教習所では車に関する様々な知識を身に着けます。しかし、運転技術とは直接関係のない「給油の仕方」を教えてもらっていないという声が時々聞かれます。

教習所では、具体的な給油方法などを教わる機会はないのでしょうか。元教官の筆者が、実際の教習現場ではどうだったか解説します。

路上練習時に給油方法を教わった?

教習所のカリキュラムは、大きく分けて「技能教習」と「学科教習」の2種類があります。

技能教習は、実際に車を運転したり、車の取り扱い方法などを学びます。一方の学科教習は、教室で座学を受けて知識を学びます。

技能教習の教習項目2「自動車の機構と運転装置の取扱い」では、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンについて触れられています。ここでは燃料の点検や計器類(燃料計)の見方を習います。

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そのほかに、ブレーキランプが正常に点灯するか、ワイパーのゴムは切れていないか、ハイビームとロービームの違いは何かといったことを、初めて路上練習に出る前に説明することになっています。

その際、給油方法についても触れています。少なくとも、筆者の勤務していた教習所では、すべての教官がそのように指導していました。

しかし教官には、できるだけ路上練習の時間を多く確保してあげたいと思う気持ちもあります。その方が教習生にとっても練習になるからです。

そのため、給油方法の説明は後回しになる可能性もあります。その場合は、路上から戻ってきた際に、その時間内で軽く給油方法について触れることになるでしょう。

実際の問題として、技能練習時に使用する「運転教本」を、技能教習の時間内にすべて読み込ませることは不可能です。そのため、教習生には、該当するページを事前に読み予習してくるように指導しています。

「教習で一度も給油方法について教えていない」ということはないハズ

一方、学科教習では、燃料や給油についての具体的な項目はなく、教える機会は少ない状況ではあります。

しかし、教習項目に関わらず、授業中に近年のガソリン価格の高騰や、セルフ式ガソリンスタンドについて触れることもあるでしょう。また、給油方法を間違ってしまう人がいることについても触れることがあります。

つまり教官が「教習で一度も給油方法について教えていない」ということは稀で、教わった記憶がなければ、忘れてしまった可能性のほうが高いでしょう。

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筆者自身、教習生に給油方法について尋ねられたことはほとんどありませんが、それは筆者を含め、他の指導員も給油方法についてしっかりと指導していたからだと考えています。

いずれにしても、教習所を卒業して免許を取得した以上、「給油方法について全く何も知らなかった」ではすまされないでしょう。

教習で使用した運転教本や学科教本は、時々読み返してみることをおすすめします。忘れていたことを思い出し、知識を再発見するいいきっかけになるかもしれません。