バンコクタワマン投資は今が買い時?「利回り6%保証」の甘い話に潜む罠と成功のための出口戦略
結局のところ、バンコクのタワマンは現時点で買いなのかどうか。
◆不動産のプロに訊いたバンコク不動産投資でやっていいこと・悪いこと
バンコクやタイ東部のリゾート地パタヤなどで不動産売買に長く携わっている西尾靖氏に話を伺った。西尾氏は日本でサラリーマン大家になり脱サラ。2009年にASEANの不動産視察で魅力を感じ、そのまま海外不動産エージェントになった。海外不動産販売実績は実に1000ユニット以上となる。
西尾氏は「不動産投資はとにかく安く買って、運用を考え、最後にどう売るかです」という。バンコク不動産投資も賃貸に出して利益を得る「インカムゲイン」と、不動産を売却して差額で利益を得る「キャピタルゲイン」が中心になる。安く買って、家賃収入でキャッシュインしていれば、原価が下がっていくことと同じ。
西尾氏は「まず安く買い、ランニングしている間に『出口』をどうするか決めればいい。この出口を考えて買っていない人が意外と多くて」という。スタート時点で失敗をする外国人投資家は少なくないようだ。
外国人がタイの不動産を購入する場合、土地そのものは購入できないので分譲タワマンを買うことになる。それも日本などからの外貨送金でキャッシュ一括が原則だ。ローンが組めないので、安い物件だとしてもそれなりの額を一気に支払うというリスクが伴う。
「不動産は『個』と『環境』です。個は建物のクオリティであったり、部屋の内装、管理状態。それがすごく重要です」
個が最高でもそれが離島にあったり、砂漠のど真ん中だったら意味がない。つまり、「不動産は環境も買うものです」という。たとえば、駅近で日本人向けサービスが多い地域、パタヤのビーチフロントなどだ。西尾氏の経験では「ビーチの目のまえの物件は、どこの国に行っても価値があまり下がらない」。結局この2つを照らしあわせ、その物件が相応な価値があるかどうかを判断し、安いのかどうか、買いなのかどうか、その出口をどうするかを考えることがバンコク不動産投資の基本なのだ。
「不動産は買ったら活用方法は3つしかない。『売る』『貸す』『住む』しかない。もし絶対負けない不動産投資というなら、自分が住めばいいのです。自分が住みたいと思う物件を買うのがベストだと思います」
西尾氏曰く「自分が住みたいものは最悪自分が住めばいい。自分が住みたい物件はきっと借りたい人、買いたい人もいます」。それが西尾氏の持論である。
◆本当にあった日本人の不動産詐欺被害
バンコクの不動産投資が難しいのは価格だけではない。ほかにもいろいろな要因がある。それは日本でも同じで、適当に買うのではなくしっかりとした勉強が必要だ。
たとえばインカムゲインがどれくらいになるのか。タイ・メディアの記事ではバンコクでの賃貸収益は平均利回り4〜6%といったところ。西尾氏も「ざっくり、バンコクの利回りは5%が全般的になっていると思う」という。
「デベロッパーがプレビルドの段階(着工まえから分譲販売すること)で利回り6%を3年間保証と宣伝することもあります。こういうのは、利回りつけないと売れない物件だ、ということを認識したほうがいいです」
と西尾氏。実際にそれで成功する投資もあるが、結局は甘い話には気をつけろということ。
「パンデミック以前から日本でバンコクの物件販売会をしていることもあります。日本の銀座とかでね。先ほどのビーチフロントじゃないですが、いい物件はそこまでしなくても客が来ますよ。例外はありますが、わざわざ海外で販売会をしている物件もまた、そこまでコストをかけないと売れない物件ということを認識したほうがいいです」
