アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ最新作『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』(2023年5月12日(金)より全国公開中)より、狡噛慎也役の関智一さんと、宜野座伸元役の野島健児さんのインタビューをお届けします。

人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描くオリジナルTVアニメーション作品「PSYCHO-PASS サイコパス」。

10周年を迎えたシリーズ最新作である本作『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』では、劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__』とTVアニメ三期「PSYCHO-PASS サイコパス 3」をつなぐエピソード。これまで〈語られなかった物語〉がつむがれます。

常守朱と狡噛慎也、慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフをつなぐミッシングリンク。変わりゆく時代の中で、人々が貫く正義とは――。

TVアニメ一期からシリーズに参加し続けている、狡噛慎也役の関智一さんと、宜野座伸元役の野島健児さんに、今作の見どころと魅力をお伺いしました!

※一部ネタバレを含む箇所がございますのでご注意ください。

――脚本やシナリオを読んだ時の感想を教えてください。

関:過去のキャラクターが登場して、みんなそれぞれに見せ場もあって、よくまとまったすごく面白い作品になりそうだぞ、と思いました。

野島:台本だけ読んだ段階では、どういうストーリーなのかを掴むのにすごく苦労しました。物語がすごく入り組んでいるし、難しくて。もちろん自分の役割などは把握していますが、早く完成したものを観せてくれ!という想いでいっぱいでした(笑)。

――お二人が演じるキャラクターは当初の登場時から立場が大きく変わっていると思いますが、改めてそれぞれの印象や、今演じてみて魅力に感じる部分をお聞かせください。

関:狡噛も宜野座も朱ちゃんを通していろんな物事に触れたことによって、元々仕事としてはしっかりやっている2人でしたけど、より自分の置かれている状況に向き合って、朱ちゃんが居たから成長できた、みたいなところも、あったりなかったり(笑)。

――常守と出会っていなかったら、全然違う未来が待っていたかもしれないですよね。

関:そうですね。狡噛にとっては、朱ちゃんと目指している方向性は一緒なんですけど、違った手段を取る人というところで、しっかりと向き合って考えたことによって、たぶん自分の持っているものの良いところと悪いところと、それによってもたらされる何かをどうやって背負っていくのか、みたいなことを突きつけられて。色々放浪の生活の末に落とし込んで大人になって帰ってきたという感じですね。朱ちゃん、ありがとうございます(笑)。

野島:立場は変われど、本人たちの信念ややっていることは自分たちの信じる道だったり、常守朱をちゃんと自分たちで守っていかなきゃ、という責任感のもとに動いているところは変わらずにある。そういう守るものがあると人はすごく強くなるというか、大人になれる部分かなと感じるので、そういう意味でも彼らは少し大人になったような印象がありました。

でも、ギノさん(宜野座)が狡噛さんと久々に会ったシーンは感情が抑えきれなくなって、つい昔のギノさんが出てきて噛みついてしまうところが、懐かしくもあり、まだ変わらない成長段階のギノさんでいるんだな、というところも垣間見えて。シーン自体はそんな微笑ましい内容ではないんですけど、ついクスッとしまう印象がありました。

――狡噛だからこそ、そういう態度をとってしまう、と。

野島:そうですね。すごく家族的というか、本当に大事に想っているし、心配しているし、忘れた瞬間なんかなかったんだろうなと。ギノさんなりの愛情の持ち方として、自分の想いが抑えられない部分があるのかな、愛情の裏返しで噛みついてしまうのかな、と思いました(笑)。

――完成した映像をご覧になっていかがでしたか?

野島:こうなってるんだ……!と率直に思いました(笑)。めちゃくちゃ凝っているし、こんなにアクションが入っていたんだ!と、冒頭から一気に作品に惹き込まれて、アフレコも実際にしているはずなのに、初めて観る作品のように没頭してしまいました。

関:率直に面白かったです。

――アクションが本当に多くて見せ場でもありますよね。

野島:無敵の男が出ていましたね。冒頭から飛行機から飛び降りて、着地して、最後は海に飛び込んで。あれ?狡噛さんて銃に撃たれても大丈夫な設定でしたっけ(笑)?

関:弾が当たらないんですよ(笑)。

野島:あはは(笑)、そういう無敵感があって頼もしいスタートでしたね。

関:一期のときからのキャラクターがみんなそれぞれに見せ場がありつつ、ちゃんとそのいい場面のときには一期を彷彿とさせるような演出や音楽だったり、痒いところに手が届くというか。余すところなくどこのタイミングを好きな人が見てもそれぞれ胸熱な場面があって、ものすごくよく出来ている作品じゃないかなと思います。

野島:それからアクションが控えている合間には、狡噛とギノさんの2人で会話するシーンが入ってきたりとか、緩急があって飽きさせないですね。

――今作でのご自身が演じるキャラの見どころを教えてください。

野島:ギノさんはちゃんと義手も活躍します(笑)。あとは、ギノさんの毎シリーズ髪型が色々と変化するというビジュアル的なポイントもありますけど、今回はお団子ヘアですが、一瞬ですがそれ以外の髪型も楽しんでもらえるかな、と思っております。

