。

 さらに東仲は「いまってお金で大変な人が多いじゃないですか。その中で、稼ぐために身を粉にしているのが冬橋だと思うんです。一方で正義感もあって、自分がやっていることをいいことだとは思っていないんですよ。早瀬みたいに、家族のために命を捧げる主人公と接することで、現実と理想の狭間で冬橋の心が揺れ動きます。冬橋自身が最後にどういう結論を出すかが、今後の大きな見どころになります」と注目ポイントを挙げた。

●徹底したリサーチが支える裏社会のリアリティ

 念入りな取材に裏づけられた今作。別人になり代わるリブートシーン以外にも「徹底的にリアルを追求しようとリサーチを重ねました」と黒岩は語る。

 「マネーロンダリングや裏社会の膨大な資料を読みながら、ここ最近起きている事件や新聞や雑誌の記事、本に目を通す中で、マネーロンダリングがさかんに行われ、市場規模がとんでもなく大きいことに驚きました。実際に捕まったグループや“トー横のハウル”もモデルにしています」と実在の事件からヒントを得ている。

 裏社会のリアリティについては、ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏が監修に入っている。黒岩いわく「脚本のアイデアを作ったところで、ゴンザレスさんにも入っていただきました。手の縛り方や殺害方法、盗聴の防ぎ方まで、東仲さんを通して細かいところまで全部チェックしていただきました」と協力を仰いだ。

 なかには仰天するような事実もあったという。東仲は「ここでは言えないようなネタも持っていらっしゃって。そんなわけないだろうと思うことでも、裏社会ではリアルだったりするんですよね。合六(北村有起哉)のたたずまいや会食はけっこうリアリティがありますし、なるべく作品に落とし込みました」と細部に魂を込めたことを明かした。

●ドラマが発信する「同時代性」としての警鐘

 裏で冬橋や一香が手を引く“闇バイト”について、黒岩は「闇バイトはすごい問題になっていて、こんなに恐ろしいことになるんだよとか、こういう手口で雇われて、最後はこういう結末になるんだよというリアリティを持たせているので、警鐘になれば」と言い、「第3話まではアニメーションも使いながら特に細かくやったんです。視聴者にエンタメを通して現実の世界や組織犯罪について知ってもらうことも、ドラマの命題としてあるような気がしています」と同時代性を意識したと語った。

 東仲も「警察も組織犯罪に力を入れていますよね。冬橋みたいな人間を描くことで、少なからず、こういうことはやりたくないと思うようになるんじゃないかと。そういう意味で、今のタイミングとしてはいいのかなと思っています」と、2026年という時代に本作を世に送り出す意義を強調した。

(文=石河コウヘイ)