本田氏がカナダ戦の森保Jを採点。持ち前の推進力で攻撃を牽引した伊東(14番)を高評価した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[国際親善試合]日本 4−1 カナダ/10月13日/デンカビッグスワンスタジアム

 日本代表は国際親善試合でカナダ代表と対戦し、4−1で勝利した。

 森保ジャパンは開始2分に田中碧のミドル弾で先制点すると、40分に相手のオウンゴール、42分に中村敬斗の得点で相手を引き離す。さらに後半開始直後の49分に伊東純也のループパスを田中碧がボレーで沈め、4点差に。終盤に1点を返されるも、それ以上の得点は許さず、しっかりと勝ち切った。

 昨年のカタール・ワールドカップにも出場した北米の雄に勝利を収めた一戦を、現役時代は鹿島アントラーズや日本代表で活躍した本田泰人氏はどう評価したか。

 森保ジャパンの出場17選手と監督の採点&総評は以下のとおりだ。

【先発】
GK
大迫敬介 5

DF
毎熊晟矢 5.5
冨安健洋 6
(HT→谷口彰悟 6)
町田浩樹 5.5
中山雄太 5.5

MF
遠藤 航 6.5
(61分→伊藤敦樹 6)
田中 碧 6
(72分→川辺 駿 4.5)
伊東純也 7
南野拓実 6
(83分→橋岡大樹 採点なし)
中村敬斗 6
(61分→旗手怜央 6)

FW
浅野拓磨 6.5
(72分→古橋亨梧 6)

監督
森保 一 6

※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

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 日本はカナダ相手に4−1で快勝したけど、実力差がありすぎて、まるで練習試合を見ているようだったね。
【動画】まさに悠久の時の流れ…惚れ惚れする伊東純也のアシスト
 4ゴールを奪えたのもカナダのパフォーマンスがお粗末だったから。日本の浅野、南野、中村が前線からハイプレスをかければ、カナダはすぐにボールロストを繰り返す。特に3バックとGKは、日本のプレスにビビりながらプレーしていた。

 バイエルン所属のアルフォンソ・デイビスも、ボールを持ったら驚異だったけど、単独では違いを生み出せなかった。

 スターの三笘薫をコンディション不良で欠いた日本に対し、カナダがあんなに緩いサッカーを見せるなんて。スタジアムに来てくれた3万7125人もの観客に申し訳ない。1月のアジアカップを想定すれば、韓国やサウジアラビアとかと戦ったほうが強化試合になったんじゃないかな。

 ワールドカップでベスト8以上を狙うなら、もっと海外遠征していかないといけないよね。欧州リーグのシーズン中に日本までやってきてくれるのはありがたいけど、やっぱり南米や欧州のトップレベルの国と対戦しないと、日本の本当の“課題”は見えてこない。

 この日の4ゴールを含め、森保ジャパンは直近5試合で22ゴールを奪った。6−0で完勝した6月15日のエルサルバドル戦にはじまり、ペルーに4−1、ドイツ戦で4−1、トルコ戦で4−2と大量得点している。

 数字だけを見れば、かつて得点力不足に悩んでいたのが嘘のようだ。でも、勘違いしていけないのは、絶不調だったドイツをはじめ、どの相手もワールドカップのベスト16レベルの相手ではないということ。この日のカナダのレベルだと、本当の意味での“強化試合”とは言えないよ。
 
 カナダ戦を練習試合として考えたとしても、日本の収穫はほとんど見られないね。

 オフェンス陣の働きを見ると、浅野拓磨が身体を張って前線で起点になって、伊東純也と南野拓実、中村敬斗が絡むスピーディな攻撃は良く見えたかもしれない。でも、まずまずのプレーを発揮できたのはカナダの守備陣が稚拙な出来だったからだ。

 久々に代表復帰した南野は頑張っていたけど、決定機をしっかり決め切らないといけない。田中碧は効果的な飛び出しで2ゴールを奪ったけど、守備面でボランチとしての役割を果たせたとは言えない。中村はゴールを決めてアピールに成功したし、せっかくリーグ戦で好調なのに、悪質なファウルで削られて、かわいそうだった。

 守備陣も相変わらず遠藤航、冨安健洋の好パフォーマンスが際立った。特に目立った活躍はしていないけど、途中出場した川辺駿や伊藤敦樹、谷口彰悟、橋岡大樹らと比べると、安定感が別格。

 終盤の失点シーンはマークが甘かったし、簡単にやられすぎだ。橋岡、川辺は慌てていたように見えた。彼らが投入された時間帯を考えても、本来ならゲームを落ち着かせるプレーを優先するべきだ。交代選手で試合を締めようとしていたのは伊藤敦くらいだった。
 
 両SBの毎熊晟矢、中山雄太にも合格点は付けられない。ふたりとも攻撃参加でチャンスに絡んだけど、パスミスの多さも散見したし、なにより守備でのポジショニングが悪すぎた。

 現状、SBの序列は右が菅原由勢、左が伊藤洋輝になるだろうけど、守備力を見ると今回招集されなかった名古屋グランパスの森下龍矢を含め、横一線の状態だろう。

 現状だったら右はヴィッセル神戸の酒井高徳のほうが安定していると感じるし、左は旗手怜央のほうが良いのではないか。セルティックで存在感を高める25歳は、パスが正確でアジリティもあり、攻守でデュエルに強い。ボランチでもSBでもフィットしそうだ。

 新戦力がアピールしてこそチームの競争力につながる。その意味ではSBとGKで、もっとニューフェイスの活躍に期待したい。17日のチュニジア戦ではおそらく鈴木彩艶が先発する可能性が高そうだ。スケールの大きさを考えれば、今後はこの21歳が日本のゴールマウスを守るべきだ。巡ってきたチャンスを掴んで、現状の序列を崩してほしい。

【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。