関:狡噛はドミネーターを久しぶりに持ったというところですかね。あとは、キャラというより、今作はスタッフの総力戦みたいなところもあるので、宜野座と狡噛と何人かで昔の一係のときみたいに作戦を開始するときに、昔の一期の出動するときにかかっていた曲がちゃんとかかったりするので、そういう部分は見どころなのかなと思います。

――ファンは胸熱ポイントですね。

関:あれは音響監督の岩波さんの想いでかかった曲だったらしくて、そういう意味ではスタッフもそれぞれが良い働きをして良い作品に、という、みんなの力が合わさった良さで完成した作品という気がします。

――また、クライマックスのドミネーターでの戦闘シーンは劇場版ならではの迫力だな、と思いました。特にフレデリカさんのシーンは。

野島:便利機能がついているやつね。

関:でっかいやつね!

野島:監督が「今作は劇場版用に作ったので、とにかく劇場で観てほしい」とおっしゃっていました。そのくらい、音楽とSEと映像の迫力はアクションシーンにはかなり盛り込まれていると思います。

――今作でTVアニメ三期「PSYCHO-PASS サイコパス 3」で明かされていなかった常守の話が描かれていますが、常守朱についてどういう人物だと感じていますか?

関:バケモノみたいなところもありながら、少女みたいなところもあって、不思議なバランスの人だなと思いますね。

野島:掴めないからこそ、追いかけたくなるような魅力を持っているのかなと。知りたいと思うし、彼女の芯にある信じる力とか、自分の見えている道筋とか。そのエネルギーってどこから生まれてくるんだろう?と。
彼女が居なかったらもしかしたらギノさんはまだメガネをかけていたかもしれない。それくらい、彼女がこの物語の渦の中心であるし、強いエネルギーを持っている存在だからこそ気になって、そのエネルギーって何?と気になってしまいますね。

――今作で常守は最後まで本当にブレないところが魅力だなと感動しました。今作自体がTVアニメ三期を観ているとより楽しめるかな?とも思ったのですが……。

野島:改めて三期を観たいなと思いました。ギノさんは三期に出ていはいるんですけど、すごく客観的な立場だなと思っていたんです。でも、今回の劇場版に携わって、もう1回三期をちゃんと観ないといけないな、と思いましたし、「見届けたい、見届けなければ!」と思いました。

関:僕も三期は出ている箇所は少ないんですけど、でも別に今作はすんなり観られたので、三期をまだ未視聴の人も問題ないと思います。観ていなくてわからない部分は、わからないままで三期を次に観ればいいので。

――三期の慎導灼の父親が登場し展開していくので、これは……と思いました。

関:でもあれってむしろここが出発点だから。先に三期を観ちゃった人はそう思うかもしれないけれど、別に観ていなくて順番でここから観てもいいんじゃないかなと。二期とか、SS(劇場三部作『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』)までは観ていたほうがわかりやすいと思いますけど、三期は今作を観た後でも全然良いんじゃないかなと思います。

野島:時系列的にはそちらのほうが正しいですもんね。そういった意味では、三期を先に観た人も観ていない人も両方とも等しく楽しめる、ということが体現されたんですね!

――これを観て三期を再度きちんと見直そう、と思いました! 常守が三期でどうしてああなっているのかがきちんと明かされるので、今作は観たほうが良いですね。

野島:抜け落ちていたパズルのピースがちょうど埋まるような作品だと思うので、そういった意味でもすごく大事な作品だと思います。

――シリーズに参加して改めて感じる「PSYCHO-PASS サイコパス」の面白さや魅力はどんなところだと思いますか?

野島:近未来作品のSFだし、もちろんフィクションでもあるんですけど、扱っている題材や、人の想いは、リアリティーだったり、普遍的な人間の抱えている問題をテーマにしている部分があるので、とても共感できるし、問題定義もされているような気持ちにもなる部分が僕はすごく面白いな、考えさせてくれる作品だなと思います。

この劇場版を観て、「選挙行って投票できるって幸せだな」と思いながら、この間も投票に行きました(笑)。それくらい、毎日の生活というものを、観ている側が当事者であるんだなと感じさせてくれる作品だと思いますし、そこが大きな魅力だなと感じています。

関:生きている環境や時代は違いますけど、僕らの社会と似たようなものに悩みながら、どうしていったら良いんだろう?と主人公たちが心を揺らしながら考えて、少しの勇気と仲間との結束で乗り越えて行くので、そういう姿にちょっと元気をもらって、日々の生活に役立てていただけたらなと。SFですけど、そういうところもしっかり描かれているので、そこが魅力かなと思います。

――最近のお二人の色相レベルはどれくらいですか?

野島:僕は日によって大きくバラつきがあります。今は割りと執行対象ではないと思います、ギリギリ80くらいかな(笑)。

――執行対象レベルになっているときもあるんですか(笑)?

