パチンコ台は、昔は打ち手が自分で遊技台の音量調節をすることができなかった。それが今や、5段階ぐらいの調節を自力でやれて、そればかりか演出の発生頻度なんかもカスタムできるようになっている。

そういう台が増えてきた手前、昔は爆音で耳を痛めながら遊ぶのが当たり前だったのが、最近では個々人が周りに気を使って音量を控えめにして遊ぶのが美徳とされてきている。

店によっては、音量を調節しないまま遊んでいると「うるさい!」って他の客から文句を言われるようなことにもなってきたそうだ。

たしかに、今のパチンコ台ってデフォ音量だとものすごくうるさい。だけどビギナーの人は音量調節ができるかどうかもわからないだろうし、店側も音量の変更方法なんかアナウンスもしていない。なんかこの辺は「下手だなぁ」って常々思うところである。

せっかく音量調節もできるマシンを高額で導入しておいて、そのスペックを引き出せないまま撤去するんだもの。まあ店側への文句はいいや。今日はパチンコ台の音量に関するトラブルの話をしていきたい。(文:松本ミゾレ)

「お前も耳栓して音量MAXすればいいじゃん」という声も


先日、2ちゃんねるに「音量最大で自分は耳栓してるオッサンの正体とは」というスレッドが立っていた。遊んでいるパチンコ台の音量を調節せず、自分は耳栓をしているから平気だろうけど、周りに爆音を響かせる迷惑おやじ……という感じかな。

僕はまだ遭遇したことはないが、こういう人がいるんだろう。だったら「耳栓してないでその台のボリュームを下げてよ」って自分で注意すればいいと思うんだけどね。ちょっと気が小さいのかもしれない。

これに関しては、音量を調節せずに打つ側の意見が結構書き込まれている。いくつか引用させていただきたい。

「お前も耳栓して音量MAXすればいいじゃん。そもそもパチンコ店って音がうるさい場所だってわかって行くんでしょ? 自分から足を運んでるくせに何様だよ」
「ほら、昔って音量の調整できなかったじゃん。だから自分の台も煩い音出してるから周りが煩いのと感じなかったわけよ。大体音量に文句言ってる奴って自分の台の音量は最小なのよ、だから周りの音量が凄く大きく煩いと感じるわけよ。俺は賢いからこのことにいち早く気づいて音量を下げるのはやめたね。自分の音量を下げると周りが煩く感じる。これだけのことだったんだわ」
「音量最大はヤベーけど耳栓くらいはして来いよ。うるさいトコ行って『あいつうるさい!』って子供の理屈だよ」

これに関しては個人的にも、音量調節をユーザーに委ねるようになったから起きた、割と新しいトラブルのように思える。

僕はパチンコ屋はうるさくてなんぼと思っているので音量がでかい人の隣にいてもあんまり気にならないけど、それでも台によっては耳が痛くなるレベルの爆音がひっきりなし。ついつい音を下げたくなる人の気持ちもわからないではない。

爆音のほうが回りがいいと思っている?

それにしても、耳栓をしながら台の音量を一切下げないおじさんの、その目的はどこにあるのだろうか。これ、一番ありえるのは音量を調節できることを知らない可能性だよね。

前述のように昔は台の音量をユーザー単位で調節なんてできなかった。さらに、さっきも書いたけどパチンコホールってこういう出玉に関係ない部分の説明ってマジでやらない。ちょっとした注意書きでも貼ってりゃいいのに、僕は未だそんな店に出会ったこともない。

知ってる人には常識の機能も、店以外でパチンコのことを考えたり調べたりしないユーザーには全然浸透なんかしやしないのだ。

もう一つ、耳栓しながら爆音で遊技するおっさんについては、「音がデカいと回る」と思いこんでいる可能性もある。

パチンコユーザーの間では、音量を下げると回らなくなるというオカルトがある程度認知されているのだ。バカみたいでしょ?

それを本気にして、自分は耳栓をしながらも爆音で遊んでいる。そういうことも可能性としては考えられるのではないか? と思い至った次第である。

もっともこれに関しては自分で試したこともあるけど、音が大きくても小さくても、別に大差なかった。やっぱりこう、パチンコ屋ってうるさい施設だったから音量問題なんて昔は全然話題にもならなかったんだけど……今はそもそも客が少ない。だから音量最大で打っている人が悪目立ちするようになったのかもしれない。昔は稼働も今よりかなり良かったし、みんなうるさければ相対的に誰も気にならなかったものだ。

今は客も減ったし、音量を調節するユーザーは増えたしで、「パチンコ屋であろうとうるさくしちゃダメ」みたいな、変なルールに縛られるようになっちゃったんだろうな。