s**t kingzが切り開いたダンスカルチャーの集大成 『s**t kingz Fes 2024』2日間総括レポート
「ここには、ダンスとダンスカルチャーが好きな人しかいない」――。そう強く感じたのは7月27日、28日に横浜BUNTAIにて開催された『s**t kingz Fes 2024 ももたろう』(以下、『シッキンフェス』)だ。総勢13組のダンサーやアーティストと、約1万人の観客が集い、踊って、歌って、盛り上がりまくった2日間はまさに“お祭り”。そして、s**t kingzらしく笑顔に溢れたフェスであった。
(関連:【写真あり】シークレットゲストには郄橋海人(King & Prince)も登場! 振り付け多く手掛けるs**t kingzは桃から登場)
■DAY1(7月27日)
同フェスの軸となっているのは、童話『ももたろう』。「むかしむかし、あるところにおじいさんと、おばあさんがおりました」というストーリーからスタートしていく。おばあさんが大きな4つの桃を拾って家に持って帰ると……というところで、ステージ上には4つの桃が。その桃が割れて飛び出してきたのは、ももたろう風の衣装に身を包んだshoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人。村人に扮したももたろうダンサーズとともに華やかなダンスを披露し、いよいよ『シッキンフェス』が開幕した。あらためて自己紹介をすると、「天の声が聞こえたよね? 『ももたろうよ、鬼ヶ島に行け~い!』って」とkazuki。4人は道中仲間を集めながら鬼ヶ島に向かうことになり、旅をスタートさせたのであった。
そんななか登場したのは、MAZZEL。登場早々、「Fire」で会場の雰囲気を一気に作り上げる8人。楽曲ラストにはMVと同じくNAOYAの手から炎が出現し、観客をあっと言わせていた。続けて迫力ある「Counterattack」をパフォーマンスすると、「What's up シッキンフェス! 一発目、ぶちかましに来たぜ!」とSEITO。「CAME TO DANCE」では、タオルを振り回しながらさらに会場のボルテージを上げていく。ここでステージ上に運び込まれた椅子を使って、Oguriが振り付けを担当した「ICE feat. REIKO」へ。艶やかさのなかにも熱さが感じられるのは、MAZZELならではだろう。「Seaside Story」でクラップを巻き起こしたところで、ステージが一気に赤色の照明に包まれる。シッキンもステージに登場し、12人で「MISSION」をパフォーマンス。会場は大いに盛り上がった。MCでは、彼らのオーディション合宿にも参加していたshojiから「言ってなかったんだけど、俺らももたろうなんだわ!」と衝撃の事実が伝えられる。驚くMAZZELだったが、「もしよかったら鬼ヶ島行かない?」と渡されたきびだんごキーホルダーを受け取り、めでたく仲間に加わることに。最後は「Parade」で、さらに会場のテンションを上げてステージを後にした。
転換中、大きなLEDスクリーンには物語の続きが映し出されていく。旅の途中、リーダーのつまらない話を聞きながら焚き火をしていると、UFOが出現。「中から降りてきたのは……」でステージとリンクして登場したのは、RIEHATAとRht.。「Mystery Lady」、「come again」とバチバチにダンスをして魅了していくと、楽しそうな笑顔で「こんにちはー!」と声を出すRIEHATA。「シッキンへの愛や思い、感謝を込めて、青春メドレーをやっていいですか!」と「Like I Do」、「オリビアを聴きながら」、「少年時代」をRIEHATAが歌い、Rht.が踊っていく。スペシャルなステージに見入っていると、「踊っていいですか?」と「hard to say」へ。途中、シッキンの「MORECHAU feat. edhiii boi, Janet真夢叶(ぺろぺろきゃんでー), JIMMY(PSYCHIC FEVER)」の振りも組み込んでいるあたりはさすがだ。続けて「My Baby Remix」でタオルを振り回して、一気に“RIEHATAワールド”で染め上げていく。ここで「世のなか、大変なこと、辛いこと、たくさんありますよね。でも、人間なのでLOVEとHATE、両方あって当たり前です。私は愛を持って、このパフォーマンスですべてをハグしていきたいです」と語るRIEHATA。拍手が巻き起こると、「すべてのネガティビティは〈Blah blah blah 言わせな/Whatever〉」と明るくキュートな笑顔で言い放ち、「Whatever」をスタートさせた。途中からはシッキンも加わり、なんとも贅沢なステージを披露。こうして、ダンスの楽しさをこれでもかと伝えてくれたRIEHATAとRht.も無事、ももたろうたちの仲間に加わったのであった。
