福島・白河ラーメンの厳選3軒、「ご当地ラーメン2代目王者」の実力を現地で味わい尽くす!
前回は福島県が誇るご当地グルメ、日本三大ラーメンに数えられる「喜多方ラーメン」を取り上げました。福島にはもう一つ、全国的に有名なラーメンがあります。2024年の第2回「日本ご当地ラーメン総選挙」で見事に優勝した「白河ラーメン」です。福島のラーメン文化、恐るべし。麺やチャーシューへのこだわりもハンパない「白河ラーメン」。今日は厳選した3店をご紹介したいと思います。
白河ラーメンの雄、『とら食堂』 さすがの実力はビジュアルの美しさにも
では早速ご紹介します。喜多方ラーメンの代名詞が『坂内食堂』とすれば、白河ラーメンの顔と言えばやっぱり『とら食堂(白河市)』です。白河ラーメンの特徴は、多加水の幅広縮れ麺にあり、喜多方ラーメン以上によくスープが絡みます。スープは伝統的に澄んだ醤油味が特徴で、喜多方ラーメンに比べると醤油の風味がやや強め。縁の赤い昔ながらのチャーシューを使う店も多いと言われています。
「とら食堂」は、白河ラーメン発祥の流れを汲むお店で、JR東北新幹線「新白河駅」から車で20分ほどの場所にあります。駐車場は約50台。お昼時はそれでも行列覚悟の大人気店です。

とら食堂
いただいたのは定番中の定番「手打ち中華そば」です。まずはその姿が美しい。白河ラーメンの特徴である赤い縁のチャーシューが琥珀色のスープの中で輝いています。チャーシューは3種類ありますが(バラ・肩ロース・モモのようです)、どれも柔らかくて旨い。スッキリしながら旨味もしっかり感じられるスープと縮れ麺との相性も抜群です。さすが老舗の味、もう一杯いけそうです(笑)。

とら食堂(手打ち中華そば)
白河ラーメンと喜多方ラーメンの共通点は、まさに「毎日でも食べたくなるラーメン」と言えるでしょう。どちらも醤油味を中心に優しい味わいが特徴で、飽きることがありません。その代表が「坂内食堂」と「とら食堂」。個人的には日替わりで毎日食べたいくらいです。ちなみに、白河と喜多方は車で片道2時間ほどかかります。ラーメンファンの方は是非トライしてみてください!
さて、「とら食堂」含め、個人的に「白河ラーメン四天王」と呼んでいるお店があります。『手打中華 英(はなぶさ)』、『火風鼎(かふうてい)』、『手打中華 すずき』です。どのお店も超がつく名店なのですが、新白河駅からは距離があり、車がもっとも便利な交通手段です。となるとビールは飲めない。そこで、白河ラーメンにビールを合わせたい方のために、新白河駅から徒歩圏にある穴場の2店をご紹介します。
ラーメン以外も充実の『菜華軒』、「おつまみ三点盛り」が絶句の旨さ
最初に『菜華軒(白河市)』です。同店はラーメン店というよりは外観や品ぞろえが「町中華」に近く、餃子はもちろん、麻婆豆腐、エビチリまでいろいろな料理が楽しめます。だからか、家族連れを中心にいつも行列が絶えない人気店です。

菜華軒
まずはお目当てのビール、そして「三点盛り」を注文しました。赤い縁のチャーシューとコリコリのメンマ、半熟の玉子。そしてビール。旨すぎて、言葉になりません。

菜華軒(三点盛り)
当店は町中華らしく、セット料理もあります。次にいただいたのは半ワンタン麺と半中華丼の「ハーフセット」。ハーフとは言えどちらもボリュームたっぷり。ワンタン麺は町中華とは思えない正統派の白河ラーメンで、人気店なのもうなずけます。

