小学生時代から長年湘南を見てきた石原も“ブレーク明け”の出来に手応えを得ているようだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 2023年の湘南ベルマーレは、“ブレーク明け”の一戦目に強い。

 開幕戦のサガン鳥栖戦(5−1)を筆頭に、それぞれ前節から2週間ほど期間が空いた6節・ガンバ大阪戦(4−1)、22節・サンフレッチェ広島戦(1−0)、27節・北海道コンサドーレ札幌戦(1−0)はいずれも勝利。今季に挙げた5勝のうちの4勝が“ブレーク明け”に掴んだということになる。

 一方で、昨季以前は“ブレーク明け”に苦しんでいた印象だ。22年シーズンを例に挙げると、開幕戦の柏レイソル戦(0−2)や6節・広島戦(0−1)、10節・札幌戦(0−1)、23節・ジュビロ磐田戦(0−1)など、約2週間以上の期間が空くと、勝点を得られないケースが多かった。

 今季の湘南は、なぜ“ブレーク明け”に強いのか。ユース時代も含め、在籍期間の長い石原広教に訊いてみると、こんな回答が返ってきた。

「やるべきことがハッキリしているからやりやすいのかなと。上手くいっていなかった時はやりたいことを詰め込んでいたけど、最近はひとつテーマを決めて徹底的にやる、ということが上手くいっています。ブレークがある時に色々とやるのではなく、相手に負けないように何をすべきか、ということにフォーカスしているからこそ、迷いがなくなっているのかなと」

 準備期間があると、様々なトレーニングに着手してしまいがちなのかもしれないが、今の湘南はどんな相手なのかを分析したうえで、自分たちがやるべきことを整理できているのだろう。
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「相手を見て準備する」という点では、山口智監督の次のようなコメントからも充実度の高さを感じられる。

「ベースは変えませんし、急に特別なことをできるわけではないですが、相手を意識したトレーニングも入れています。これまでやってきたなかの、どの引き出しを使うのか、という整理ですね」

 10月21日の京都サンガF.C.戦の前にも、3週間のブレークがあった。今季のここまでの結果を見ると、期待値が増す一戦だと言えるだろう。

「3週間空くというのは、どのチームも難しいなかで、とにかく京都戦にすべてをぶつけようという話はしました。選手は日々のトレーニングからモチベーション高くやってくれています。あとはそれを継続しながら、当日に出し切ってほしいです」

 次節はJ1残留へ向けて、また湘南の前々監督の者貴裁監督(現・京都監督)と再会を果たすという意味でも重要な一戦となる。

 指揮官が言うように、どのチームもブレーク明けは難しいものだろう。ただ、今季の湘南は、ブレーク中の準備を試合内容に反映できている。難しさを強みに変えて、前節のセレッソ大阪戦に続く勝利で、今季初の連勝を掴み取りたい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)