ここで「ヤバいヤバい、ヤバい!」と言いながら、ひとりステージに出てきたkazuki。何事かと思っていると、どうやら迷子になってしまったらしい。そこに犬、猿、キジをひとりで模したShow-heyが登場。息の合ったやり取りで笑いを誘うと、ふたりのYouTubeチャンネル「カズキのタネ」のオリジナルソング「ナイトゥミ」でほっこりした空気を醸成していく。Show-heyもももたろう一行に加わったところで、「いるだけで癒やしをくれる、家族みたいな人どっかにいないかなあ?」とkazuki。すると、客席に愛犬・カズーを探している“せが家”が登場した。会場内を探せども、当たり前にカズーは見つからない。そんな時、NOPPO扮するたかしが「カズーじゃないけど、かわいい生き物見つけたよ!」。すると、サプライズでガチャピン・ムックが登場した。ガチャピンとムック、せが家、カズキのタネのふたり、この全員で「歩いて帰ろう」にあわせてキュートなダンスを披露した。
着々と仲間を増やしていくももたろうたち。VTRでは、床屋に素敵な音を奏でる愉快なおじさ……お兄さんたちがおり、きびだんごを片手に近づいていく様子が流れる。ここでステージに登場したのは、在日ファンク。ジェントル久保田(Tb)が「みなさん、楽しんでますか! ここからは最高のFUNKサウンドでお楽しみいただきましょう! We are 在日ファンク!」とシャウトして「きず」でパフォーマンスをスタート。浜野謙太(Vo)が踊りまくって観客を魅了していきつつ、「細かいことはいい! 『きず』っていう歌だから、『きず』って歌ったほうがいい!」と観客の声を出させていく。さらにライブの定番「京都(Live Version)」へ。もちろん“京都&レスポンス”もバッチリ成功! 浜野も「楽しいね!」とにっこりだ。さらに、「爆弾こわい」で会場を踊らせていく在日ファンク。途中、爆弾を持ったシッキンも登場し、浜野とともに踊っていく。まだまだディープなファンクサウンドは鳴り止まない。「おすし」では、浜野とシッキンがネタ・シャリ・握りダンスを観客にレクチャー。グルーヴにノりながら会場全員でお寿司を握っていった。最後は「衝動DO feat. 在日ファンク」で恒例の「衝動ズビズバゲーム」も開催。MAZELLのSEITO、TAKUTO、Show-hey、RIEHATAも参加し、どんちゃん騒ぎ! 大盛り上がりのステージをやりきった在日ファンクも仲間に加わり、ともに鬼ヶ島を目指すこととなった。
旅の途中に偶然見つけた団子茶屋でダンスジェスチャーゲームを楽しんだ後は、店員に扮して登場したパワーパフボーイズの“ホットでブチ上げ”なステージへ。「ウチらの勝ち」で観客の心をグッと掴むと「気分上々↑↑」、「Bling-Bang-Bang-Born」でキレキレのダンスをパフォーマンス。ラストは「ツメカワイイ」。ギャルに扮したshojiとOguriも登場して、息ぴったりのダンスを披露していた。
無事、パワーパフボーイズも仲間にしたももたろうたちだったが、鬼ヶ島に向かう海上で“長いももたろう”ことNOPPOが船から転落してしまう。海に沈んでいくNOPPOを救ったのは、なんと郄橋海人(King & Prince)。シークレットゲストだったこともあり、この日いちばんの歓声を浴びながらステージ上で踊っていく郄橋。そこにNOPPOも加わり、かつて師弟関係だったふたりでシンクロダンスを披露していった。あまりの盛り上がりに「身内ってくらい盛り上がってくれますね」「え、親?」と郄橋は顔を緩ませる。
さらに、今回初めてふたりで踊ったことを受け、師匠であるNOPPOへ「やっと一緒に踊れるようになった!」と笑顔を向けていた。その後も「Tatake Narase」、「二人の間」で息の合ったダンスを見せていく。踊っている間、後ろのスクリーンにはかつてのふたりの写真が映し出されており、どことなく感動的な雰囲気が広がっていく。こうして郄橋も仲間へと加わっていったのだった。
Oguriが「このへんの海に人魚がいて、美しい歌声で通る船を沈ませるらしい」と語ると、ももたろうダンサーズ扮する人魚が出現。船が沈みかけていたが、三浦島太郎こと三浦大知がももたろうたちを助けていく。シッキンの盟友である三浦のステージの始まりだ。「能動」で最初からフルスロットルで、バチバチに歌って踊っていく三浦。途中シッキンもダンサーとして加わり、三浦は「シッキン!」という雄叫びも上げていく。そのまま、“三浦とシッキンといえば”な楽曲「Unlock」が飛び出すと、歓声がひと際大きくなる。あまりの迫力に息を呑むほどだ。ここで三浦も仲間に加わることとなり、安心して旅の先を行くももたろうたち。三浦は「まだ踊ります!」とステージを続ける。「好きなだけ」、「Pixelated World」を飛ばすと、その圧巻のパフォーマンスに拍手が鳴りやまない。三浦はシッキンへの思いを語ると、「きびだんごをもらってばかりではなく、自分も何か渡したい」と、パリオリンピックに挑むTEAM JAPAN公式応援ソングである「心拍音」を初披露。最後は「Blizzard」で存分に歌と踊りを披露し、ビッグスマイルでステージを後にした。