菜華軒(ハーフセット)
白河ラーメンのお店は、お昼だけの営業も多い中、同店は夜もやっているので使い勝手も抜群です。東北旅行の帰りに、ふらり新白河駅で下車し暖簾をくぐってはいかがでしょうか。
ハーフサイズが食べ比べに嬉しい『月の家』、山形の名店を思わせる味噌ラーメンも
続いてのお店はこれも駅に近い『月の家(つきのや、白河市)』です。同店の推しポイントは、もちろんビールが飲めること、味噌ラーメンが美味しいと評判なこと、そして各ラーメンにハーフがあること、です。

月の家
メニューを見た瞬間、評判の味噌ラーメンはもちろん、醤油ラーメンも食べることに決めました。もちろんどちらもハーフ。そんなに頻繁には来られない白河です。両方食べてしまいましょう。まずいただいたのは「みそらーめん」。白河ラーメンの味噌は初めて食べましたが、噂どおり旨い。しっかりとコクのあるみそ味に独特のちぢれ麺がよく絡みます。驚いたのは「辛みそ」が乗っていること。これはまるで、ラーメン王国・山形を象徴する名店『龍上海(山形県南陽市)』の辛みそラーメンではありませんか!!食べて納得。個人的感想ですが、「龍上海」へのオマージュを感じ、とても美味しかったです。

月の家(みそらーめん)
さぁ、もう1杯いただきます。醤油味の「らーめん」は味噌に比べれば、極めてあっさり。2杯目でもサクっと食べることができました。いやー、満腹。ご馳走様でした。

月の家(らーめん)
新幹線「新白河駅」の近くにありビールも楽しめる、白河ラーメンの名店2軒をご紹介しました。
東京にも人気店『アサガキタ』、ビールのお通しには嬉しい一品が
最後に、東京にある白河ラーメンのお店をご紹介します。阿佐ヶ谷にある「アサガキタ」です。店主は、白河の名店「やたべ」で修業されたようです。屋号の由来はお店の住所が「阿佐谷北」なので「アサガヤキタ」を縮めて「アサガキタ」となり、店名につながったとか。また、同店はすべて手作業のようですので、朝早くから仕込みをされてるのでしょう。素敵な店名ですね。

アサガキタ
ビールを頼むとお通しも出てきます。白河ラーメン特有の赤い縁のチャーシューを刻んだもので、嬉しい心遣いにビールも進みます。

アサガキタ(ビールとお通し)
続いていただいた「手打ち醤油並」はもちろん一級品。ラーメンの名店が凌ぎあう中央線沿線にあって大変人気なもの納得です。ぜひ皆さまもお立ち寄りください。

アサガキタ(醤油並)
2週にわたり、福島ラーメンの両横綱をご紹介しました。喜多方と白河、日本ラーメン界きっての良きライバルではないでしょうか。
さて、喜多方は「蔵の町」と前回ご紹介しました。では白河は!?個人的には「ウインズの町」と思っています。多くは大都市にあるウインズ(JRA日本中央競馬会の場外馬券場)ですが、全国には「なんでここに?」なウインズが何か所かあります(笑、山梨県笛吹市の温泉地にある「ウインズ石和」など)。「ウインズ新白河」もその一つで、なんかモヤモヤします。

ウインズ新白河
そこで思い切ってJRAに聞いてみたところ、特に理由はないものの「地域への貢献や経営上の判断」とのことでした。特ダネは聞き出せませんでしたが(笑)、スッキリしたらお腹が空いてきました。今日はラーメンを食べて帰ろうと思います。
文・写真/十朱伸吾
おとなの週末Web専属ライター。全国のご当地グルメを求めて40年余。2013年には、“47都道府県食べ歩き”を達成した。訪れた飲食店は1万軒をゆうに超える。旅と食とお酒をこよなく愛するオプチミスト。特にビールには一家言あり。競馬と写真とゴルフも趣味。週1の自転車ツーリングとサウナでダイエットにも成功した。好きな言葉は「発想力は移動時間に比例する」。
