冷えた胃腸に効く! 薬膳の知恵「温中散寒」で整える食材と食べ方とは【眠れなくなるほど面白い 図解 胃と腸の話】

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下痢が止まらない、食欲がない……冷えた胃と腸を温めたいときの食材

「温中散寒」で消化器系の冷えを取る

胃は熱をもちやすい臓器ですが、冷えやすい臓器でもあります。とくに「胃寒タイプ」の人は、普段から意識して胃を温める食材選びを心がけたいものです。

よく知られたところでは唐辛子やわさび、山椒などの香辛料があります。また、胃が冷えやすい人は風邪をひきやすいので、予防の観点からはにらやしそ、しょうがなどもおすすめです。逆に避けたいのは、胃寒の原因となる苦味成分豊富な食材。たけのこやゴーヤなどは控えたほうが無難です。

薬膳では胃や腸(消化器系)の冷えを取り除く作用を「温中散寒」と呼びます。「温中」は消化器系を温めることをさし、「散寒」は臓器を冷やす物質をらすという意味です。どちらも胃や腸を温めるという効用は同じですが、臓器への働きかけ、アプローチの仕方に違いがあります。

温中の食材としてはこしょうや唐辛子などの香辛料のほか、にらやにんになどの薬味類が挙げられます。散寒の食材にはねぎやにらに加えて、えび、まぐろ、さけなどの魚介類がありますが、いずれも刺身ではなく鍋物など温熱調理で食べることが大切です。

飲み物なら桂花茶などいかがでしょうか。冷えの改善効果で知られるハーブティーです。お酒なら赤ワインも体をあたためるのに効果的。1日に180mlまでならヘルシーです。

消化器系の冷えを取り除く食材

しょうが

ショウガオール、ジンゲロールというしょうが特有の辛み成分が血行を促進し体を温めます。とくに加熱・乾燥させるとショウガオールの量が増え、より効果的に。

にんにく

アリシンが新陳代謝を促進し体温を上昇させます。さらに加熱するとアリシンがスコルジニンに変化し、末梢血管を拡張して血行を改善する効果が期待できます。

ねぎ

血行を促し、疲労回復改善にもつながるアリシンは、主に白い部分に含まれています。アリシンは、揮発性があるので、食べる直前に切るのがおすすめ。

にら

アリシンには血行を促進し、体を温める効果が。熱に弱いので生で食べるのが最適ですが、辛みが強いのが難点。加熱しすぎないよう。サッと火を通すのが◎。

らっきょう

薬膳でも体を温める食材として使われるらっきょうは、血行促進に効果的。酢漬けにして食べることで、酢の効果もプラスされ、血流を促す効果がさらに高まります。

香辛料

【唐辛子・わさび・山椒など】
料理などに加えることで、お腹を温めてくれます。逆にとり過ぎると胃腸を刺激するため、ほんの少しプラスするのがおすすめです。

ハーブ系

【ローリエ・シナモンなど】
ローリエの成分オイゲノールには血行促進効果があります。シナモンの成分シンナムアルデヒドは毛細血管を修復・強化し、血行を改善します。

お酒

【赤ワイン日本酒など】
ワイン日本酒は、血管を拡張させ一時的に血流を促進させる効果が期待できます。ただし飲みすぎると逆に体を冷やします。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 胃と腸の話』著:福原 真一郎