桃太郎たちが鬼ヶ島に到着すると、意外な事実が判明。昔、鬼ヶ島はかつてダンスクラブとして賑わっていたが鬼たちの風貌のせいで廃れてしまい、今やみんな元気がなくなってしまっているという。イケてるパフォーマンスをしてほしいという鬼の願いを叶えるためにシッキンの出番だ。「s**t kingzがやってきたぞ!」で始まったのは、「MORECHAU feat. edhiii boi, Janet真夢叶(ぺろぺろきゃんでー), JIMMY(PSYCHIC FEVER)」。続く「TRASH TALK feat. Novel Core」では、で“53ダンス”(ゴミダンス)もキマっていく。
shojiが「みんなで楽しもうぜ! まずは真似してみてよ」と、「WINNING feat. Serocee」に合わせてダンスをレクチャー。会場全員で踊ったところで、ステージにはNOPPOが。スマホのライトを点けるように言うと、会場には美しい星空のような風景が広がっていく。それを背に「Live like you're dancing feat. ZIN」がスタート。観客も演出に加わり、全員でパフォーマンスを作り上げた瞬間だった。すると、ここでこの日のために作った新曲が飛び出す。RIEHATAとコラボした「Turn Up The Love feat. RIEHATA」だ。さらに再び三浦がステージに登場して、「No End feat. 三浦大知」へ。スペシャルなステージを繰り広げていった。ラストは「Oh s**t!! feat. SKY-HI」を気合い充分にパフォーマンスし、最後には仲間たち全員が登場して「KID feat. LEO (ALI)」で大盛り上がり。まさに鬼ヶ島のダンスクラブが蘇った瞬間であった。
■DAY2(7月28日)
この日も4人のももたろうは仲間を集めながら鬼ヶ島を目指していく。最初にステージに現れたのはDa-iCE。暗転したステージでボーカルの花村想太にピンスポットが当たると、shojiが振り付けした「CITRUS」をアカペラで歌い始める。続けて大野雄大。現在、絶賛ツアー中のDa-iCE。前日も北海道でライブを開催し、22時から工藤大輝がパーソナリティを務めるラジオ番組『TALK ABOUT』(TBSラジオ)の生放送に出演していたのにもかかわらず、歌唱力の高さをしっかり見せつけ、岩岡徹、工藤、和田颯もバチバチのダンスを披露していく。「お手を拝借!」という花村の言葉で始まったのは「Clap and Clap」。この日も工藤がMPCでビートを刻み、大野がコール&レスポンスを先導していく。観客の声も出たところで、和田はフリーズ技をしっかりとキメていった。ここで「今日はシッキンさんのフェスということで、振り付けをしてもらった曲をやっていこうかな!」と花村。さらに「こんなふうにテンション上げちゃうと脱水症状にもなりやすいので、水分補給はしてくださいね。お酒はやめてくださいよ!」という聞き馴染みのある言葉が聞こえてくると、Oguriが振り付けした「ハイボールブギ」へ。「シッキンさんとは我々10年以上のお付き合いをさせていただいています。もうファミリーと思っていいですか?」と思い出を語っていくメンバーたち。工藤曰く「いちばん早い062(s**t kingzのファンクラブ名)です、我々は」とのこと。続いて「インディーの頃から大切にしている曲」として、kazuki振り付けの「もう一度だけ」、NOPPO振り付けの「TOKI」というファン人気も高い懐かしい楽曲を披露していった。
花村が「僕たちの中で曲が完成するのは振り付けが入った瞬間。シングルの時にいつも曲を完成させてくれるのはs**t kingzの皆さん」と語ると、「4人で振り付けしてくれた曲もありますよね?」と「FAKE ME FAKE ME OUT」をパフォーマンスすることに。そこにシッキンメンバーも呼び込み、特別バージョンとして9人でパフォーマンスをしていく。趣向を凝らしたフォーメーションを見せ、大盛り上がり。初めてのコラボ生パフォーマンスは大成功を収めていた。もちろんDa-iCEも鬼ヶ島を目指す仲間となり、シッキンはステージを去っていったのだが、ラストの曲は「スターマイン」である。お約束の“アレ”の時間だ。出だしの〈あぁ 一発じゃ足りないのかい〉の部分でボケを天丼していくのだが、この日はshojiとOguriが「ハイボールブギ」を歌いながら登場したり、kazukiとNOPPOが「CITRUS」を歌いながら登場したり、やりたい放題。そのままてんやわんやしながらパフォーマンスをして本人たちも会場も笑顔に包まれていった。Da-iCEの面々が自由に楽しんでいたのが微笑ましい。