野島:あります、もう執行されたほうがいいんじゃないかっていう(笑)。ストレスにまみれてお酒を飲みすぎているときですね(笑)。

――前回インタビューしたときは、野島さんはご自身で免罪体質だと思う、とおっしゃっていましたが。

野島:それは自分を知らなかっただけです(笑)。

――関さんは最近はいかがですか?

関:疲れちゃったから茶色とかですかね。

野島:あははは!

――最近お疲れ気味なんですね。クリアにするためにしたいことは?

関:特にはないですね、ゴロゴロしていればいいです(笑)。

――では、楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

関:キャストスタッフ総力をあげた作品になっていますので、楽しんでいただければと思います。

野島:個人的な感想ですが、初めて出来上がったものを観させていただいたときよりも、2回目観た時のほうが断然面白かったです。僕は性格的に同じ作品をそこまで繰り返し観るような人ではないんですけど、今作に限っては観るたびに面白いので、また観たいし、明日も明後日も観たい、と繰り返し観たくなる作品なので、皆さんもきっと何回でもハマって観てもらえる作品だと思いますので、ぜひ楽しんでください!

――ありがとうございました!

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作品情報

■イントロ
人間のあらゆる心理状態を数値化し管理する巨大監視ネットワーク〈シビュラシステム〉が人々の治安を維持している近未来。あらゆる心理傾向が全て記録・管理される中、個人の魂の判定基準となったこの計測値を人々は「サイコパス(PSYCHO-PASS)」の俗称で呼び習わした。
犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。

2012 年にスタートしたオリジナル TV アニメーション作品「PSYCHO-PASS サイコパス」。10周年を迎えたシリーズ最新作であり集大成となる本作は、劇場版『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__』と TVアニメ三期「PSYCHO-PASS サイコパス 3」をつなぐエピソード。これまで〈語られなかった物語〉がつむがれる。
常守朱と狡噛慎也、慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフをつなぐミッシングリンク。変わりゆく時代の中で、人々が貫く正義とは――。

■ストーリー
2118年1月。公安局統括監視官として会議に出席していた常守朱のもとへ、外国船舶で事件が起きたと一報が入った。同じ会議に出席していた厚生省統計本部長・慎導篤志とともに現場に急行する朱だったが、なぜか捜査権は外務省海外調整局行動課に委ねられていた。
船からは、篤志が会議のゲストとして呼んだミリシア・ストロンスカヤ博士が遺体となって発見される。事件の背後には、行動課がずっと追っていた〈ピースブレイカー〉の存在があった。
博士が確立した研究…通称〈ストロンスカヤ文書〉を狙い、〈ピースブレイカー〉の起こした事件だと知った刑事課一係は、行動課との共同捜査としてチームを編成する。そこには、かつて公安局から逃亡した、狡噛慎也の姿があっ
た――。
博士が最後に通信した雑賀譲二の協力を得て、文書を手に入れるべく出島へ向かった一係だったが…。
〈ストロンスカヤ文書〉を巡り、予想を超えた大きな事件に立ち向かっていくこととなる朱と狡噛。その先には、日本政府、そしてシビュラシステムをも揺るがす、ある真実が隠されていた。
ミッシングリンクをつなぐ〈語られなかった物語〉が、ついに明らかになる――。

■タイトル
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』
■公開表記
全国公開中
■キャスト
常守 朱:花澤香菜
狡噛慎也:関 智一
宜野座伸元:野島健児
六合塚弥生:伊藤 静
唐之杜志恩:沢城みゆき
霜月美佳:佐倉綾音
雛河 翔:櫻井孝宏
須郷徹平:東地宏樹
花城フレデリカ:本田貴子
雑賀譲二:山路和弘
ドミネーター:日郄のり子
慎導 灼:梶 裕貴
炯・ミハイル・イグナトフ:中村悠一
舞子・マイヤ・ストロンスカヤ:清水理沙
甲斐・ミハイロフ:加瀬康之
慎導篤志:菅生隆之
砺波告善:大塚明夫
■スタッフ
監督:塩谷直義
構成:冲方 丁
脚本:深見 真、冲方 丁
キャラクター原案:天野 明
キャラクターデザイン・総作画監督:恩田尚之
色彩設計:鈴木麻希子
美術監督:草森秀一
3DCGI:GEMBA
撮影監督:荒井栄児
編集:村上義典
ベースド・ストーリー原案:虚淵 玄
音楽:菅野祐悟
音響監督:岩浪美和
アニメーション制作:Production I.G
制作:サイコパス製作委員会
配給:東宝映像事業部
主題歌:「アレキシサイミアスペア」凛として時雨(Sony Music Labels Inc.)
エンディング・テーマ:「当事者」EGOIST(SACRA MUSIC)
■公式サイト https://psycho-pass.com/
■Twitter @psychopass_tv
(C)サイコパス製作委員会
■レーティング R15+
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』配信情報
下記配信サービスにて配信中
・Amazon Prime Video
・DMM TV
・dアニメストア