最初からお祭り騒ぎとなったステージに続いて登場したのは、QUICK STYLE。「Black Moon」でかっこいいダンスをパフォーマンスすると、「Dowain Narnia」へと続いていく。曲終わり、メンバーがピースサインを掲げると、自然と観客たちもピースサインを掲げ、一体感を出していった。クールな楽曲が続いたところで、藤井 風の「きらり」を投下。シッキンも登場し、一緒に踊っていく姿を見ていると「これぞダンサーたちのコミュニケーション」なのだと感じられる。そしてラストは「Kala Chashma」。途中、シッキンメンバーがひとりずつセンターに立って踊っていくパートがあったが、QUICK STYLEの振りをリスペクトして取り入れているシーンも。全員が笑顔で踊っているのを見ていると、こちらも楽しい気持ちになってきてしまう。
そんなQUICK STYLEも仲間に加わったところで、1日目と同じくカズキのタネ、せが家、ガチャピン・ムックがパフォーマンス。その後、鍛冶屋で素敵な音を奏でるおじさん……もといお兄さんたちの映像が流れると、C&Kの登場だ。まずは「C&K Ⅸ」でブチかましていく。「かっこいい人揃いのなかで、変な2人組がやってまいりました!」とCLIEVYが語ると、「へべれけ宣言」へ。さらに「今日はパーティーだ!」と「パーティ☆キング」へ続き、カーニバルのごとく盛り上がりを見せていた。「(自分たちの出番は)トイレ休憩だと思って」と自虐を言うも、「今、トイレに行った人がひとりいました!」としっかり客席をチェックするCLIEVY。さすがのMCだ。さらにこの日CLIEVYの衣装は、赤く点灯するベストを身につけた現場作業服風。集まった現場の人たちにリスペクトを表したのだという。「衣装が歌の邪魔をすることがあるかもしれません。その時はそっと目を閉じて歌を聴いていただけたら嬉しいなと思います」という振りをして始まったのは、「みかんハート」。しっとり歌い上げているにもかかわらず、突如光出すCLIEVYの衣装。思わず笑いが巻き起こっていたが、CLIEVYとKEENの至極のハーモニーには歓声が鳴り止まない。
心に沁みる歌を披露しつつも、「名前を覚えて帰らなくても、同じ事務所の後輩にあいみょんがいるということで。あいみょんの先輩だと覚えてもらえたら!」としっかり笑いも取っていくトークスキルに、彼らのエンターテインメント性を感じざるを得なかった。続いて「愛を浴びて、僕がいる」でハッピーな空間が広がったところで、「愛を浴びて、これからも業界をざわつかせていこうじゃないか!」とシッキンとともに「FFP feat. C&K」をパフォーマンス。会場のテンションが上がったところでラストは「入浴」。客席を駆け巡り、盛り上げまくったC&Kもももたろうたちの仲間に加わることとなった。
この日もダンスジェスチャーゲームを経て、パワーパフボーイズがパフォーマンス。続いてKing & Princeの郄橋とNOPPO、ももたろうダンサーズ、三浦大知が1日目に勝るとも劣らないパフォーマンスをしたところで、シッキンの出番がやってくる。
「MORECHAU feat. edhiii boi, Janet真夢叶(ぺろぺろきゃんでー), JIMMY(PSYCHIC FEVER)」、「TRASH TALK feat. Novel Core」と続き、「衝動DO feat. 在日ファンク」へ。この日の「衝動ズビズバゲーム」では、Da-iCE、QUICK STYLEが参加。ステージ上も客席も実に楽しそうであった。「Live like you're dancing feat. ZIN」を経ると、「最強の仲間はお客さんだったんじゃないかな、と!」とshoji。そんな観客に贈ったのは、この日もRIEHATAを迎えた「Turn Up The Love feat. RIEHATA」、「No End feat. 三浦大知」とこのフェスならではのコラボレーションを見せていく。
ラストに「Oh s**t!! feat. SKY-HI」を全力でパフォーマンスし、「KID feat. LEO (ALI)」で大団円。8月4日放送の『情熱大陸』(MBS/TBS系)に出演することや、来年新作舞台公演『See』が上演されることを告知し、2日間のフェスに幕を下ろした。
印象的だったのは、ダンスのショーケースのごとく、クールなダンスが飛び出す度に沸き立つ会場。まさに「ダンス好きのためのフェス」だったのではないだろうか。ダンス好きのひとりとして、来年、再来年、その先もこのフェスが続いていくことを願わずにはいられない。
(文=高橋梓)

